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さそり座AR星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
さそり座AR星
AR Scorpii
さそり座AR星系の想像図
さそり座AR星系の想像図
星座 さそり座
見かけの等級 (mv) 14.58[1]
14.1 - 14.6(変光)[2]
変光星型 DSCT[2]
分類 連星
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  16h 21m 47.288s[1]
赤緯 (Dec, δ) −22° 53′ 10.40″[1]
固有運動 (μ) 赤経: 12.4 ミリ秒/[1]
赤緯: -50.5 ミリ秒/年[1]
距離 378.2 ± 52.2 光年
(116 ± 16 パーセク[3])
物理的性質
スペクトル分類 M5+WD?[1]
他のカタログでの名称
AR Sco[1]
2MASS J16214728-2253102[1]
EPIC 204298485[1]
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主星
分類 白色矮星
パルサー
物理的性質
半径 0.01 R[3]
質量 0.81 - 1.29 M[3]
表面重力 8 (log g)[3]
表面温度 9,750 K[3]
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伴星
分類 赤色矮星
物理的性質
半径 0.36 R[3]
質量 0.28 - 0.45 M[3]
表面温度 3,100 K[3]
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さそり座AR星(さそりざARせい、英語: AR Scorpii)は、さそり座の方向に約380光年離れた位置にある連星系である。主星は白色矮星で、伴星は太陽よりも小さな赤色矮星である。

特徴

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主星の白色矮星の大きさは太陽のわずか1%で、地球とほぼ同程度だが、質量は太陽の0.81倍から1.29倍とされている[3]。伴星の赤色矮星は太陽の0.36倍の大きさと、0.28倍から0.45倍の質量を持つ[3]

元々、さそり座AR星は3.56時間周期で変光を繰り返す変光星で、たて座δ型変光星に分類されていた[3]。しかし、近年の観測によって、この連星系が3.56時間周期とは異なる、1.97分周期の変光が存在する事が分かった。この周期は、変光星としてはあまりにも短い。2016年、Buckleyらの研究チームが、この連星系を詳しく観測したところ、主星の白色矮星が、パルサーと同じように、電磁波を放出させながら自転している事が判明した[4]。それまで、パルサーはいくつも発見されていたが、白色矮星のパルサーは、理論上では存在するとされていたものの、実際に観測された例は無かった。白色矮星からは、光速に近い速度で、電子などの電磁波が放出されている[5]。それが時折、伴星の赤色矮星に衝突する事で、1.97分周期の変光をもたらしていると考えられている[4][5]

伴星は主星の強い重力により、毎年、太陽質量の1×10−9倍分の表面のガスが、主星に吸収されている[3]。さそり座AR星の異常な性質は最初、アマチュア天文家によって発見された[6]

脚注

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関連項目

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