Rance II -反逆の少女たち-

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Rance II -反逆の少女たち-
ジャンル RPG
対応機種 オリジナル:PC-8800シリーズPC-9800シリーズX68000FM TOWNSMSX2[1]
『ALICEの館4・5・6』収録版:Windows
発売元 アリスソフト
発売日 1990年5月15日[注釈 1]
レイティング 18禁
メディア MSX2版:フロッピーディスク5枚[1]
備考 ハードディスク対応
「配布フリー宣言」対象ソフト
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Rance II -反逆の少女たち-』(ランス2 はんぎゃくのしょうじょたち)は、1990年5月15日[注釈 1]アリスソフトから発売されたアダルトゲームであり、Ranceシリーズの第2作である。 1991年6月1日には、ヒントディスクが発売されており、同ディスクにはミニゲーム「SDらんす-犯人は、誰だ-」が収録されている。 このミニゲームには同作のキャラクターが登場しているものの、本編とのつながりはない[3]

本作はカスタムの町を沈没させた4人の魔女をランスが懲らしめに行く物語であり、彼女たち4人はのちのシリーズにおいて準レギュラーとして登場する[1]

あらすじ[編集]

前作『Rance -光をもとめて-』(以下:『I』)の出来事から間もない[4]ある日、突然自由都市地帯にあるカスタムという町が地下に沈み込む事件が起きる。真相解明の依頼を受けて町を訪れたランスは、近隣住民の話からカスタム四魔女という4人の魔女の存在を聞き出したランスは、彼女たちの退治に乗り出す。 四魔女の正体は魔法使いラギシスの弟子であり、彼は装着者の魔力を自らに転送させるフィールの指輪を卒業祝いという名目で弟子たちに与えていた。ところがこの指輪には装着者の正気を奪う副作用があり、弟子の一人である魔想志津香が発狂した結果、ラギシスを殺してしまう[5]。その後、復讐心に囚われた志津香が他の三人を扇動して、禁忌の魔法を使い始めた結果、カスタムに被害が及んだのがことの真相であった[5]。 ランスは四魔女の一人であるマリア・カスタードを犯して、正気に戻させる[6]

また、残りの四魔女も同様に指輪の副作用から解放された[5]

その後、ラギシスは復活したが、ランスと共闘した自分の弟子たちによって倒される[5]

登場人物[編集]

以下に記載する人物以外にも、幕間には案内役としてアリスソフトのマスコットキャラクター・アリスが登場するほか、アリスソフトが展開していたパソコン通信のユーザたちも何らかの形で登場している[2]

ランス一行[編集]

ランス
シィル・プライン
ミリ・ヨークス

ラギシスと弟子たち[編集]

ラギシス
魔想志津香
マリア・カスタード
エレノア・ラン
ミル・ヨークス

その他[編集]

芳川今日子
芳川眞知子
チサ・ゴード

システム[編集]

本作のシステムはRPGに該当する[4]。大まかなシステムは前作『I』と同様だが、戦闘が集団戦に変更された[1]。また、本作は章立てとなっており、中盤過ぎまで別行動をとるランスとシィルをそれぞれ主人公として操作することができる[4]。 このほかにも新たに取り入れられた要素として、「女の子モンスター」[注釈 2]や、ドロップアイテムの調査などが挙げられる[2]

開発[編集]

前作同様、本作もアドベンチャーゲームのシステムで無理矢理RPGとしての体裁を整える形で開発された[7]。たとえば、キャラクターがマップを歩く場面は、BASICのPAINTという命令を用いて「キャラクターが歩く度に地面の色が変わる」という形で表現された[7]

デザイナーのYUKIMIがファンタジー作品をよく知らなかったため、同作に登場するカスタム四魔女の一人・魔想志津香は黒いローブと大きな帽子という、魔法使いのステレオタイプに酷似したデザインになった[8]。 前作ではヒント集が冊子形式で別に売られていたのに対し、本作ではヒント集にかわる「ヒントディスク」が初めて制作された。同作のマニュアルには、初めてランス世界の大陸全体の姿が明らかにされた。

PC88への移植は、当時新人だったぷりんが手掛けた[2]。本来、PC98向けに作成したデータをPC88にコンバート移植をするとグラフィックが崩れてしまうが、ぷりんがすべてPC88向けにグラフィックを描きなおしたことで、クォリティの保持に成功した[2]

シナリオ[編集]

TADAは2021年のブログ記事の中で、本作のシナリオの規模(プレイ時間:6~7時間、長編映画1本程度)が最もよくできていたと振り返っている[2]。 TADAは今読み返すとテキストの下手さに恥ずかしくなるとしつつも、プレイヤーに楽しんでもらうべく、思いつく限りのアイデアを詰め込んだり、全6章という長さの中で展開に変化を持たせることができたとも語っている[2]。 物語の途中で視点となるキャラクターが入れ替わるというシステムは、TADAが過去にプレイしたゲーム[注釈 3]をヒントに取り入れられた[2]

その他[編集]

パッケージとマニュアルの表紙は『Rance VI』までストーリー上は全く出てこないナギのイラストになっている。 現在アリスソフトの「配布フリー宣言」対象ソフト。ストーリーをまとめたダイジェスト版も配布されている。 本作にてHシーンのテーマソングとして「我が栄光」が使われた。同楽曲は、ドイツ民主共和国国歌である「廃墟からの復活」のメロディを引用したものであり、のちのシリーズでも多く使われるようになった。

移植[編集]

本作は1997年12月18日[9]発売のWindows用ソフト『ALICEの館4・5・6』に収録された[4]。 グラフィックと一部のシナリオテキストをリニューアルした『Rance02 -反逆の少女たち-』が2009年12月18日発売の『アリス2010』に収録された。なおシナリオを大幅にリニューアルした『02改』も存在するが、単体では入っておらず、『02』に『アリス2010』に収録されているパッチファイルをあてることによりプレイできる。

評価[編集]

ゲーム雑誌編集者の前田尋之は著書『MSXパーフェクトカタログ』の中で、MSX2版について、前作ではランス単独での戦いだったのに対し、本作では仲間との共闘へと変化して、楽しみも増えたと述べている[1]。また、前田はシナリオがキャラクターに迫った内容で深みも増したとした一方で、ランスの目的は明確でわかりやすいと述べている[1]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b 開発スタッフのTADAが2021年に自身のブログに投稿した記事では1990年6月と記載されている[2]。一方、ムック『MSXパーフェクトカタログ』では1991年にMSX2版が発売されたことになっている[1]
  2. ^ ただし、後続作品とは異なり、捕獲したり調教したりすることはできず、戦闘後に脱ぐ程度である[2]
  3. ^ TADAは2021年のブログ記事の中で、『ドラゴンクエスト4』かと思ったが、同作が1990年2月に発売されたことから、この作品というよりはむしろ『クリムゾン2』ではないかと推測している[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 前田 2020, pp. 194–203, 1991.
  2. ^ a b c d e f g h i j TADA (2021年7月1日). “制作記.Rance2”. ハニワ開発室(ゲームデザイナーの隠居生活). 2022年10月9日閲覧。
  3. ^ ランス5D コンセプト”. アリスソフト. 2006年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月24日閲覧。
  4. ^ a b c d 「アリスの館4・5・6」、『電脳美少女虎の巻』,p48.
  5. ^ a b c d ランスチームだより12月~ハリハリ鍋~”. アリスソフトBlog (2012年12月7日). 2020年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月3日閲覧。
  6. ^ ランスチームだより2月~干し柿~ : アリスソフトBlog”. blog.alicesoft.com (2013年2月7日). 2020年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月3日閲覧。
  7. ^ a b 今俊郎,黛宏和 (2019年8月1日). “【ゲームの企画書】エロゲー業界の重鎮アリスソフトのTADA氏が駆け抜けた現場30年。平成に始まり平成に終わった『Rance』シリーズを完結させた「作り続ける人」が向かう先(1ページ目)”. 電ファミニコゲーマー. 2020年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月4日閲覧。
  8. ^ 福山幸司 (2019年6月7日). “平成元年に始まり平成で終わった美少女ゲーム『ランス』シリーズを振り返る。各種文献から見るアリスソフトとTADA氏の軌跡” (日本語). 電ファミニコゲーマー. 2020年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月12日閲覧。
  9. ^ 「アリスの館4・5・6」、『電脳美少女虎の巻』,p47.

参考文献[編集]

  • 「アリスの館4・5・6」 『電脳美少女虎の巻』(初)大洋図書、1998年5月15日、47-56頁。ISBN 4-88672-577-5 
  • 前田尋之 『MSXパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2020年5月28日。ISBN 978-4-86717-028-1 

外部リンク[編集]