パパ活

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パパ活
ジャンル ラブストーリー
配信時間 毎週月曜0時(24分)
配信期間 2017年6月26日 - 11月29日(8回)
配信国 不詳
制作 エイベックス通信放送
フジテレビジョン
企画 清水一幸
森下正樹
演出 加藤裕将
脚本 野島伸司
プロデューサー 上田徳浩
松井純子
三竿玲子
出演者 渡部篤郎
飯豊まりえ
外部リンク 公式サイト

特記事項:
2017年10月12日 (11日深夜) より毎週木曜0時55分 - 1時25分 (初回のみ1時25分 - 1時55分) 地上波で放送。
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パパ活』(パパかつ)は、2017年6月26日から毎週月曜0時にdTVFOD配信開始された日本のインターネットテレビドラマ。主演は渡部篤郎、脚本は野島伸司

視聴者の好評に応え、同年10月12日(11日深夜)より毎週木曜0時55分 - 1時25分 (初回のみ1時25分開始) にフジテレビにて地上波放送開始[1]。2018年2月23日にエイベックス・ピクチャーズよりDVD-BOXが発売された[2]

本作のタイトルに用いられている「パパ活」とは「カラダの関係がなく、デートをするだけで金銭的支援をしてくれる男性との交際」を意味しており[3]本作が制作された2010年代後半の日本で広く浸透していた。[要出典]

制作[編集]

エイベックス通信放送の映像配信サービスdTVとフジテレビのタッグによるオリジナルドラマの2作目[4]

女性が男性から金銭的支援を受けることを目的に交際をする、現代の新たな男女関係「パパ活」を題材にした野島伸司のオリジナル脚本のラブストーリー[5]。物語の中心となるのは女子大生の杏里と大学教授の航である[6]

野島によると、本作においてパパ活は「入り口のモチーフ」として使われており[7]、物語は「年の差恋愛」のみをテーマとしてはいない [6]。ヒロインである杏里がパパ活を開始するのは生活費を稼ぐためであり[7]、背景にある「貧困女子」という現代の社会問題や、航の抱える心の闇をも描いている[6]

あらすじ[編集]

20歳の大学生・杏里は母親の再婚により家から追い出され、航は10年前に10歳の娘を亡くしていた。利害の一致した2人は「パパ活」サイトを通して出会い、疑似親子として生活する。しかし次第に「禁断の恋」に落ちていく[8]

キャスト[編集]

栗山航〈45〉
演 - 渡部篤郎
フランス文学を教える大学教授。杏里と同年代の娘を亡くしている。
赤間杏里〈20〉
演 - 飯豊まりえ
女子大生。母親が離婚ののち再婚し、家に居場所をなくして「パパ活」を始める。
柿沢実〈23〉
演 - 健太郎
コック見習い。杏里に想いを寄せながら、複数の女性と遊んでいる[8]
栗山菜摘〈44〉
演 - 霧島れいか
航の妻。夫婦関係は破綻しており、芳樹と不倫している[8]
入江芳樹〈44〉
演 - 橋本さとし
レストランのオーナー。航の旧友で、菜摘と不倫している[8]

キャスティング[編集]

本作のヒロイン・赤間杏里を演じるのは飯豊まりえ。飯豊によれば、自分とは正反対の性格で強めの口調の今風の「イケイケな女の子」を演じること[9][10]や、「パパ活」のテーマ、自身の父親と同年代の男性との恋愛を理解するのは困難で、脚本を読んだ当初は「できないと思いました」と語っている[11]。しかし飯豊は10代のうちに大人の男性との恋愛を演じる経験を前向きに捉え、年の差恋愛を意識せず「普通に恋をする気持ち」を表現しようと出演を決意。のちにプロデューサーから「逆に恋愛をあまり知らない人、恋愛体質じゃない人に演じて欲しかった」と聞かされたことで不安は軽減されたという[11]。さらに飯豊は、ヒロインの「すべてを投げ出しても飛び込みたい」気持ちに共感したい一方で理解できない葛藤を抱えながら演じるうちに、絶望の中で寂しさを抱え込む女の子が1人の男性の存在により希望を取り戻す、という杏里の役柄に「リアルさ」を感じるようになったという[12]

レビュー[編集]

宮田文久によると本作は、「パパ活」のもつスキャンダラスなイメージの裏側にある、"理解者"を求めているにもかかわらず周囲と"想像したような関係"になれない焦りや寂しさを描こうとしている。野島が1994年に企画したドラマ『家なき子』で見せた「強烈なエモーションごと、切迫したリアリティーをぶつけてくる野島節」は本作でも発揮されており、20年前も現在も"現代社会"の人間関係の苦悩を描き続けてきた野島らしい作品であると評した[13]

成馬零一によると、本作はタイトルから想像される「ちょっとHなラブコメ」ではなく、「愛と性を正面から描く」野島らしい作品である。そのうえで1993年の野島脚本ドラマ『高校教師』と同様に過激な題材を扱っていながら、本作では以前よりも「純粋な作家としての力量は洗練されて」いると評価した。そして2010年代の地上波テレビドラマに求められる穏やかな作風に合わせるのでなく、作品発表の場を有料配信動画に移すことで、野島は変わらず「青臭く尖っ」た作品を作り続けているとした[14]

スタッフ[編集]

各話リスト[編集]

※ タイトルはFOD[15]より

  1. 今夜泊まる所がないの
  2. 私はあなたのペット
  3. 淋しがりやの飼い主
  4. 恋したら契約違反
  5. 実の娘の身代わり
  6. パパに抱かれる夜には
  7. 忍び寄る破局の予感
  8. 命短し恋せよ乙女

脚注[編集]

  1. ^ “渡部篤郎×飯豊まりえ“25歳差恋愛”が話題 野島伸司脚本ドラマ地上波放送決定〈パパ活〉”. モデルプレス. (2017年9月19日). https://mdpr.jp/news/detail/1715422 2018年2月9日閲覧。 
  2. ^ ドラマ「パパ活」特設サイト|dTV(ディーティービー)【初回31日間お試し無料】”. video.dmkt-sp.jp. 2022年3月8日閲覧。
  3. ^ パパ活”. フジテレビ. 2022年3月8日閲覧。
  4. ^ “注目を集める“パパ活”をドラマ化!渡部篤郎が野島伸司作品に初参加!!”. ザテレビジョン. (2017年5月22日). https://thetv.jp/news/detail/109768/ 2017年6月1日閲覧。 
  5. ^ “渡部篤郎&飯豊まりえ、"パパ活"から始まるラブストーリー 脚本は野島伸司氏”. ORICON NEWS. (2017年5月22日). https://www.oricon.co.jp/news/2091094/full/ 2017年6月1日閲覧。 
  6. ^ a b c “健太郎、脚本・野島伸司「パパ活」で改めて気づいた俳優業の醍醐味”. 映画.com. (2017年7月3日). https://eiga.com/news/20170703/1/ 2017年9月2日閲覧。 
  7. ^ a b “デートしてお金もらう"パパ活"がドラマに 渡部篤郎&飯豊まりえが複雑な男女役”. シネマトゥデイ. (2017年5月23日). https://www.cinematoday.jp/news/N0091734 2017年6月1日閲覧。 
  8. ^ a b c d “25歳差禁断の恋”が話題 渡部篤郎と飯豊まりえが濃厚キス&ベッドシーン「パパ活」衝撃展開の結末は?”. modelpress (2017年11月9日). 2018年2月10日閲覧。
  9. ^ “飯豊まりえ:渡部篤郎と主演ドラマ「パパ活」語る 野島伸司脚本の異色ラブストーリー”. MANTAN WEB. (2017年6月28日). https://mantan-web.jp/article/20170628dog00m200011000c.html 2017年9月2日閲覧。 
  10. ^ “飯豊まりえ、主演ドラマで「パパ活」女子大生熱演「スキャンダラスな内容に」”. Sponichi Annex. (2017年6月26日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/06/26/kiji/20170624s00041000511000c.html 2017年9月2日閲覧。 
  11. ^ a b 田中久勝 (2017年7月21日). “今最も注目を集める若手女優の一人・飯豊まりえが挑む、野島伸司作品『パパ活』「演じ切れるか不安だった」”. 個人 - Yahoo!ニュース. 2018年2月10日閲覧。
  12. ^ “飯豊まりえインタビュー「夢みたいなお話だけどリアルさも感じた」 dTV×FOD共同製作ドラマ『パパ活』”. TV LIFE web. (2017年6月26日). https://www.tvlife.jp/pickup/126176 2018年2月10日閲覧。 
  13. ^ 宮田文久 (2017年6月28日). “密やかな社会現象「パパ活」とは?野島伸司脚本ドラマをレビュー”. CINRA.NET. 2018年2月10日閲覧。
  14. ^ 成馬零一 (2017年8月31日). “ネット配信ドラマ『パパ活』が面白い。野島伸司の尖った作品を受け止める定額動画配信サービス。”. 個人 - Yahoo!ニュース. 2018年2月10日閲覧。
  15. ^ FOD - フジテレビの動画配信サービス. 2017年9月28日閲覧。

外部リンク[編集]