UIMカード

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ドコモUIMカード DN04(バージョン4)

UIMカード: User Identity Module Card)またはUSIMカード: Universal Subscriber Identity Module Card)は、GSM携帯電話で使われているSIMカードをベースにして拡張された第3世代移動通信システムのうち、W-CDMA(UMTS)方式用に用いられるICカード。特に区別せずに「SIMカード」と呼ばれることもある。

概要[編集]

電話番号などの個人情報はUIMカードに書かれているため、カードを交換することで、別の携帯電話機でも利用することができる。国外などで通信方式の違う国際ローミングの場合でも、対応電話機へUIMカードを入れ換える(プラスチックローミング)ことで利用できる(一部の端末では端末とUSIMカードの認証を行っているため、USIMカードの差し替えでは動作しない場合がある)。

日本国内オペレータの場合、概ね大日本印刷ジェムアルト日本法人(端子仕様として、統合前のアクサルト日本法人と日本ジェムプラスの2種類がある)のいずれかが製造元となっている(NTTドコモのみ両方存在する)。ソフトバンクモバイルのプリペイドUSIMカードが採用するG&D(ただし、DNPからのOEM版も存在する)などに一部例外がある。

具体例[編集]

FOMANTTドコモ)のFOMAカードやドコモUIMカード(ドコモUIMカードは、LTEサービスであるXiおよび厳密な意味での4Gの要件のひとつであるキャリア・アグリゲーション対応のサービスのPREMIUM 4G対応機契約時に発行されるが、取扱店でのFOMAカードの在庫がなくなり次第、FOMA契約でも発行される)、SoftBank 3GソフトバンクSoftBankブランド)のSoftBank 3G USIMカード、旧:イー・アクセスEM chipなどのW-CDMA機や、KDDIVoLTE対応機専用品や、3G通信非対応のタブレット向けのau ICカードで使われる(VoLTE専用端末以外等に使用するものは、後述のようにR-UIMカードとなり厳密には異なる仕様となる)。ソフトバンクの場合は、利用端末や契約形態によって数種類のカードに分けられている。

MVNO事業者の場合、独自のUIMカードを発行するケース(ディズニー・モバイルのディズニー・モバイルUSIMカード等)とMNOと同一のもの(2010年9月以前のWILLCOM CORE 3GのFOMAカードなど)を採用する事業者が存在する。

R-UIMカード[編集]

CDMA 1X WINau(KDDI / 沖縄セルラー電話))のau ICカードは、CDMA2000方式とGSM方式のデュアルであることから、R-UIMカード(Removable User Identity Module card)として、UIMカードとは区別して呼ばれる。また、国際規格としては、CDMA仕様のSIMカードとして、CSIMカード英語版と呼ばれるものがあり、これにGSMでも使えるようにしたものが、実質的にはR-UIMカードといえる。一般的に、W-CDMAが使えるかCDMA2000が使えるかの違い以外の差異はそれほど無いものの、厳密には異なる仕様となっている。

なお、VoLTE対応版およびLEと名のつくカードは、CDMA通信に非対応のため、正式なUIMカードとなる。

関連項目[編集]