コンテンツにスキップ

ミヤコカナヘビ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。125.201.135.99 (会話) による 2023年6月24日 (土) 15:39個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ミヤコカナヘビ
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
: カナヘビ科 Lacertidae
: カナヘビ属 Takydromus
: ミヤコカナヘビ T.toyamai
学名
Takydromus toyamai
Takeda & Ota, 1996[2][3]
和名
ミヤコカナヘビ[2]
英名
Miyako grass lizzard[2]

ミヤコカナヘビ(宮古金蛇、Takydromus toyamai)は、爬虫綱有鱗目カナヘビ科カナヘビ属に分類されるトカゲである。

分布

日本宮古列島のうち宮古島池間島大神島伊良部島下地島来間島[3][4]固有種[1][2]

かつては沖縄本島等に分布するアオカナヘビと同一種であると考えられてきたが、1996年に新種であることが判明し、ミヤコカナヘビと名付けられた[5]

通説では宮古列島は約40万年前まで海進により水没していたとされるが、本種はそれよりも古い種であると考えられており、地史学上の通説と整合しない。また、本種は、近隣の沖縄本島等に分布するアオカナヘビや八重山列島に分布するサキシマカナヘビとは系統的に異なり、台湾に分布するスタイネガーカナヘビや中国南部に分布するキタカナヘビと系統的に近いとされる[3][6][7][8]

形態

全長16 - 22センチメートル[2]。雌雄とも30センチメートルまで成長するともされる[7][8]。頭胴長4.5 - 6センチメートル[2]。体色は緑色だが、淡褐色がかる個体もいる[2]。体側面に筋模様は入らない[2][3]。咽頭板は3対[2][3]

生態

草原に生息するが、林縁・農耕地周辺の低木・民家の緑地にも生息する[2]昼行性[1][2]。冬眠はしないが、冬季は不活発になる[1][2]

主に昆虫クモなどを食べる[1][2][3]

繁殖様式は卵生。1回に2個の卵を年に数回に分けて産む[1][2]。卵は1か月で孵化する[2][3]。孵化した翌年には性成熟し、寿命は不明だが性成熟した翌年以降も生存し繁殖を行う[2]

人間との関係

方言名はクースファイヤ[3]

土地開発、農薬による影響、人為的に移入されたインドクジャクニホンイタチによる捕食などにより生息数は激減している[1][2][4]。ペット用の乱獲による生息数の減少も懸念されている[1][2]2016年国内希少野生動植物種に指定され、卵も含め捕獲・譲渡などが原則禁止されている[9]。2017年現在沖縄県レッドリストでは絶滅危惧IB類と判定されている[3]。また、2019年6月11日には沖縄県の天然記念物に指定されている[5][7][8]

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト[2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h Kidera, N. & Ota, H. 2017. Takydromus toyamai. The IUCN Red List of Threatened Species 2017: e.T178488A96878070. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2017-3.RLTS.T178488A96878070.en. Downloaded on 20 September 2018.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 竹中践 著「ミヤコカナヘビ」、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室 編『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-3 爬虫類・両生類』株式会社ぎょうせい、2014年、6-7頁。 
  3. ^ a b c d e f g h i 戸田守「ミヤコカナヘビ」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-動物編-』沖縄県文化環境部自然保護課、2017年、186-187頁https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/shizen/hogo/okinawa_rdb_doubutu.html 
  4. ^ a b “絶滅危惧種 ミヤコカナヘビの捕食確認”. 宮古毎日新聞. (2017年8月16日). http://www.miyakomainichi.com/2017/08/101537/ 
  5. ^ a b “ヘビだけどトカゲ? 緑色が美しい宮古諸島のトカゲ「ミヤコカナヘビ」が沖縄県天然記念物に指定”. 沖縄タイムス. (2019年6月11日). https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/431059 
  6. ^ “島の固有種保全で連携 生息状況や生態把握へ/官学の関係者が連絡会議”. 宮古毎日新聞. (2018年7月19日). http://www.miyakomainichi.com/2018/07/110891/ 
  7. ^ a b c “ミヤコカナヘビ、県天然記念物に/県教育庁 宮古諸島の固有種”. 宮古毎日新聞. (2019年6月11日). http://www.miyakomainichi.com/2019/06/120788/ 
  8. ^ a b c “ミヤコカナヘビが県天然記念物に指定”. 宮古新報. (2019年6月11日). http://miyakoshinpo.com/news.cgi?no=21414&continue=on 
  9. ^ 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令」の閣議決定について 国内希少野生動植物種一覧環境省・2018年9月20日に利用)

外部リンク