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アトラスオオカブト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アトラスオオカブト
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目 (鞘翅目) Coleoptera
: コガネムシ科 Scarabaeidae
亜科 : カブトムシ亜科 Dynastinae
: カブトムシ族 Dynastini
: アトラスオオカブト属 Chalcosoma
: アトラスオオカブト C. atlas
学名
Chalcosoma atlas
(Linnaeus1758)
和名
アトラスオオカブト
英名
Atlas beetle
亜種

本文参照

アトラスオオカブトは、コウチュウ目コガネムシ科カブトムシ族アトラスオオカブト属に属するカブトムシの1フィリピンインドネシアなど東南アジアの低地に分布する。コーカサスオオカブトに類似しているが、やや小型で胸角が細く、頭角の突起がない(ただし頭角の先端がやや膨らみ、槍状になっている)。名前は、ギリシア神話に登場する世界を支える巨人アトラスが由来で、アトラス山脈に生息しているわけではない(アトラス山脈もアトラスオオカブトと同じく巨人アトラスに由来する名前である)。

個体数が多いことから、外国産カブトムシでありながら極めて安価で流通しており(小型のものは国産カブトムシより数百円高い程度)、オオヒラタクワガタと並んで毎年大量に輸入されている。夏場は一般のペットショップ(主に熱帯魚等を扱う)やホームセンターでも普通に売られていることが多く、外国産昆虫の中では最も身近な存在であると言える。

気性は雄も雌もかなり荒く、攻撃的で雄はよく戦う。幼虫も指を近づけると噛み付くこともあるほど。

種間変異が著しく、雄の小型個体では角が殆どなく(短角型)、亜種の判別も困難となる。また、そのような小型個体しか見られない亜種もある。

原産地である東南アジアではアトラスオオカブトの幼虫に寄生する寄生バチとして、ツチバチの一種 Megascolia procer が知られている[1]

亜種

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Nagai (2004) によれば、7亜種に分類されている。

和名 雄の体長 体形 頭角の突起 胸角の湾曲
アトラスオオカブト 50 - 100mm 幅広い なし 強い
フィリピンアトラス 50 - 110mm 普通 あり 強い
ネシアアトラス 40 - 100mm 長細く直線的 ややあり かなり弱い
インドアトラス 50 - 90mm 胸部が幅広い なし 弱い
ペレンアトラス 50mm前後 不明 不明 不明
ブトンアトラス 50mm前後 不明 不明 不明
シムルエアトラス 50 - 70mm 長細い 不明 不明
  • インドアトラス ssp. mantetsu
    ミャンマータイラオスインド北部に生息する。
    学名のMantetsuは記載者永井信二の友人筒井賢のあだ名「萬鉄」から。
  • ペレンアトラス ssp. shintae
    ペレン島に生息する。
    学名のShitaeは記載者永井信二の長女のインドネシア名から。
  • ブトンアトラス ssp. butonensis
    ブトン島に生息する。
    短角型2頭のタイプ標本のみが確認されている。前翅には皺が寄っている。
  • シムルエアトラス ssp. simeuluensis
    シメウルーエ島に生息する。タイプ標本の、体長は中程ではあるが角の発達していない雄5頭と、中型の雌1頭のみが確認されている。前脚の脛節が発達している。

脚注

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  1. ^ Piek, Tom (22 October 2013). Venoms of the Hymenoptera: Biochemical, Pharmacological and Behavioural Aspects. Elsevier. p. 173. ISBN 978-1-4832-6370-0. https://books.google.com/books?id=xBQlBQAAQBAJ&pg=PA161 

参考文献

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  • BE-KUWA No.13 2004年冬号 2004年12月24日発行 有限会社むし社

関連項目

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