松田憲幸

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まつだ のりゆき

松田 憲幸
生誕 (1965-05-28) 1965年5月28日(58歳)
日本の旗 日本兵庫県姫路市
国籍 日本の旗 日本
出身校 大阪府立大学(現:大阪公立大学工学部数理工学科卒業
職業 システムエンジニア
実業家
活動期間 1989年 -
団体 ソースネクスト創業者・代表取締役会長兼CEO
SOURCENEXT Inc. President CEO
ロゼッタストーン日本法人代表取締役社長
新経済連盟理事
著名な実績 著書『売れる力~日本一PCソフトを売り、大ヒット通訳機ポケトークを生んだ発想法』
驚速」「特打」「ポケトーク」開発
影響を受けたもの 稲盛和夫
活動拠点 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国シリコンバレー
テレビ番組カンブリア宮殿
日経モーニングプラス
公式サイト 松田憲幸 (noriyuki.matsuda.587) - Facebook
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映像外部リンク
PIVOT Official YouTube Channel
【ポケトークCEOに聞くグローバル経営】ポケトークは2001年から構想していた/ポケトークがヒットした幸いの理由/市場シェア97%の秘訣【9 questions】松田憲幸:前編 - YouTube
【ポケトークCEOに聞くグローバル経営】言語の壁は万国共通/日本人の執念で勝つシリコンバレーの10年で学んだこと/ドラえもんとタッグ【9 questions】松田憲幸:後編 - YouTube

松田 憲幸(まつだ のりゆき、1965年5月28日 - )は、日本出身でアメリカ合衆国在住のシステムエンジニア実業家ソースネクスト創業者で、同社代表取締役会長兼CEO、SOURCENEXT Inc. President CEOロゼッタストーン日本法人代表取締役社長。新経済連盟理事。兵庫県姫路市出身、大阪府立大学(現:大阪公立大学工学部数理工学科卒業。

経歴[編集]

兵庫県姫路市生まれ。神戸市立西高丸小学校(現・神戸市立千鳥が丘小学校)、大阪市立三国中学校大阪府立北野高等学校を卒業[1]

1989年平成元年)3月、大阪府立大学(現:大阪公立大学工学部数理工学科卒業[1]

1989年(平成元年)4月、日本アイ・ビー・エムに入社。システムエンジニアを務めた[1]

1993年(平成5年)9月、システムコンサルタントとして独立し[1][2]、有限会社トリプル・エーを設立、代表取締役社長に就任[3]

1996年(平成8年)8月、ソース(現:ソースネクスト)創業[4]、同社代表取締役社長に就任。創業した理由は「働くのに理想の企業は、自分でつくるしかない」と思ったから。世界一エキサイティングな企業を目指そうと思った[5]。社名の由来は「We Source What's Next(次の常識をつくる)」[6]

2006年(平成18年)12月に東証マザーズ2008年(平成20年)東京証券取引所一部に上場を果たした[3][2]

2012年(平成24年)米国シリコンバレーに移住し[7]、9月にカリフォルニア州パロアルトにSOURCENEXTInc .を設立し、同社President CEOに就任。

2017年(平成29年)6月、ロゼッタストーン・ジャパン代表取締役社長に就任。新経済連盟理事も務めた[3][2][8]。2021年ソースネクスト代表取締役会長兼CEO(最高経営責任者[9]

2017年(平成29年)12月13日、AI通訳機「ポケトーク」を発売。CMに明石家さんまを起用して話題。11日で初期生産数が売り切れ[10]、1年7ヶ月で累計出荷台数が50万台突破の大ヒット製品となった[11]。時価総額が1000億円を突破[12]Newsweek誌「パンデミックにおけるGood company 50社」選出、日本経済新聞社「日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞」「OMOTENASHI Selection」受賞、観光庁長官表彰、日経トレンディ「2018ヒット商品ベスト30」ほか国内外多数の受賞を得る[13][14]

2019年令和元年)10月、新経済連盟理事に就任[15]

2019年(令和元年)12月、ダイヤモンド社から初の著書『売れる力~日本一PCソフトを売り、大ヒット通訳機ポケトークを生んだ発想法』を出版。具体的な製品を挙げながら、売り方の着想プロセスを語りつくす。「AI通訳機ポケトーク」の起点となった「バベルの塔プロジェクト」、「タイピングソフト特打」の開発・ネーミングの秘密、「明石家さんまを起用した裏側」「1700万人の顧客基盤が支える自社ウェブサイトの強み」など[16]

2020年令和2年)1月19日、テレビ東京経済番組カンブリア宮殿』で松田個人に関して密着特集される。「次世代ビジネスの挑戦者たち」のトップランナーとして紹介[17]。同年9月からコロナ禍のリモート会議に対応する新商品「MeetingOwl(ミーティングオウル)」のTVCMを「半沢直樹」風の構成で開始して話題となる[18]

2021年(令和3年)2月、ソースネクスト株式会社 代表取締役会長 兼 CEO(現任)就任[19]

2022年(令和4年)2月、携帯翻訳機「ポケトーク」事業を新会社として分社化。「ポケトーク株式会社代表取締役社長 兼 CEO(現任)に就任[20]

加速ユーティリティソフト「驚速」(1996年発売)、タイピングソフト「特打」(1997年発売)[21]のほか、更新料無料のウイルス対策ソフト「ZEROウイルスセキュリティ」(2006年発売)[22]をはじめ、累計5000万本以上のソフトウエアを販売する[12]

人物[編集]

  • 尊敬する人は京セラ創業者の稲盛和夫。稲盛主宰の盛和塾に通い、ソースネクストの経営が苦しかったときは、稲盛の肉声CDを何度も聞いた[20]
  • 『カンブリア宮殿』で座右の銘を聞かれて「勤勉は善」をあげる。子供の頃から「勉強をすることは良い事」と考えてきた。人生は無限の選択をしていると思うが「遊び」よりも「勉強」をしてきたのが良かった。今後も続けていきます、とメッセージを寄せた[23]
  • 両親から「親しき仲にも礼儀あり」の大切さを学んだ。人の付き合いは親しくなると無礼になりがち。例えば、ある人に100回ご馳走してもらったら毎回「ありがとう」と感謝を伝え続けられるかどうか。1~2回は礼をしても5回もすれば礼をしない人が多いのが現実[23]
  • 2012年に米シリコンバレーに移住してコロナ下の日本と米国の違いを感じた。コロナ前も今も、アメリカ人は楽観的で笑顔が多い。日本に帰るとコロナの状況が永遠に良くならないのではないかと感じられるくらい暗いニュースばかりが流れているから日本の家にテレビは置いていない[12]
  • 起業にとって大切なことは「挑戦」「勇気」「夢を語ること」と話している[24]
  • 経営者に必要なのことは、危機時にプライドを捨てられるかどうか。スティーブ・ジョブズが経営危機のとき嫌いなビル・ゲイツMicrosoft共同創業者)に頭を下げて1.5億ドルの出資を受けた。Apple信者から大ブーイングを受けたが、提携後、Appleの株価は大きく上がり、300兆円規模の企業となった。これはスティーブ・ジョブズが真っ先に「プライドを捨てる」ことができたからだと話す[24]

ヒット作品発想法[編集]

  • 「型を知らずして型破りはできない」。世に鉄板といわれる定番書は読み飛ばしせず、きちんと読む。常識を破るには、常識がわかっていないと出来ない[25]
  • 「飲み屋の愚痴を経営戦略に活かす」。1人では手に入らない情報に触れられて意外に鋭い着眼点が転がっている[26]
  • 「成功者にカリスマは不要」。住んでいる家の近所にApple創業者スティーブ・ジョブズGoogle創業者ラリー・ペイジFacebook創業者マーク・ザッカーバーグの家がある。みな共通して普通の人だった[27]
  • 「たくさん儲けましょう、とはっきり言う」。交渉は相手のWin(メリット)を聞き出すこと[28]
  • 「人の長所を見ると前向きな関係になる」。社員の誕生日に必ず手書きのサンクスカードを送る。年に1度、社員にメッセージを寄せることで、日頃から観察力が養われ、社員のことを好きになっていく[29]
  • 「フラットな社風だから実力主義を貫ける」。上司が部下を呼ぶとき「さん」づけすることを徹底。呼び捨て文化が下剋上を起こしづらくさせる日本組織の悪癖[30]
  • 「採用は学歴や職能よりも人柄」[31]

著書[編集]

  • 売れる力~日本一PCソフトを売り、大ヒット通訳機ポケトークを生んだ発想法』(ダイヤモンド社、2019年12月12日) ISBN 978-4478107980

出演[編集]

テレビ[編集]

インターネット放送[編集]

書籍[編集]

※ 国立国会図書館「松田憲幸」調べ
  • 『USEN宇野康秀×8人の若手経営者のリアルビジネス』(著書:宇野康秀、リアルビジネス、2007年3月8日)- 「USEN社長の宇野康秀が一線で活躍する経営者から成功の秘訣を聞き出す」
  • 『1分で心が震えるプロの言葉100』(著書:上阪徹東洋経済新報社、2021年8月27日)- 「松田が発したプロの言葉~読んだら忘れられないパワーフレーズとは」
  • 『JAPAN TRANSFORMATION : 日本の未来戦略』(著者:新経済連盟KADOKAWA、2022年6月1日)- 「新時代のフロントランナー18人の1人として紹介」

雑誌[編集]

※ 国立国会図書館「松田憲幸」調べ
  • 人工知能学会』(人工知能学会)- 「合同研究会AIシンポジウム」
  • 『教育工学関連学協会連合全国大会講演論文集』(教育工学関連学協会連合全国大会実行委員会)
  • 『(社)計測自動制御学会システムインテグレーション部門学術講演会 : 講演論文集』(計測自動制御学会)
  • 『Φ』(富士総合研究所)- 「ハイパ-テキストにおけるサ-フィング支援のためのユ-ザモデルとフィルタリング」
  • 『知的教育システム研究会』(人工知能学会)- 「予測に基づくグループ学習支援」
  • 『近代中小企業ダイジェスト』(中小企業経営研究会)- 「パソコンソフトの低価格設定で消費者の心をつかむ」
  • 『Venture link』(ベンチャー・リンク)- 「ベンチャースピリッツ あったらおもしろいで常識を覆す常識を覆す」
  • 『日本教育工学会研究報告集』(日本教育工学会)- 「質問による思考トレーニングの授業実践」
  • 財界』(財界研究所)- 「人間ウオッチング」

脚注[編集]

  1. ^ a b c d [1] 六稜同窓会
  2. ^ a b c 「上場企業社長はシリコンバレーに住むべきだソースネクスト社長 松田憲幸氏に聞く(後編)」 日経ビジネス2017年8月18日(金)
  3. ^ a b c ソースネクスト株式会社
  4. ^ 社長からのメッセージ|ソースネクスト企業サイト
  5. ^ ソースネクスト企業サイト「代表メッセージ」
  6. ^ AI通訳機など常識を変える製品で、世界一エキサイティングな企業へ
  7. ^ 【ソースネクスト:松田憲幸会長兼CEO】米シリコンバレー移住を通じて財界オンライン2021/08/15 18:00
  8. ^ 有価証券報告書
  9. ^ 代表取締役の異動及び役員人事に関するお知らせ ソースネクスト
  10. ^ AI通訳機「ポケトーク」は外国からのお客様に応対する小売・サービス・運輸業など法人にも人気! 意外な活用の場とは…?
  11. ^ AI通訳機「POCKETALKⓇ(ポケトーク)」シリーズ出荷台数50万台突破のお知らせ
  12. ^ a b c ソースネクスト松田会長「移住して感じる日米の経営者の違い」
  13. ^ AI通訳機「POCKETALKⓇ(ポケトーク)」が日経トレンディ「2018年ヒット商品ベスト30」に選出2018
  14. ^ 受賞・実績|POCKETALK(ポケトーク)
  15. ^ 理事・監査役・幹事”. 新経済連盟. 2019年10月31日閲覧。
  16. ^ 【ダイヤモンドオンライン】売れる力~日本一PCソフトを売り、大ヒット通訳機ポケトークを生んだ発想法
  17. ^ ポケトークの「明石家さんまCM」をプロが大絶賛するワケ
  18. ^ 『ポケトーク』を生んだ松田憲幸氏が「人との繋がり」を今最も大切にする理由
  19. ^ 松田憲幸|STARTUP DB(スタートアップデータベース)
  20. ^ a b 【日経ビジネス】「外国語、勉強しない未来」ソースネクスト松田憲幸会長兼CEO
  21. ^ 30-40代男性にドンズバのコンセプトで、累計600万本と大ヒットしたソフト「特打」開発&商品名秘話
  22. ^ 年間更新料不要、ソースネクストが3970円のセキュリティソフトを発表
  23. ^ a b カンブリア宮殿 座右の銘 【 ソースネクスト 社長 松田 憲幸 氏 】
  24. ^ a b AI通訳機「ポケトーク」松田憲幸CEOが語る「起業家に重要な3素養」とは(第1話)
  25. ^ 著書「売れる力」167頁~170頁
  26. ^ 著書「売れる力」170頁~172頁
  27. ^ 著書「売れる力」172頁~176頁
  28. ^ 著書「売れる力」195頁~197頁
  29. ^ 著書「売れる力」213頁~217頁
  30. ^ 著書「売れる力」223頁~225頁
  31. ^ 著書「売れる力」227頁~233頁

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

先代
(新設)
ソースネクスト社長
1996年 - 2021年
次代
小嶋智彰