アリアン4

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アリアン 4
アリアン42P TOPEX/Poseidon衛星打上げ準備 (1992年8月10日クールーにて)
アリアン42P TOPEX/Poseidon衛星打上げ準備 (1992年8月10日クールーにて)
機能 使い捨て型ロケット
製造 アリアンスペース
開発国 ヨーロッパ
大きさ
全高 58.72 m (192.7 ft)
直径 3.8 m (12.5 ft)
質量 240,000 - 470,000 kg (529,110 - 1,036,175 lb)
段数 2
積載量
LEOへの
ペイロード
5,000 - 7,600 kg (11,024 - 16,756 lb)
GTOへの
ペイロード
2,000 - 4,300 kg (4,410 - 9480 lb)
打ち上げ実績
状態 退役
射場 フランス領クールー
ギアナ宇宙センターELA-2
総打ち上げ回数 116
成功 113
失敗 3
初打ち上げ 1988年6月15日
補助ロケット 段 (アリアン 42L, 44LPまたは44L) - PAL
エンジン バイキングエンジン 6基
推力 752.003 kN (169,057 lbf)
比推力 278 秒
燃焼時間 142 秒
燃料 四酸化二窒素/非対称ジメチルヒドラジン
補助ロケット 段 (アリアン 42P, 44LPまたは44P) - PAP
エンジン
推力 650 kN
燃焼時間 33秒
燃料 CTPB 1613
第1 段 - L220
エンジン バイキング 5C 4基
推力 3,034.1 kN
比推力 278 秒
燃焼時間 205 秒
燃料 四酸化二窒素/非対称ジメチルヒドラジン
第2 段 - L33
エンジン バイキング 4B 1基
推力 720.965 kN
比推力 296 秒
燃焼時間 132 秒
燃料 四酸化二窒素/非対称ジメチルヒドラジン
第3 段 - H10
エンジン 1 HM7-B
推力 62.703 kN
比推力 446秒
燃焼時間 759秒
燃料 液体酸素/液体水素

アリアン4は、欧州宇宙機関1988年から2003年まで使用していたロケットアリアンスペース社の商品でもある。

概要

1983年より開発が開始された。最初の打ち上げは1988年6月15日のことである。2003年まで打ち上げに用いられ、104回の成功と3回の打ち上げ失敗がある。アリアン3の拡大型であり、1段目に大型ブースターを追加している点が大きな相違点である。ブースターの使用数・状況によって6つのサブタイプがあるが、最大能力を持つAR 44Lでは4.8tの静止軌道投入能力を持つ。なお、アリアン4による静止軌道投入重量の記録は4.946tである。

アリアン4の基本型はブースターなしのAR 40であり、3段型、2.1tの静止軌道投入か5.0tの低軌道投入能力がある。エンジンは液体ロケットであり、1段目には4基の、2段目には1基のバイキング5型エンジンを有する。3段目はHM7型エンジンであり、液体酸素液体水素を燃料とする。大型液体ロケットブースター4本を有するAR 44Lでは、3.5段式となる。

アリアン4のサブタイプは、使用するブースターの種類および使用本数によって分けられる。固体ロケットブースター使用の場合はPが、液体ロケットブースター使用の場合はLが末尾に付けられる。液体ロケットブースターの方が推力が大きいものとなっている。数字の一の位がブースターの使用本数である・

派生型

打上げ用途に応じていくつかの派生型が存在した。2または4基の固体燃料補助ロケット(PAP - Propulseurs d'Appoint à Poudre)や液体燃料補助ロケット(PAL - Propulseurs d'Appoint à Liquide)を使用した。Spelda (Structure Porteuse Externe de Lancement Double Ariane,フランス語で'アリアンによる複数打上げのための外部輸送構造物') と呼ばれる装置で1度に複数の衛星を軌道に投入することができた。

世界の商業衛星の打上げ市場において60%のシェアを獲得した。[1]

アリアン4 AR 40 は基本型で全高: 58.4 m 直径:3.8 m, で離陸重量245 tで最大積載量2100 kg を静止トランスファ軌道または5000 kgを低軌道へ投入できた。主エンジンは4基のバイキング2B エンジンで推力は667 kNだった。2段目はバイキング4Bエンジンで3段目はHM7-B液体水素/液体酸素を燃料とするエンジンだった。AR 44Lは最大の4基の液体燃料補助ロケットを使用し、第4段を追加して総重量470tに達し、静止トランスファ軌道に4730 kg、低軌道に7600 kg投入できた。

打上げ実績

1988年の打上げ以来116回の打上げで成功率は97%に達する。最後の打上げは2003年2月15日インテルサット907を静止軌道に投入した。

サブタイプ 発射回数 成功回数 失敗日付
AR 40
7
7
-
AR 42L
12
12
-
AR 42P
14
13
1994年12月1日
AR 44L
34
33
1990年2月22日
AR 44LP
26
25
1994年1月24日
AR 44P
15
15
-

退役

従来アリアン4が担当していた打上げは後継のアリアン5ソユーズSTが担当する。アリアン4よりも重い物や軽い物はソユーズとセントールを組み合わせて打ち上げる予定である。[2] ソユーズロケットはペイロードプラットフォームは再使用し、アリアン4から流用した大型の炭素繊維製のフェアリングを使用し、ギアナ宇宙センターから打ち上げられる予定である。[3]

関連項目

脚注

外部リンク