まりなりなぁ!

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まりなりなぁ!
大野まりなスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル アイドル歌謡萌えソング
レーベル CANDY POP
プロデュース 福田浩
大野まりな アルバム 年表
またせて、ごめんネ。
1999年
まりなりなぁ!
(2004年)
続・まりなりなぁ!
(2005年)
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まりなりなぁ!は、2004年7月21日に発売された大野まりなの二作目のオリジナルミニアルバム[1][2]

表題の「まりなりなぁ!」は等身大の大野まりなをファンに見て、聴いてもらいたいとの思いから名付けられた[4][6]

概要[編集]

それまでアイドル歌謡を主に歌ってきた大野まりなであったが、今作では「なんかおりてきたよ~~♪」の帯文句通り、それまでとはかけ離れた声優特有の加工した声、ハイテンポの電子音、「ぱや♪ぱや♪」「モキュモキュ」など耳慣れない合いの手の繰り返し、常識離れした強烈な歌詞で、萌えソング(電波ソング)歌手としての存在を強烈に印象づけることとなった[8][注 1]

収録曲のほとんどが暴走機関車のような電波ソングで[9]、「Starry Sky〜星空に願いを込めて〜」のみが落ち着いたバラード[10]、曲の合間のジングルでは「まりなりなぁ」とのセリフが大野の様々な声で繰り返される。

新たに制作された二曲はbambooの勧めもあり大野自身が作詞したもので[12]、特に表題ともなっているまりなりなぁは歌手になるためにアイドル時代から苦労を重ねてきた大野自身の半生を描いた魂のこもったものとなっている[13][14]。また、アキバで抱きしめて ~HOLD ON ME @AKIHABARA~では秋葉原を賛美する歌詞が踊り、「アキバ文化最盛期を象徴する曲」と評価される大野の代表曲の一つとなった[15]

楽曲数からジングルまで、大野まりなのセルフプロデュースと言っていいほど自ら関与しており[16][17]、大野はこのアルバムを自らの芸能活動の新しいスタートだと位置づけている[18]

ジャケットとブックレット撮影は、大野と畑亜貴、Blasterheadに加え、bamboo、一番星☆光といったmilktubの面々が球場で野球選手に扮して行われた[19][20]。これはこのアルバムそのものが、それらの面々との出会いの中で成り立っていったものだからで、「私の新しいスタートなので、“ここ”にいてほしい作家の皆さんに集まってもらいました。いい曲に恵まれましたので、発売を楽しみにしてください。キャラを演じながら唄っているもの、地声で唄っているもの、いろいろ入っています。おもちゃ箱というか……歌のファンシーボックスって感じでしょうか?」と語っている[21][注 2]

収録曲[編集]

  1. ジングル「まりな 愛の電波劇場」編
  2. ぱや♪ぱや♪ (「プロジェクトXuse」テーマソング)
    • 作詞:畑亜貴 作曲・編曲:景家淳
  3. ジングル「ラブリーまりな」編
  4. アキバで抱きしめて ~HOLD ON ME @AKIHABARA~ (「私立アキハバラ学園」テーマソング)
    • 作詞:桑島由一 作曲:Bun Yoshida & Yoshihito Hata (DOORS) 編曲:Blasterhead
  5. ジングル「電波系!まり蔵」編
  6. モキュモキュ ~テリ☆MIX~ (「テリ☆みっくす」テーマソング)
  7. ジングル「featuring DJ MARINA」編
  8. ハラタマ・キヨタマ (「巫女~みにょ!~」テーマソング)
    • 作詞・作曲:milktub 編曲:藤田淳平
  9. ジングル「まりなは見た…」編
  10. あゆみちゃん LOVE ALL! (「あゆみちゃんLABO」テーマソング)
    • 作詞:RB26DETT 作曲・編曲:畑亜貴
  11. ジングル「ミッド・ナイト・マリナ」編
  12. まりなりなぁ
    • 作詞:大野まりな 補詞:bamboo(milktub) 作曲:一番星☆光(milktub) 編曲:Blasterhead
  13. Starry sky ~星空に願いをこめて~
    • 作詞:大野まりな 作曲・編曲:景家淳
  14. ぱや♪ぱや♪ (カラオケ)
  15. アキバで抱きしめて ~HOLD ON ME@AKIHABARA~ (カラオケ)
  16. モキュモキュ ~テリ☆MIX~ (カラオケ)
  17. ハラタマ・キヨタマ (カラオケ)
  18. あゆみちゃん LOVE ALL! (カラオケ)
  19. まりなりなぁ (カラオケ)
  20. Starry sky ~星空に願いをこめて~ (カラオケ)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 楽曲提供者の一人bambooは「ロックンロールのmilktub」で売っていたのが、大野まりなに提供した曲があまりに強烈な印象を与えるために、「電波ソングのmilktub」として受け取らるようになってしまった、と嘆いている。『ブックレット』末尾
  2. ^ 発売直前の2004年7月19日に行われた『ライブ・ボイスタイプ 2004夏』では同じ面子がユニフォームを着て集合している。高田馬場が熱く萌えた!『ライブ・ボイスタイプ 2004夏』イベントレポート| Getchu.com げっちゅ屋

出典[編集]

  1. ^ 【MAKER'S VOICE】大野まりなが行く!?Go!Marinarinaa!! CANDYPOP発わが子かわいさコラム?〜第3回 | アキバ系.com
  2. ^ 「「ファーストアルバム『またせて、ごめんね。』から5年……ファンのみなさん、大変お待たせいたしました。いい楽曲に恵まれ、このたび2作目のアルバムができあがりました。このアルバムは、いろいろな大野まりなが感じられるおもちゃ箱のような一枚になっています。あなたの大切なアルバムの中の一枚になってくれればいいなとおもいます」(大野まりな)」美少女ゲーム界の電波系歌姫!? 大野まりなのミニアルバム「まりなりなぁ」が7月21日に発売 | コンプティーク.com
  3. ^ a b c d ■大野まりな、ミニアルバム『まりなりなぁ!』新曲2曲をレコーディング | GAMERsNAVI
  4. ^ 「アルバムのタイトルは『まりなりなぁ!』。これは、大野まりな自身が運営するWEBサイト「まりなりなぁ」に込められた思いと同じく、等身大の大野まりなをファンに見て・聴いてもらいたいと大野まりな自身が名付けた。」[3]
  5. ^ a b c 大野まりなさんのミニアルバム「まりなりなぁ!」収録レポ!試聴曲も公開 | 電撃オンライン
  6. ^ 大野さん「私の公式サイトの名前が「まりなりなぁ」なんですが、電車に乗ってるときに「ん、それじゃアルバムのタイトルも「まりなりなぁ」でいこうかな」って閃きまして(笑)。等身大の大野が詰まっているということで、自分でも気に入ってます。ジャケットの撮影はこれから行われるんですが、なんかもう恐ろしいことになっています。アルバムに参加した作家陣5人(景家淳氏、Blasterhead氏、bamboo氏、畑亜貴さん、一番星☆光氏)を後ろに控えてですね……くっくっく!! いやもう、早くお見せしたいです」[5]
  7. ^ a b 大野まりな ロングインタビュー | アキバ系.com
  8. ^ ──先ほどプレス・リリースを見せていただいたんですが、大野さんって“電波系歌姫”だったんですね(笑)。 まりな そうなんですよ。いろんなメーカーさんとかでも、“電波系”って紹介されているんですよ。じゃあ、いいかなーって(笑)。[7]
  9. ^ Blasterhead このミニアルバムに収録される「アキバで抱きしめて」と「まりなりなぁ」どちらも編曲で参加しました。「まりなりなぁ」は、milktubの一番星☆光さんからもらった曲を無茶苦茶に壊しちゃうアレンジをしています。「アキバで抱きしめて」よりも酷いアレンジです(笑)。好き勝手にやってる暴走族みたいなノリですね。編曲のテーマは、暴走機関車まりなは誰にも止められない、です。bambooさんも言ってますが、なぜか大野さんの曲の時だけ自分も無茶苦茶になります(笑)[3]
  10. ^ 景家淳 この「Starry Sky〜星空に願いを込めて〜」は、大野さんの詞に後から作曲したのですが、とても良い曲に仕上がりました。 今年一月に行われたライブではアコーステックバージョンで演奏しましたが、アルバム収録に際して今までの彼女と違った雰囲気にしようと思い、アーティスト的な大人っぽいアレンジにしてみました。[3]
  11. ^ 大野まりなのミニ・アルバム『まりなりなぁ!』7月21日リリース | アキバ系.com
  12. ^ 「収録曲は全7曲。大野まりなが歌った最新ゲーム主題歌など5曲に加えて、新曲2曲を新録音。この2曲は、作曲がmilktubと景家淳によるもので、歌詞は大野まりな自らが手掛けている。さらにレコーディングにはmilktubやブラスターヘッド、そしてウェブ・ラジオ「プロジェクトXuse」で共にパーソナリティを務める畑亜貴など、ゲームソングを代表する豪華クリエイターやアーティストが続々参加。大野まりなファンはもちろん、ゲームソング・リスナーにとっても期待大の注目ミニ・アルバムだ。」[11]
  13. ^ まりな そうです。『まりなりなぁ』はタイトル・ソングで、これから第2の声優人生を踏み出すに当たって、bambooたんが「お前の半生を書け」って。で、そういう歌詞を書いたら「黒すぎてつかえない」って言われて(笑)。[7]
  14. ^ bamboo(milktub) 今回の事の発端は、大野さんからアルバム収録曲の作詞作曲をオファーされたのが始まりですね。せっかく大野さんのアルバムなんだから自分で作詞しろと、僕たちmilktubは作曲を担当するからと言ったのですが、大野さんから上がってきた詩があまりにも素直すぎて黒かったので、僕が補助で作詞にも入ることになりました。あの黒い詩のまま曲を発表していたら業界から消されちゃうので(笑)[3]
  15. ^ 『アニソンマガジン 00年代「萌える音楽」総決算!』 洋泉社 2009年6月9日 p.25
  16. ^ 【MAKER'S VOICE】大野まりなが行く!?Go!Marinarinaa!! CANDYPOP発わが子かわいさコラム?〜第1回 | アキバ系.com
  17. ^ 【MAKER'S VOICE】大野まりなが行く!?Go!Marinarinaa!! CANDYPOP発わが子かわいさコラム?〜第2回 | アキバ系.com
  18. ^ 【MAKER'S VOICE】大野まりなが行く!?Go!Marinarinaa!! CANDYPOP発わが子かわいさコラム?〜第5回 | アキバ系.com
  19. ^ 【MAKER'S VOICE】大野まりなが行く!?Go!Marinarinaa!! CANDYPOP発わが子かわいさコラム?〜第4回 | アキバ系.com
  20. ^ Blasterhead氏「恐ろしいというか、聞いたことない類のジャケットですよ(笑)」 大野さん「みんなで作ったCDだから、形にするときもみんなで一緒にしたいね、って要望を出したんです。最初からみんなで始めたものなら、最後までみんなで締めたいなって。放り投げたりしないで、半ば強制的にお呼び立てしました」 bamboo氏「赤紙です。赤紙が来ました」[5]
  21. ^ 大野さん「今回のアルバムには、大野のいろいろな“スタート”を手助けしてくれたメンバーが揃っているんです。ファーストアルバム「またせて、ごめんネ。」を出したのは5年前になりますが、そのときお世話になったのが実は景家さんなんです。歌のお仕事が増えるきっかけになった『妹でいこう!』は、畑亜貴さん。いわゆる“電波系”のスタートになったのが、Blasterheadさんの「アキバで抱きしめて」。そして、大野の引き出しを増やしてくれた「ハラタマ・キヨタマ」はbambooさん。今回の「まりなりなぁ!」も私の新しいスタートなので、“ここ”にいてほしい作家の皆さんに集まってもらいました。いい曲に恵まれましたので、発売を楽しみにしてください。キャラを演じながら唄っているもの、地声で唄っているもの、いろいろ入っています。おもちゃ箱というか……歌のファンシーボックスって感じでしょうか?[5]

参考文献[編集]

  • 『声優グランプリ 2004年8月号』 主婦の友社 2004年8月1日 p.107
  • 関根祥雄・松本浩次(編著) 「芸能生活25周年記念アルバム『まりなりなぁV3!~precious stories~』全曲解説」 『美少女ゲーム声優のお仕事』 ミリオン出版 2014年4月30日 ISBN 978-4813021780 pp.90-93

外部リンク[編集]