コンテンツにスキップ

ジ・エンプティ・フォックスホール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ジ・エンプティ・フォックスホール』
オーネット・コールマンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1966年9月9日 ニュージャージー州 ヴァン・ゲルダー・スタジオ[1][2]
ジャンル フリー・ジャズ
時間
レーベル ブルーノート・レコード
プロデュース フランシス・ウルフ[1][2]
専門評論家によるレビュー
オーネット・コールマン アルバム 年表
ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン
(1966年)
ジ・エンプティ・フォックスホール
(1966年)
オーネット・コールマンの世界
(1967年)
テンプレートを表示

ジ・エンプティ・フォックスホール』(The Empty Foxhole)は、アメリカ合衆国フリー・ジャズ・ミュージシャン、オーネット・コールマン1966年に録音・発表したスタジオ・アルバム

背景

[編集]

当時10歳であったオーネットの息子デナード・コールマンがドラムスを担当しており、デナードは後に、父オーネットが率いるバンド「プライム・タイム英語版」の正式ドラマーとなった[3]。オーネットは本作で、アルト・サクソフォーンだけでなくトランペットヴァイオリンも演奏しており、「サウンド・グラヴィテーション」は、オーネットが公式な録音としては唯一、ヴァイオリンに専念した曲である[4]。本作でベースを弾いたチャーリー・ヘイデンは、公式な録音としてはアルバム『フリー・ジャズ』(1960年12月録音)以来約6年ぶりに、オーネットのサイドマンを務めた[1]

ジャケットに使用された絵はオーネット自身が描いた[2]

評価

[編集]

オーネットと共演経験のあるフレディ・ハバードは、ブラインド・フォールド・テストで本作を聴いた際、デナードのドラムスの演奏に関して「ちびっ子がふざけているようだ」とコメントした[4]。また、マイルス・デイヴィスがブラインド・フォールド・テストを行った際には、オーネットのトランペット演奏をドン・チェリーと思ったという[4]

スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「彼の作品の中でも、特に好奇心をそそる物の一つ」「デナードの手によるムラっ気のある打楽器は、決して支離滅裂になっておらず、彼の『意識の流れ』から溢れ出るアイディアは、父およびベーシストのチャーリー・ヘイデンと共に、驚くほど良い状態を保っている」と評している[5]。また、ロバート・スペンサーはAll About Jazzにおいて「ここでのオーネットのアルト演奏は、いつもより簡素である」「オーネット・コールマンは伝統的なミュージシャンでないが、決して悪いアルバムは作らないだけの音楽的才能に恵まれている」と評している[4]

収録曲

[編集]

全曲ともオーネット・コールマン作曲。

  1. グッド・オールド・デイズ - "Good Old Days" - 6:50
  2. ジ・エンプティ・フォックスホール - "The Empty Foxhole" - 3:20
  3. サウンド・グラヴィテーション - "Sound Gravitation" - 7:17
  4. フリーウェイ・エクスプレス - "Freeway Express" - 8:18
  5. フェイスフル - "Faithful" - 7:05
  6. ジグ・ザグ - "Zig Zag" - 5:59

参加ミュージシャン

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c Ornette Coleman Discography”. Jazz Discography Project. 2020年3月15日閲覧。
  2. ^ a b c Ornette Coleman - The Empty Foxhole (1966, 'New York' label, Vinyl) | Discogs
  3. ^ Henderson, Alex. “Denardo Coleman - Biography & History”. AllMusic. 2020年3月15日閲覧。
  4. ^ a b c d Spencer, Robert (1997年4月1日). “Ornette Coleman: The Empty Foxhole album review”. All About Jazz. 2020年3月15日閲覧。
  5. ^ Huey, Steve. “The Empty Foxhole - Ornette Coleman”. AllMusic. 2020年3月15日閲覧。