リンダ・トマス=グリーンフィールド
リンダ・トマス=グリーンフィールド Linda Thomas-Greenfield | |
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生年月日 | 1952年11月22日(71歳) |
出生地 | アメリカ合衆国 ルイジアナ州ベイカー |
出身校 |
ルイジアナ州立大学(学士号) ウィスコンシン大学マディソン校(MPA) |
前職 | 国務次官補など |
現職 | 国際連合大使 |
配偶者 | ラファイエット・グリーンフィールド[1] |
子女 | 2人 |
在任期間 | 2021年2月25日 - 現職 |
大統領 | ジョー・バイデン |
在任期間 | 2013年8月6日 - 2017年3月10日 |
大統領 |
バラク・オバマ ドナルド・トランプ |
在任期間 | 2012年4月2日 - 2013年8月2日 |
大統領 | バラク・オバマ |
在任期間 | 2008年7月18日 - 2012年2月29日 |
大統領 |
ジョージ・W・ブッシュ バラク・オバマ |
リンダ・トマス=グリーンフィールド(英語: Linda Thomas-Greenfield、1952年11月22日 - )は、アメリカ合衆国の外交官。バイデン政権で国際連合大使を務めている。かつてはアフリカ担当国務次官補、民間企業のオルブライト・ストーンブリッジ・グループの上級副社長を務めた。2021年2月23日に上院で国際連合大使に起用する人事案が承認され、2月25日に着任した。
来歴
[編集]1952年11月22日にルイジアナ州ベイカーにて[2]、日雇い労働者の父と調理師の母との間に8人兄弟の第1子として誕生した[3]。1974年にルイジアナ州立大学を卒業し、その翌年にウィスコンシン大学マディソン校で公共経営の修士号(MPA)を取得した[4][5]。
バックネル大学で政治学を教えた後は、1982年に国務省に入省した[6]。人口・難民・移民問題担当国務次官補(2004年 - 2006年)、アフリカ担当第一国務次官補(2006年 - 2008年)、駐リベリア大使(2008年 - 2012年)、外交局長兼人的資源部長(2012年 - 2013年)[7][8]、アフリカ担当国務次官補(2013年 - 2017年)などを歴任し[9][10]、スイス(国際連合アメリカ合衆国代表部)・パキスタン・ケニア・ガンビア・ナイジェリア・ジャマイカに駐在した[11]。
2017年1月20日にドナルド・トランプ政権が発足すると、「国務省幹部の粛清」(ロサンゼルス・タイムズ紙)に遭って解雇された[12]。同年秋から2019年春までジョージタウン大学にアフリカ研究の特別研究員として在籍した。現在も同大学の非常勤研究員となっている[13]。
2020年11月にジョー・バイデンが次期大統領となると、それまで上級副社長を務めていたオルブライト・ストーンブリッジ・グループを離れ、国務省関連の政権移行作業を支援する再検討チームに加わった[14][12][15]。11月24日にバイデンから次期国際連合大使に指名された[16][17]。2021年1月27日に上院外交委員会に出席した[18]。
国際連合大使の指名承認公聴会においてトマス=グリーンフィールドは、民間のコンサルティング会社に勤務していた2019年当時、中国政府がバックアップする孔子学院でスピーチをしたことについて後悔していると証言した。上院外交委員会の外交政策については大部分につき支持を表明し、アフリカ諸国などにおける中国の「有害な軍事力」と「借金戦術の罠」に警鐘を鳴らした[19][20]。
パレスチナ問題については、ボイコット・投資撤収・制裁運動を反ユダヤ主義に等しいとし、イスラエルが不公平なまでにやり玉に挙げられることに反対すると述べた[21]。
2021年2月23日に上院で採決が行われ、78票対20票で第31代国際連合大使に指名された[22]。2月25日に信任状を捧呈した[23]。指名採決が遅れたのは、テキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員が2019年の例のスピーチ内容を問題視したためと報じられた[24]。
2021年3月1日には月番の安全保障理事会議長に就任した(同月末まで)[25]。
著作
[編集]- Thomas-Greenfield, Linda (July 1, 2001). “U.S. Refugee Admissions History and Policy” (英語). Refugee Survey Quarterly 20 (2): 165–169. doi:10.1093/rsq/20.2.165. ISSN 1020-4067.
- Thomas-Greenfield, Linda; Wharton, D. Bruce (2019). “Zimbabwe's Coup: Net Gain or No Gain?” (英語). Military Review .
- Thomas-Greenfield, Linda; Burns, William J. (2020). “The Transformation of Diplomacy: How to Save the State Department” (英語). Foreign Affairs 99 (6) .
脚注
[編集]- ^ https://abcnews.go.com/Politics/veteran-diplomat-linda-thomas-greenfield-returns-bidens-pick/story?id=74408696
- ^ [1]
- ^ “国連で米国を代表するリンダ・トーマスグリーンフィールド大使”. アメリカン・ビュー (2021年4月6日). 2021年6月10日閲覧。
- ^ “Honorary Doctorate Recognizes Career in International Diplomacy”. International Division. University of Wisconsin–Madison (May 12, 2018). November 23, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。November 23, 2020閲覧。
- ^ “Linda Thomas-Greenfield” (英語). Foreign Policy for America. 2020年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月23日閲覧。
- ^ “Linda Thomas-Greenfield”. About Us. Albright Stonebridge Group. November 10, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。November 24, 2020閲覧。 “Prior to joining the U.S. Department of State, Ambassador Thomas-Greenfield taught political science at Bucknell University in Pennsylvania.”
- ^ “Appointments and Resignations – Assistant Secretary of State for African Affairs: Who Is Linda Thomas-Greenfield?”. AllGov. April 2, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。March 29, 2015閲覧。
- ^ “Thomas-Greenfield, Linda (1952– )”. The Black Past: Remembered and Reclaimed. April 2, 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。March 29, 2015閲覧。
- ^ “Linda Thomas-Greenfield, Assistant Secretary, Bureau of African Affairs”. Department of State. January 21, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。March 29, 2015閲覧。
- ^ Morello, Carol (March 2, 2017). “That drip-drip is the sound of two more senior diplomats leaving Foggy Bottom”. Washington Post. March 6, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。March 10, 2017閲覧。
- ^ Thomas-Greenfield
- ^ a b “Biden looks to rehire diplomats and others fired by Trump to rebuild the State Department”. The Los Angeles Times (November 20, 2020). 2020年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月20日閲覧。
- ^ “Ambassador (ret.) Linda Thomas-Greenfield”. School of Foreign Service. Georgetown University. February 3, 2021閲覧。
- ^ “Agency Review Teams”. President-Elect Joe Biden. November 10, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。November 10, 2020閲覧。
- ^ “Linda Thomas-Greenfield”. Albright Stonebridge Group. November 10, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月27日閲覧。
- ^ Michael Crowley and Jeanna Smialek (November 23, 2020). “Biden Will Nominate First Women to Lead Treasury and Intelligence, and First Latino to Run Homeland Security”. The New York Times. オリジナルのNovember 23, 2020時点におけるアーカイブ。 November 24, 2020閲覧. "Biden will also nominate Linda Thomas-Greenfield to be ambassador to the United Nations and restore the job to cabinet-level status, giving Ms. Thomas-Greenfield, who is African-American, a seat on his National Security Council."
- ^ Zilbermints, Regina (November 23, 2020). “Biden picks Linda Thomas-Greenfield for US envoy to UN”. TheHill. November 23, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。November 23, 2020閲覧。
- ^ “What Linda Thomas-Greenfield's hearing says about US leadership at UN”. Devex.com (January 28, 2021). January 31, 2021閲覧。
- ^ Mauldin, William (January 28, 2021). “Biden Pick for U.N. Envoy Expresses Regret for China Speech”. February 2, 2021閲覧。
- ^ Feng, John (January 28, 2021). “Linda Thomas-Greenfield, Biden's U.N. pick, says she regrets positive China speech in Senate grilling”. February 2, 2021閲覧。
- ^ “BDS verges on Antisemitism, Biden's pick for US Envoy says”. (27 January 2021)
- ^ Heath, Ryan (February 23, 2021). “'It Can Only Get Better': Linda Thomas-Greenfield Headed to Crisis-Plagued U.N.”. Politico. February 23, 2021閲覧。 “"[She] will arrive in New York February 25 to present her credentials to U.N. Secretary General António Guterres."”
- ^ “New US envoy starts challenge to restore US on world stage”. AP NEWS (2021年2月25日). 2021年3月9日閲覧。
- ^ Bade, Gavin (February 2, 2021). “Cruz delays vote on U.N. nominee Thomas-Greenfield as impeachment trial looms”. POLITICO February 3, 2021閲覧。
- ^ Nichols, Michelle (2021年3月1日). “U.S. to push for 'intense' U.N. Security Council talks on Myanmar” (英語). Reuters 2021年3月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- リンダ・トマス=グリーンフィールド大使略歴 国際連合アメリカ合衆国政府代表部
- リンダ・トマス=グリーンフィールド - C-SPAN
外交職 | ||
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先代 ドナルド・ブース |
在リベリアアメリカ合衆国大使 2008年7月18日 - 2012年2月29日 |
次代 デボラ・R・マラック |
先代 ケリー・クラフト |
国際連合大使 第31代:2021年2月25日 - 現職 |
現職 |
官職 | ||
先代 ナンシー・パウエル |
国務省外交局長 2012年4月2日 - 2013年8月2日 |
次代 アーノルド・チャコン |
先代 ドナルド・ヤマモト |
アフリカ担当国務次官補 2013年8月6日 - 2017年3月10日 |
次代 ティボー・P・ナジ・ジュニア |
アメリカ合衆国の儀礼席次 | ||
先代 キャサリン・タイ 通商代表として |
(国際連合大使として) | 次代 ジャレッド・バーンスタイン 大統領経済諮問委員会委員長として |