固体ロケットブースタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
デルタ IIロケットに備えられるブースター

固体ロケットブースターは、固体燃料ロケットエンジンによるブースターである。多くの打上げロケットシステムが固体ロケットブースターを使用している。固体ロケットブースターを持つロケットとして、日本のH-IIAロケットSRB-A)、ヨーロッパのアリアン5、アメリカのアトラス V(オプションで追加可能)、NASAのスペースシャトルなどがある。[1]スペースシャトルシステムはこの種のブースターとしては最大の「スペースシャトル固体燃料補助ロケット(SRB)」を2本使用する。

固体ロケットブースターの利点は液体ロケットブースターと比較して遥かに大きな推力が得られ、推進剤を低温に保つ為の冷凍機や断熱材が不要な事である。液体燃料ロケットを主エンジンとする打上げシステムに固体燃料ロケットブースターを加える事により、液体燃料の量を減らし、打上げ時のロケットの総重量を減らす事が出来る。これは多段化の一種と捉えることができる。

ブースターにより打上げシステムの性能を向上させる例として(基本的な議論は液体でも変わらないが、固体の例としては)、アリアン4のブースター無しの構成であるAR40が静止トランスファ軌道までのペイロード2175 kg[2]に対し、4基の固体ブースターを追加したAR44Pでは3465 kg[3]まで向上している。スペースシャトルのSRBの推進剤の重量はそれぞれ約500 000 kgである。[4]

多くはロケット本体を取り囲むように配置され、打上げ時に点火する。燃焼が済むと、無駄な質量になるため、空中で切り離され、そのまま投棄とするものが多い。しかし、NASAのスペースシャトルのSRBは、「再利用する」という建前を達成するため、海面にパラシュートで緩落下させ回収し、整備後に再利用するものとした。

一般に固体燃料ロケットは、その特性から特に打上げ中の安全面で、有人ロケットに不向きな面がある。有人打上げシステムの一部としてブースターに使用する場合にも、切り離すことができるなどの点はあるが基本的には同様である(ただし一方で脱出システムなど、安全のために重要な固体ロケットもある)。

脚注[編集]

  1. ^ (PDF) Assets, Lockheed Martin, オリジナルの2011年12月17日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20111217084517/http://www.lockheedmartin.com/data/assets/13434.pdf .
  2. ^ Ariane 4, Astronautix, オリジナルの2012年7月27日時点によるアーカイブ。, https://www.webcitation.org/69Svx5y6n?url=http://www.astronautix.com/lvs/ariane4.htm .
  3. ^ Ariane 44P, Astronautix, オリジナルの2011年5月13日時点によるアーカイブ。, https://web.archive.org/web/20110513234146/http://www.astronautix.com/lvs/arine44p.htm .
  4. ^ Solid rocket boosters”. USA: NASA (2009年8月9日). 2009年8月9日閲覧。[リンク切れ].

関連項目[編集]

外部リンク[編集]