S-Tog

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エストー
ロゴマーク
Ålholm駅に停車のFラインの車両
Ålholm駅に停車のFラインの車両
基本情報
 デンマーク
所在地 コペンハーゲン
種類 都市鉄道
開業 1934年
運営者 デンマーク国鉄
詳細情報
総延長距離 170 km
路線数 7路線
駅数 84駅
1日利用者数 36万人
軌間 1,435 mm
最高速度 120 km/h
テンプレートを表示
2011年現在の路線図

エストー (S-tog) は、デンマーク国鉄の首都コペンハーゲン近郊列車路線である[1]コペンハーゲン中央駅を中心とし、ヒレレズフリズリクソンファーラム等を結んでいる。

路線[編集]

月曜日~金曜日[編集]

路線 開通 経路 運行間隔
日中/夕方
注釈
S-togslinje A 1934年5月15日 (Solrød Strand) – Hundigeコペンハーゲン中央駅Farum 10/20 Solrød Strand - Hundige kun hvert andet tog og kun i dagtimerne.
S-togslinje B 1936年5月15日 Høje Taastrupコペンハーゲン中央駅Holte 10/20
S-togslinje Bx 1963年5月26日 Høje Taastrupコペンハーゲン中央駅 - Østerport (20) Kun i morgenmyldretiden.
S-togslinje C 1950年5月 (Frederikssund) – Ballerupコペンハーゲン中央駅Klampenborg 10/20 Frederikssund - Ballerup kun hvert andet tog og kun i dagtimerne.
S-togslinje E 1968年5月26日 キューゲ駅コペンハーゲン中央駅Hillerød 10/20 Uden stop Ishøj - Friheden, Friheden - Ny Ellebjerg, Hellerup - Lyngby, Lyngby - Holte.
S-togslinje F 1934年4月3日 Ny EllebjergFlintholmHellerup 5/10
S-togslinje H 1987年5月31日 Frederikssundコペンハーゲン中央駅Østerport – (Farum) 20/20 Østerport - Farum kun i myldretiden.
Uden stop Veksø - Måløv, Malmparken - Herlev, Husum - Vanløse, Flintholm - Valby,
Ryparken - Vangede, Vangede - Buddinge, Bagsværd - Hareskov.

土曜日・日曜日[編集]

路線 経路 運行間隔
日中/夕方
注釈
S-togslinje A キューゲ駅コペンハーゲン中央駅Farum 10/20
S-togslinje B Høje Taastrupコペンハーゲン中央駅Hillerød 10/20
S-togslinje C Frederikssundコペンハーゲン中央駅Klampenborg 10/20
S-togslinje F Ny EllebjergFlintholmHellerup 10/10

金曜日と土曜日の夜[編集]

路線 経路 運行間隔 注釈
S-togslinje A キューゲ駅コペンハーゲン中央駅Farum 30
S-togslinje B Høje Taastrupコペンハーゲン中央駅Hillerød 30
S-togslinje C Frederikssundコペンハーゲン中央駅 30
S-togslinje F Ny EllebjergFlintholmKlampenborg 30


使用車両[編集]

S-Togには、これまで4種類の電車が使用されている。

初代車両[編集]

初代車両, 1969年4月撮影

1934年の開業から1978年まで使用されていた形式。DSBでの形式は「MM-FM-MM」とされ、パンタグラフを搭載した電動先頭車が付随車1両を挟む編成を組んでいた。
1978年の引退後も、2003年まで1編成が動態保存車両として運行していた。
引退までの44年間の営業運転は、S-Togの歴代車両の中では最長使用記録である。

2代目車両[編集]

デンマーク国鉄MM系
S-Tog 2代目車両
基本情報
製造所 Frichs A/S(電動車)
Scandia(制御車、付随車)
主要諸元
編成 2両編成、4両編成
軸配置

Bo'Bo'2'2'(2両編成)

Bo'Bo'2'2'Bo'Bo'2'2'(4両編成)
軌間 1,435mm
最高速度 100km/h
自重 41t(制御電動車)
43t(電動車)
編成長 40,540mm(2両編成)
81,200mm(4両編成)
全長 20270mm(中間車)
20,340mm(先頭車)
全幅 3,020mm
主電動機出力 147kW×4(2両編成)
147kW×8(4両編成)
テンプレートを表示

1967年から1978年まで製造された2代目車両。赤色の塗装は以降の車両にも受け継がれた。
一等車付きの制御電動車+制御車の2両編成、同じ編成構成だが二等車のみの2両編成、1975年以降に製造された制御電動車+付随車+電動中間車+制御車の4両編成の、合計3種類の編成が存在した。それぞれのデンマーク国鉄での形式は、2両編成が「MM-FS」、4両編成が「MM-FU-MU-FS」である。
2007年2月に引退し、1編成が保存されている。

3代目車両[編集]

3代目車両, 2006年撮影

スウェーデンアセアで、1985年から1986年にかけて製造された車両。DSBでの形式は「FC-MC-MC-FC」とされた。
S-Togの車両で初めて電機子チョッパ制御を取り入れたが、故障が頻発。1995年に4編成が廃車された後、2006年8月までに全編成が引退し、2007年に全車解体された。

4代目車両[編集]

デンマーク国鉄SA系・SE系
8両編成のSA系。
基本情報
製造所 アルストム・LHBシーメンス
主要諸元
編成 8両編成(連接式)(SA系)
4両編成(連接式)(SE系)
軸配置 A`A`A`1A`+A`1A`A`A`(SA系)
A`A`A`1A`(SE系)
軌間 1,435mm
最高運転速度 100km/h
設計最高速度 120km/h
編成定員 座席312名+収納座席28名+立席360名(SA系)
座席134名+収納座席16名+立席180名(SE系)
自重 123.8t(SA系)
63t(SE系)
編成長 83,870mm(SA系)
42,580mm(SE系)
全幅 3,520mm
全高 4,300mm
主電動機出力 1720kw(SA系)
860kW(SE系)
テンプレートを表示

1996年から導入されている最新型の車両。1軸台車による連接式構造を採用しており、1車体の全長が短くなっているのが特徴。2007年以降、S-Togの列車は全てこの系列によって運行されている。

8両編成はSA系(Litra SA)と呼ばれており、DSBでの形式はSA-SB-SC-SD-SD-SC-SB-SAとされている。全長は168m[2]。パンタグラフはSG車に搭載されている。105編成が製造された。
2005年1月からはSA系の事故廃車分の補充や、乗客が少ない系統への導入のために4車体連接式のSE系(Litra SE)が登場し、31編成が運用に就いている。DSBでの形式は「SE-SF-SG-SH」とされ、パンタグラフはSB車に搭載されている。

性能上の最高速度は120km/hだが、信号上の問題で現在は90~100km/h(S-togslinje Fでは80km/h)で運行されている[3]

なお、DSBとデザインを共同設計したJR北海道キハ261系気動車の天井・照明・車内情報表示装置のデザインは本系列のものを範としている。

脚注[編集]

  1. ^ エーレスンド線(アマー島、コペンハーゲン空港駅)方面へは向かわない。
  2. ^ S-tog”. Danske Statsbaner. 2008年7月12日閲覧。
  3. ^ SA-SB-SC-SD”. Danske Statsbaner. 2008年7月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]