ジュニー・モリソン

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ジュニー・モリソンWalter "Junie" Morrison 1954年 - 2017年)はアメリカ合衆国ミュージシャンオハイオ州デイトン生まれ。主に1970年代にファンクR&B界においてキーボーディストボーカリスト作曲家編曲家として活躍した。オハイオ・プレイヤーズの初期メンバーの一人で,後期Pファンクを支えた最重要メンバーの一人。ウニウニとうねり意表をつくキーボードサウンド、粘着質なボーカル、物悲しくも美しいメロディを奏でる作曲・編曲能力、キーボード以外にもギター、ベース、ドラム等なんでもこなすマルチタレントぶりに、「変態的天才」としばしば形容される。

来歴[編集]

1970年に結成されたファンクバンド、オハイオ・プレイヤーズのキーボーディスト、ボーカリストとして音楽活動をスタートさせたが、最初期の1、2ヶ月は電子ピアノを買うお金がなく、トランペットを演奏していたという。同バンドにて作曲家、キーボーディストとしての才能を発揮して3枚のアルバムを発表し、1973年5月には自身の作曲による"ファンキー・ワーム"(1971年発表)がヒットし、ビルボードR&Bチャート1位、ポップチャート15位を記録した。

1974年にオハイオ・プレイヤーズを脱退、その後3枚のソロアルバムを発表した後に、1977年ジョージ・クリントン率いるPファンクに参加した。

P-ファンク軍団(ファンカデリックおよびパーラメントの二つのバンドを主とするファンクグループ)と仕事をすることでジュニーの才能はさらに大きく開花し、ファンカデリック1978年発表の、ファンクロックの金字塔的アルバム、『ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ One Nation Under A Groove 』の制作に大きく関わった。その他1978年以降のファンカデリックおよびパーラメントの多くの楽曲の作曲、編曲、演奏、ボーカルに関与した。ジュニーの作曲は、多くが J.S.Theracon としてクレジットされている。またファンカデリック1979年発表のアルバム、アンクル・ジャム・ウォンツ・ユー収録の大ヒット曲、『ニー・ディープ (Not Just) Knee Deep 』は作曲者クレジットが「George Clinton, Jr」となっているが、これはジョージ・クリントンとジュニーのことであると後に判明した(1993年発表ジョージ・クリントン・ファミリー・シリーズ vol.3 プラッシュ・ファンク収録のジョージ・クリントンのインタビューより)。このように、Pファンク内での活動は偽名になっていたり、クレジットが正確でないものが多々あるため、過小評価されがちである。また同曲では楽器演奏のほとんどをジュニー一人で行っていることも特筆すべきことである。

1980年代に入るとPファンクの活動は急速に収束したが、ジョージ・クリントンのファーストアルバムに参加したり、自身のソロアルバムを発表するなど精力的に活動を続けた。1990年代にはソウル・トゥー・ソウル音楽プロデューサー等として活躍し、また2004年には最新ソロアルバムを発表するなど2006年現在も活躍中である。

1997年、パーラメント-ファンカデリックの一員としてロックの殿堂入りを果たした。

2017年、死去[1]

ディスコグラフィー(代表的参加アルバム)[編集]

ソロアルバム[編集]

  • When We Do (Westbound, 1972) (LP)
  • Freeze (Westbound, 1973) (LP)
  • Suzie Super Groupie (Westbound, 1974) (LP)
  • ブレッド・アローン Bread Alone (CBS, 1980) 1994年CD化
  • ジュニー5 5 (CBS, 1981) 1994年CD化
  • Evacuate Your Seats (Ze/Island, 1984) (LP)
  • ウェストバウンド・イヤーズ (P-Vine, 1994)
ウェストバウンドに残した初期ソロアルバム3枚からの編集版
  • When The City (JunieFunk Recordings, 2004)

オハイオ・プレイヤーズ[編集]

  • ペイン Pain (Westbound, 1970)
  • プレジャー Pleasure (Westbound, 1971)
  • エクスタシー Ecstacy (Westbound, 1972)

パーラメント[編集]

  • モーター・ブーティー・アフェア Motor-Booty Affair (Casablanca, 1978)
  • グローリィホーラストゥピッド Gloryhallastoopid (Casablanca, 1979)
  • トロンビピュレイション Trombipulation (Casablanca, 1980)

ファンカデリック[編集]

  • ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ One Nation Under A Groove (Priority, 1978)
  • アンクル・ジャム・ウォンツ・ユー Uncle Jam Wants You (Priority, 1979)
  • エレクトリック・スパンキング・オブ・ウォー・ベイビーズ The Electric Spanking of War Babies (Priority, 1981)

ジョージ・クリントン[編集]

  • Computer Games (Capitol, 1982)

脚注[編集]

外部リンク[編集]