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2008年3月4日 (火) 16:01時点における版
参拝(さんぱい)とは、神社や寺院に行って神仏を拝む行為のことである。
同様の言葉に参詣(さんけい)があるが、参拝は拝むことに主眼があるのに対し、参詣は寺社へ詣でる(行く)ことに主眼がある。ただし、寺社に参拝するためにはそこへ詣でることになるので、一般には両者は同義の言葉とみなされている。観光や学校などによる社会科見学など、宗教的な意味あいの薄いものについて「参詣」と言い分けることもある。
参拝方法
一般的な参拝方法の大きな流れは、神社・寺院とも以下のようなものである。
- 手水舎で手を洗い、口をすすぐ。神前・仏前に参る前に身を清める行為で、神社の場合は略式の禊(みそぎ)ということになる。
- 賽銭を賽銭箱に入れる。
- 鈴を鳴らす。(鈴を鳴らした後に賽銭を入れると説明する人もいる)
- 拝礼を行う。
- 神社の場合は再拝二拍手一拝(拝は深い礼)。寺院の場合は合掌。
寺社によっては上記と異なる参拝方法の場合もあり、多くはその旨の表示がある。
一般には拍手と一拝の間、もしく合掌のときに神仏への祈願などを行う。寺院で手を合わせるのはインド等での挨拶に端を発するもので、拍手とは異なる。神社で祝詞(神社拝詞)を唱える場合は、再拝二拍手と一拝の間に行ったり、再拝の後に祝詞を唱え再度再拝二拍手一拝を行ったりする。
正式参拝
上記は社頭にて行う略式の参拝であるが、他に、拝殿に上がって行う正式参拝がある。正式参拝は、社務所にて正式参拝を行いたい旨を告げ、拝殿に上がる。神職による修祓、祝詞奏上の後、神前に玉串を捧げて拝礼する。この場合も一般には再拝二拍手一拝であるが、神職の指示に従う。その後、直会として神酒をいただく。
歴史
古代においては、参拝・参詣といえば近所の神仏に参り詣でるものであったが、平安時代ごろから遠方の寺社にも詣でるようになった。平安時代末期ごろから貴族を中心として熊野三山・高野山・伊勢神宮への参詣巡礼が盛んに行われるようになった。特に熊野詣は人気となって多くの人が参詣し、狭い山道を人々が列をなして行く様は「蟻の熊野詣」と呼ばれた。
近世になると、交通網の整備にともなり庶民の遠出が盛んになり、伊勢神宮・金刀比羅宮・善光寺などへ全国から参詣者が訪れるようになった。遠隔地への参詣には費用がかかることから、人々は講を組織し、お金を出しあって代表者が代参を行うという習慣も生まれた。また、伊勢神宮への参詣では、道中で無一文になっても沿道の人々の援助によって旅が続けられるという「抜け参り」という風習もあった。これは、援助をした人も参詣した人と同じ御利益が得られると考えられたためである。