F-Secure

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F-Secure(エフセキュア)はフィンランドヘルシンキに本社を置くソフトウェア会社である。

概要[編集]

コンピュータメンテナンス/セキュリティソフトの『F-Secure インターネットセキュリティ』の開発販売を行っている。同社はヘルシンキとクアラルンプールのセキュリティラボと世界20ヶ国のオフィスを通じて100ヶ国以上にプレゼンスを持っており、同社のサービスは世界の200以上のパートナー企業を通じて数百万人のブロードバンド利用者に使われている。元々は、Linuxサーバー用途を主として、企業ユーザー向けに、アンチウイルスソフトの開発を続けてきた老舗[要出典]である。

1988年、ペトリ・アラス(Petri Allas)とリスト・シーラスマア英語版によって、コンピューター利用者の訓練とカスタマイズされたデータベースの構築を行なうデータ・フェローズData Fellows)として創業された。

1991年、同社は最初のメジャーなソフトウェアプロジェクトを立ち上げ、ウイルス対策プロダクトとしてヒューリスティックスキャナを開発。1994年にはWindows PC用の最初のアンチウイルス製品を発売。1999年F-Secureに社名を変更した。

1999年5月、エフセキュア株式会社として日本法人が設立された。代表取締役はイングバー・フロイラント。

2009年平成21年)からは、ブランドの認知と製品の普及を目指した、様々な取り組みが行われており、同社のスローガンも「BE SURE(必ず、間違いなく、などの意)」から「Protecting the irreplaceable(かけがえのないものを守る)」へと変更され、ブランドロゴやホームページが一新された。しかしながら、日本語のQ&Aのページに関しては、未だ以前のレイアウトのままである。日本市場での取り組みとしては、社名や製品名の表記を、アルファベットからカタカナに変更したり、売上の一部を途上国の子供にワクチン費用として、寄付する活動を行っている。

また、同社の「業界全体の発展を促すことが、ユーザーの安全を守ることに繋がる」という理念は、マルウェアや不正サイトのデーターベースを、競合する企業とも共有する姿勢に表れており、その他にインターネット利用時のセキュリティをトピックとして、日本語のブログやTwitterによる、ユーザーのセキュリティ意識を高める活動も行っている。

日本法人はマイナンバー取扱業者である[1]

主な商品[編集]

不祥事・事件[編集]

元幹部社員による意図的な個人情報公開事件[編集]

2015年11月3日漫画家はすみとしこが描いた難民を批判するイラストに対してFacebook上で評価した人物400人分の氏名、居住地、勤務先、出身校などの個人情報のリストがネット上に無断で公開される事件が発生した[2]。無断公開を行った人物は、千葉麗子Twitterの書き込みから、千葉が反原発運動に参加するなかで知り合ったF-Secure日本法人の幹部職員であることが特定された[3]。この人物がSEALDsのシンパであり、千葉に「ぱよぱよちーん」という特異なツイートを繰り返し集中的に発信していたことからネット上で炎上を招き、インターネットユーザーにより特定されるに至ったものである[3]

この炎上をきっかけに、F-Secure日本法人の幹部職員がコンピュータセキュリティ企業幹部である地位を利用して社内情報の不正利用をして個人情報の無断公開を行った疑惑が提起され、F-Secureに問い合わせが寄せられた結果、同法人代表ケイス・マーティンは調査して速やかに結果を発表することをTwitter上で公表した[4][5][6][7]。この幹部職員ははすみとしこのイラストを評価した人物に関してTwitterで「携帯からなら一発で特定。PCからProxyかましてても追い込みかけるよ。セキュリティ業界の総力あげるからな。」と投稿したり、自身の思想と合致する反原発賛同者や共産党投票者に対しては優先的に社の業務の発注をすることを表明していた[2]。またこの幹部社員は関係組織である対レイシスト行動集団をリンクしていたことから論争が醸成された[7]

11月4日、F-Secure社はプレスリリースにて幹部社員によるSNSの不適切な利用があったことを認め、調査を続けていることを明らかにした[2]

11月5日、一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会会長の安田浩は本件について「セキュリティ業界そのものへの不信感を抱かせるような事態に発展した」として謝罪の声明を出し[8]、同協会の役職からこの幹部職員を更迭し他者に変更した[8]

同年11月6日、F-Secure社は2度目のプレスリリースを発表し、不適切なSNS利用をしたとされる幹部職員による社内情報の不正利用はなかったと主張し、また、当該人物がすでに依願退職していると発表した[9][10]。一方同日、日本スマートフォンセキュリティ協会は警視庁麹町警察署に相談を行い、捜査当局に従い実態解明に協力することを追加発表した[11]

同年11月13日、F-Secure社は社内調査の最終報告を発表し、個人情報を無断公開したTwitterアカウント上の人物と依願退職した同社幹部職員とが同一であるかの確証は得られなかったと報告した[12]

このF-Secure社の対応について、日本セキュリティ・マネジメント学会常任理事の萩原栄幸は、同社が記者会見を開かなかったことと事実確認を行う前に当該人物の退職を公表したことに疑問を呈した[13]

脚注[編集]

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  1. ^ ネタとぴ (2015年11月13日). “F-Secureが元社員の個人情報リスト晒しで調査報告を発表「当該Twitterアカウントが元社員である確証は得られなかった」”. インプレス. 2015年11月25日閲覧。
  2. ^ a b c “ツイッターに400人以上の個人情報晒す 勤務先のセキュリティ会社が調査、謝罪” (日本語). J-CAST. (2015年11月5日). http://www.j-cast.com/2015/11/05249883.html?p=all [要高次出典]
  3. ^ a b 春山修司 (2015年11月9日). “千葉麗子のツイートが「ぱよぱよちーん」男の身元特定に貢献” (日本語). デイリーニュースオンライン. http://dailynewsonline.jp/article/1037214/?page=all 
  4. ^ “社員がTwitterで他人の個人情報公開か エフセキュア「調査中」” (日本語). ITmedia. (2015年11月5日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1511/05/news070.html 
  5. ^ Keith Martin (2015年11月3日). “Thank you for your note. We are looking into this and will address as soon as we can.” (英語). Keith Martin. 2015年11月4日閲覧。
  6. ^ Jon Martindale (2015年11月5日). “F-Secure director accused of revealing consumer details” (英語). KitGuru. http://www.kitguru.net/gaming/security-software/jon-martindale/f-secure-marketing-director-accused-of-revealing-consumer-details/ 
  7. ^ a b Daniele Vergara (2015年11月5日). “Scandalo F-Secure: il direttore accusato di aver rivelato informazioni sui propri clienti” (イタリア語). HideDesign Snc. http://tech.everyeye.it/notizie/scandalo-f-secure-il-direttore-accusato-di-aver-rivelato-informazioni-sui-propri-clienti-242972.html 
  8. ^ a b 安田浩 (2015年11月5日). “当協会加盟企業社員によるSNS不適切利用における報道につきまして” (日本語). 一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会. 2015年11月5日閲覧。
  9. ^ “数百人の個人情報を“公表”したセキュリティー企業社員「本人の意思で退社」” (日本語). 産経アプリスタイル. (2015年11月6日). http://aplista.iza.ne.jp/f-iphone/252812 
  10. ^ 11/4のニュースについての続報F-Secure、2015年11月6日閲覧。
  11. ^ 安田浩 (2015年11月6日). “当協会加盟企業社員によるSNS不適切利用における報道につきまして(追記)” (日本語). 一般社団法人日本スマートフォンセキュリティ協会. 2015年11月7日閲覧。
  12. ^ 弊社調査結果の最終的なご報告”. エフセキュア株式会社 (2015年11月13日). 2015年11月14日閲覧。
  13. ^ 萩原栄幸 (2015年11月13日). “萩原栄幸の情報セキュリティ相談室:セキュリティ会社元社員の個人情報流出事件の疑問点 (2/2)”. ITMedia. 2015年11月14日閲覧。

外部リンク[編集]