「無次元量」の版間の差分
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'''無次元数'''(むじげんすう、[[英語]]:dimensionless quantity)あるいは'''無名数'''は、[[次元]]のない数量のこと(もしくは[[単位]]のない数量とも言える)。無次元数は工学分野ごとに無数の種類があり、現象を一般化しその特徴を明らかにするために多く用いられる。 |
'''無次元数'''(むじげんすう、[[英語]]:dimensionless quantity)あるいは[['''無名数''']]は、[[次元]]のない数量のこと(もしくは[[単位]]のない数量とも言える)。無次元数は工学分野ごとに無数の種類があり、現象を一般化しその特徴を明らかにするために多く用いられる。 |
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2012年5月25日 (金) 14:09時点における版
無次元数(むじげんすう、英語:dimensionless quantity)あるいは'''無名数'''は、次元のない数量のこと(もしくは単位のない数量とも言える)。無次元数は工学分野ごとに無数の種類があり、現象を一般化しその特徴を明らかにするために多く用いられる。
例
同種の量の比
同じ次元を持つ2つの量の比は無次元量になる。特に、同じ種類の2つの量の比は無次元量になる。例えば以下の例がある。
- 長さ同士の比 アスペクト比、ラジアン(弧度)
- 質量同士の比 比重、原子量
- 周波数同士の比 サイクル (単位)、Q値(振動や共振の鋭さを示す値)
- 入力と出力の比 利得 (電気工学):電力、電圧および電流の利得がある。
レイノルズ数
流体力学の分野で多く用いられるレイノルズ数は、代表長さ[長さの次元]、代表速度[速さ=長さ/時間の次元]、動粘性係数[長さ*長さ/時間の次元]の値を用いて求められ、流れ場の状態を表す無次元数となる。形は同じで大きさが異なる物体回りの流れを比較する際、両者のレイノルズ数が同じであれば、物体回りの流体の流れは相似となりサイズは異なっても本質的には同じ現象と考えることができる。
偏差値
ある数値が母集団の中でどれくらいの位置にいるかを表したものを偏差値という。
無次元数の例詳細
流体力学で多く用いられるもの
- レイノルズ数(運動量輸送における移流と拡散の比率。乱流を扱う際は必須。)
- ヌッセルト数(熱輸送における熱伝達(移流などを含む)と熱伝導の比率。伝熱を扱う際は必須。)
- シャーウッド数(成分輸送における物質移動と拡散の比率。)
- プラントル数(熱輸送と運動量輸送の比率。)
- グラスホフ数(流れ場における浮力の相対的な影響を示す。)
- シュミット数(物質移動と運動量輸送の比率。)
- ルイス数(熱輸送と物質移動の比率。)
- フルード数(流速と長波の伝播速度の比率。開水路などの重力が支配的な流れで用いられる。)
- ビオ数(熱輸送における熱伝達と固体側の熱伝導の比率。伝熱で用いる。)
- レイリー数(流体層の温度勾配を無次元化した量。熱対流を扱う際は必須。)
- ロスビー数(回転流体において流速を角速度で無次元化した量。)
- マッハ数(流体のもつ運動エネルギと内部エネルギの比率の平方根。圧縮性流体を扱う際は必須。)
- クヌーセン数(代表長さと分子の平均自由行程の比率。)
- エクマン数(回転系の粘性の大きさを示す。)
通信工学で多く用いられるもの
化学で多く用いられるもの
材料工学で多く用いられるもの
力学で多く用いられるもの
- 反発係数(衝突前後の速さの比。)