ワット・ロンクン
ワット・ロンクン(タイ語: วัดร่องขุ่น)はタイ王国チエンラーイ県ムアンチエンラーイ郡にある、現代的で因習にとらわれない様式を持った仏教寺院。国外では「ホワイト・テンプル」の名でよく知られ、元画家のアーティストであるチャルムチャイ・コーシッピパットが1997年にデザインした。歴史の浅い寺院であるが、チェンマイ〜チェンライ間の観光バス周遊コースでは定番のスポットになっている[1]。
この建造物はタイの伝統芸術と超現実主義の融合であり、本殿が白く塗られているのは仏陀の清浄さを象徴するためである。一方、建物内部に入ると壁面にはバットマン、スーパーマン、プレデター、マトリックスなどポップカルチャー由来のモチーフが、仏教的文脈における善悪を表現するよう描かれている。チャルムチャイはこの寺院を、人々が仏陀の教えを学び瞑想する場所にしたいと考えている。最終的には、3エーカーの敷地に塔や庵などを含めて9つの建物を作る予定だという[2]。
付近にあるワット・ロンスアテン(ブルーテンプル)・バーンダム・ミュージアム(ブラックハウス)と合わせてホワイトテンプルと紹介される[3][4]。
2014年の地震
[編集]2014年5月5日の午後6時8分(現地時間)、チエンラーイ県メーラーオ郡を震源とした大地震が発生し、この寺院は大きなダメージを受け[5]、無期限閉鎖となった[6]。チャルムチャイは翌6日、寺院を丸ごと破却して再建しないつもりだと述べた[7]。しかし7日朝、技術者の一団が現地調査を行い、寺院の全ての構造物は地震で傷ついてはいないことを確認した後、チャルムチャイは2年のうちに寺院を元の美しい姿に再建すると発表し、自分の人生をその仕事に捧げることを約束した。また8日の午後に敷地の公開を再開するとも発表した[8][9]。
ギャラリー
[編集]脚注
[編集]- ^ “【タイ】「中国人女性観光客は迷惑なんです」チェンライ仏教寺院ワット・ロンクンが大激怒”. グローバルニュースアジア. Global Asia (2015年9月18日). 2015年9月28日閲覧。
- ^ “Wat Rong Khun: A Buddhist Temple Inspired by Sci-Fi Movies”. Amusing Planet (2013年2月18日). 2014年10月8日閲覧。
- ^ “色をテーマに巡るタイ・チェンラーイの観光スポット3選 ~寺院・博物館”. 地球の歩き方 (2018年8月23日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ “生命の根源エネルギーが爆発!チェンライのブラックハウス(バーン・ダム・ミュージアム)でタワン・ダッチャニーの絵画を鑑賞した”. ミズイロノタビ (2023年2月19日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ http://englishnews.thaipbs.or.th/wat-rong-khun-heavily-damaged
- ^ http://englishnews.thaipbs.or.th/wat-rong-khun-closed-now-safety-reason
- ^ “'อ.เฉลิมชัย' สิ้นหวัง ไม่สร้างแล้ว 'วัดร่องขุ่น'” [Instructor Chalermchai was despaired and will not rebuild Wat Rong Khun] (Thai). Thairath (2014年5月6日). 2014年5月6日閲覧。
- ^ http://www.manager.co.th/Daily/ViewNews.aspx?NewsID=9570000050765
- ^ http://englishnews.thaipbs.or.th/chalermchai-rebuild-wat-rong-khun-back-original-beauty-two-years