S&W M27

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S&W M27
Flickr - ~Steve Z~ - S^W Pre 27 Six Inch (4).jpg
S&W M27 6インチモデル
概要
種類 回転式拳銃
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
設計・製造 S&W
性能
口径 .38口径(9mm)
銃身長
  • 3.5インチ(88.9mm)
  • 4インチ(102mm)
  • 6インチ(153mm)
  • 8 3/8インチ(214mm)
  • 10 5/8インチ(270mm)
ライフリング 6条右回り
使用弾薬 .38スペシャル弾
.357マグナム弾
装弾数 6発
作動方式 シングル/ダブルアクション
全長 241mm(4インチ銃身モデル)
重量 1,162g(3.5インチ銃身モデル)
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S&W M27は、S&W社が開発した回転式拳銃である。

当初はその名を冠して、単に「(スミス&ウェッソン).357マグナム(S&W 357 Magnum)」と称され[1]、「レジスタード・マグナム(Registered Magnum)」の名でも呼ばれた。これらの名は1957年にモデルナンバー制度が導入されたあとでも、引き続き通称として用いられている[2]

本項では基礎となったM27の他、後年に発売された派生型である2種類のM627、およびM327についても記述する。

概要[編集]

本銃は.357マグナム弾と同時に発表され、その使用に公式対応した同社初の量産銃であり、.357マグナム弾という比較的小口径ながら強力な実包を採用していることから、より大口径の.44スペシャル弾英語版のために設計されたNフレームを用いて設計されている。これは、先行して1930年に発表された.38/44ヘビーデューティー英語版などと同じアプローチである。同銃で用いられていた.38/44ヘビーデューティーは、単なる.38スペシャル弾強装弾というよりは.357マグナム弾に帰結する試みの1つであり、実のところ、シリアル・ナンバー上は本銃は.38/44ヘビーデューティーと混在している[1]

1935年に発表され、当初は一般販売は行われず、特別注文のみで購入できる限定品の扱いであった。通称の「レジスタード・マグナム(Registered Magnum)」の名は、1939年までは購入者には引渡し時に品質保証書を兼ねた所有者登録証(レジストレーション=registration.「登録」の意)が発行されたことに由来している。そういった経緯から、銃の表面は丁寧に仕上げられており、より細かく調節できるリアサイトが装備されているなど、当時としては高級な拳銃として位置づけられている。

3.5インチモデルはジョージ・パットン将軍SAAと共に愛用していた。また、ベトナム戦争時のアメリカ軍特殊部隊員も接近戦用やバックアップ用として個人で所持していたとの情報がある。

21世紀に入り、2016年現在となっても、M27は“CLASSICS”シリーズという形ではありながらもS&W社のカタログに記載されており、4インチ銃身モデルと6 1/2インチ銃身モデルが販売されている。

バリエーション[編集]

M27 6インチ ニッケルメッキモデル

M27は本銃の普及版と位置づけられている[1]1954年発表のM28の他には、銃身長の他、製造時期による仕様の差以外には長らく公式のバリエーションモデルが存在しなかった。第二次世界大戦後のスミス&ウェッソン社の殆どの拳銃にはモデル番号に「6」の字を冠するステンレスモデルがラインナップされているが、本銃は酸化焼入処理(ブルーイング)の施されたもの以外にはニッケルメッキモデルがあるのみで、材質はスチールのみであった。

M627[編集]

発売開始から半世紀以上経った1989年には、材質をステンレス鋼とし、シリンダーを側面に溝のない“ノンフルート”型、銃身をM586/686と同じバレルアンダーラグを持つ5 1/2インチのものとしたモデルが「M627」として発売されたが、銃身側面の刻印に".357 MAGNUM MODEL OF 1989"とあったことから、M627の名称よりは「S&W Model of 1989」の名称で知られている。この初代M627は1989年から1997年の生産停止までの間に約5,000丁が生産された。

M627PC[編集]

M27やM28はフレームが大きい分、シリンダー弾倉)も大きいので細身の.357マグナム弾ならば7-8発分の収納スペースを作ることができる。このため、アメリカの射撃愛好家達による多弾装化カスタムが数多く製作され、1996年には、S&Wのオフィシャルカスタム部門であるパフォーマンス・センターによるカスタムモデルという扱いながら、シリンダーを8連装とした公式多装弾モデルである「M627PC(M627 Performance Center)」が生産された[2]

この新たなM627は、根本から絞り込まれたような独特のバレルシュラウドの形状から「 "contoured slabside" barrel profile」の通称があり、2.625インチ銃身の“スナブノーズ”モデル[3]の他、4[4]/5[5]/6.5インチ銃身のバリエーションがあり、この他に銃口にコンペンセイターを装着し、バレルシュラウドをフルカバータイプとしてトリガー他を高精度のものとした競技用カスタムモデルである「V-COMP」[6]がラインナップされている。

M327[編集]

M327PD

2003年にはパフォーマンス・センターカスタムの一つとして、M627PCの銃身を2インチとし、フレームの材質をスカンジウム合金(スカンジウム添加アルミニウム合金)、バレルシュラウドとシリンダーの材質をチタニウム合金とした「M327[7](「M327SC」「M327 Carry」の通称もある)が発表され、2004年にかけて少数生産された[2]

これが市場で好評を博したため、S&Wでは2006年に、同じくパフォーマンス・センターカスタムとして「M327 M&P R8[8]および「M327 TRR8[9]を発表した。両モデルともシリンダーとバレルシュラウドの材質をマットブラック仕上げのステンレスとし、5インチのバレルの上下面にピカティニーレールを設けたもので、M&P R8は警察および軍事組織向け、TRR8は競技用として販売され、TRR8はピカティニーレールが取り外せるようになっていることが特徴である。

2008年には更なるバリエーションとして、4インチ銃身にアンダーラグのあるステンレス製バレルシュラウドを持ち、HI-VIZ集光式フロントサイトと調節可能なVノッチ・リア・サイトを備え、スカンジウム製フレーム、チタン製シリンダーを持つ「M327PD[10]、2.5インチ銃身としシリンダーとバレルシュラウドをスチール製とした「M327NG(M327 Night Guard)」)[11]が発表された。しかし、これらのモデルは2016年現在ではS&Wの公式カタログに「過去の製品」として記載されているのみである。

登場作品[編集]

漫画・アニメ[編集]

シティーハンター
冴羽獠が所持。使用というよりも分解して隠し持っている。
ルパン三世シリーズ
主に劇場版作品にて次元大介が所持し、同社製のM19に変わって使用している(実銃のM19は.357マグナム弾を撃つのに適していない)。

ゲーム[編集]

コール オブ デューティ ワールド・アット・ウォー
「.357 Magnum」の名称で登場する。キャンペーンでは使用できず、マルチプレイ・ゾンビモードでのみ使用できる。

出典[編集]

参考文献[編集]

  • Supica, Jim; Nahas, Richard (2007). Standard Catalog of Smith & Wesson (Third Edition). Gun Digest Books. ISBN 978-0896892934. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  • Smith&Wesson公式サイト