「豆豉」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Addbot (会話 | 投稿記録)
m ボット: 言語間リンク 8 件をウィキデータ上の d:q3242685 に転記
Xin2000 (会話 | 投稿記録)
m →‎用途: 黒豆を使わず、水分も減らしていない豆醤は豆豉を使ったソースでは無いです。
41行目: 41行目:
* [[ピーマン]]のトウチ炒め
* [[ピーマン]]のトウチ炒め
* 豚[[スペアリブ]]のトウチ蒸し
* 豚[[スペアリブ]]のトウチ蒸し

* [[空心菜]](アサガオナ)のタオチオソース(下記)炒め


===豆豉を使った調味料、珍味===
===豆豉を使った調味料、珍味===
50行目: 50行目:
*老干媽 風味豆豉
*老干媽 風味豆豉
*:[[貴州省]]の商品で、固形のままのトウチと、[[唐辛子]]、[[ごま油]]、花椒などをブレンドした辛味調味料。
*:[[貴州省]]の商品で、固形のままのトウチと、[[唐辛子]]、[[ごま油]]、花椒などをブレンドした辛味調味料。

*タオチオ(タオチオソース 豆醤)
*:豆豉をつかったソース。[[タイ王国|タイ]]や[[ベトナム]]など[[東南アジア]]地域で愛用される。


===薬用===
===薬用===

2014年12月15日 (月) 00:57時点における版

豆豉
豆豉と様々な豆豉製品
各種表記
繁体字 豆豉
簡体字 豆豉
拼音 dòuchǐ
注音符号 ㄉㄡˋ ㄔˇ
発音: ドウチー
広東語発音: dausi
ダウシー
テンプレートを表示

豆豉(トウチ、拼音: dòuchǐ)は黒豆(黒大豆、こくだいず)にを加えて、発酵させて、水分を減らした食品。

名称

別名に蔭豉幽菽などがある。方言名に豆豉顆貴陽)、豆発雷州)、豆鹹厦門)などがある[1]

なお、「トウチ」の語は多くの中華食材と同様、中国語の発音をそのまま音写したもの。日本語の音読みに拠った読みかたは「トウシ」または「ズシ(ヅシ)」であり、とくに生薬としてはこちらの呼称を用いる[2][3]

日本では「豉」という漢字になじみがなく、また日本で広く流通しているJIS X 0208に含まれていない文字であるためか、形の似ている「鼓」という別字が当てられ、「豆鼓」と書かれることが少なくない[2]。しかし、この二つの漢字に音韻上・意味上の関連はなく、まったくの別字である。

概要

作り方としては、黒大豆を水で戻してから、蒸し、塩、酵母の混ざったものを加え、発酵させた後、日陰で水分を減らして仕上げる。 現代の日本の浜納豆大徳寺納豆などの寺納豆によく似ており、これらは中国の豆豉が奈良時代に日本に伝わったものとされている。

産地によって、麹カビの作用が強いものと、酵母菌の作用が強いものなどの違いがあり、風味も異なる。

用途

スペアリブのトウチ蒸し

塩辛く風味が強いが、アミノ酸などのうまみ成分を多く含み、まろやかなコクとふくよかな香りもあわせ持つため、料理のに奥行きを持たせることができる。 刻んだものを回鍋肉や魚介類の炒め物などに用い、また、素材と合わせて蒸し、味と香りを付けるのにも用いられる。 広東料理四川料理湖南料理などの調味料として多用される。

代表的なレシピ/商品には次のようなものがある。


豆豉を使った調味料、珍味


薬用

生薬としては、陶弘景校定による『名医別録』には「」として収載され[4]、『傷寒論』を出典とする漢方薬梔子豉湯などには「香豉」の生薬名にて配合されている[3]。また、塩分を減らして作ったものが淡豆豉(たんとうし)と呼ばれ、中国漢方の風邪薬や外用薬によく配合されている。

これに対して、調味用の普通のものは鹹豆豉(かんとうし)と呼ぶ。

名産地

脚注

  1. ^ 李榮編、『現代漢語方言大詞典』、p1740~1741、1746、江蘇教育出版社、2002年
  2. ^ a b 科学技術総合リンクセンター 科学技術用語 豆鼓
  3. ^ a b 松田邦夫「康平傷寒論解説17:梔子豉湯 梔子甘草豉湯 梔子生姜豉湯 梔子厚朴湯 梔子乾姜湯」『漢方医学講座』 33巻、津村順天堂〈日本短波放送放送内容集〉、1985年、p.p.25頁。 
  4. ^ 後藤實「生活の中の生薬102:大豆・黒豆・香豉」『活』第35巻第9号、1993年9月、p.p.180。 

外部リンク