クラメリサウルス

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クラメリサウルス
生息年代: 170 Ma
幕張メッセでのイベントで展示されたクラメリサウルスの復元骨格
地質時代
ジュラ紀中期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 竜脚形亜目 Sauropodomorpha
下目 : 竜脚下目 Sauropoda
: クラメリサウルス属 Klamelisaurus
学名
Klamelisaurus
Zhao1993
下位分類(

クラメリサウルスKlamelisaurus)はジュラ紀中期に現在の中国に生息していた竜脚類恐竜の属である。体長17 mほどの草食恐竜であった。

概要[編集]

復元図

化石は中国、新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地の克拉美麗山の南方に位置する奇台県将軍廟の北35 kmにある石樹溝累層(en)五彩湾部層(en)のジュラ紀中期の地層から発見された[1]。1993年、中国科学院古動物古人類研究所IVPP)の趙喜進Zhao Xijin)により新属、新種Klamelisaurus gobiensisとして命名され、短報に記載された[1]。属名は発見地近くにある克拉美麗山(klameli-shan)とギリシャ語でトカゲを意味するσαυροςラテン文字転写sauros)から派生している。種小名は発見地の将軍ゴビ(jiangjun-gobi)にちなんでいる[1]。ゴビはモンゴル語で乾燥した草原を意味するГовьに由来し、モンゴル周辺の乾燥地帯の地名に多く見られる語であるが、ゴビ砂漠と同語源であるためこの種小名も本来の「ゴビの」ではなく「ゴビ砂漠の」と誤訳されることがある。発見地はジュンガル盆地のグルバンテュンギュト砂漠近郊でゴビ砂漠ではない。現在までのところタイプ種K. gobiensisが唯一の種である。

タイプ標本IVPP V.9492は部分骨格で、断片的な歯、首から尾にかけての椎骨肋骨、右肩甲骨烏口骨上腕骨尺骨橈骨指骨腰帯大腿骨脛骨腓骨距骨などが含まれている[1]。歯は竜脚類として一般的なスプーン状であった[1]。前肢は後肢の3/4ほどの長さである[1]。各椎骨の数は頸椎が16個、胴椎が12個もしくは13個、仙椎が5個、尾椎が60個以上と推定されている[1]

分類[編集]

原記載Zhao(1993)ではスプーン状の歯などからブラキオサウルス科としながらも、胴椎の数などから独自の亜科クラメリサウルス亜科(Klamelisaurinae)に分類されている[1]。ただし、この論文でのブラキオサウル科は通説では別の科とされるカマラサウルス科ケティオサウルス科エウヘロプス科をブラキオサウルス科の亜科として扱っており、この中でもクラメリサウルスはカマラサウルスに最も近いとしている。

生息環境[編集]

発見地のでは五彩湾部層ではクラメリサウルスの他に竜脚類のベルサウルス獣脚類モノロフォサウルスの化石が発見されている[2]

生態[編集]

詳しい研究は行われていないが、竜脚類としては一般的な四足歩行の草食動物であったようだ。

参照[編集]

  1. ^ a b c d e f g h Zhao, X., 1993, A new Mid-Jurassic Sauopod (Klamelisaurus gobiensis gen. et sp. nov.) from Xinjiang, China: Vertebrata PalAsiatica, v. 31, n. 4, p. 132-138.
  2. ^ Weishampel, David B; et al. (2004). "Dinosaur distribution (Middle Jurassic, Asia)." In: Weishampel, David B.; Dodson, Peter; and Osmólska, Halszka (eds.): The Dinosauria, 2nd, Berkeley: University of California Press. Pp. 541–542. ISBN 0-520-24209-2.