大東犬
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大東犬(だいとういぬ、だいとうけん)は、沖縄県大東諸島の南大東島の地犬で、日本犬の一種。血統書はない。
概要
大東諸島はかつて無人島であったが、1900年に八丈島からの移住者によって開拓が始まった。大東犬はこれらの移住者によって約100年前に持ち込まれたものである。起源はよく解っていないが、外部から隔絶した環境で近親交配を繰り返すことにより現在の容姿に変化したとの説がある[1]。
顔つきや体つきは、典型的な日本犬の姿をしている。しかし、他の日本犬には無い、大東犬独特の特徴は、足が非常に短く、がに股であることである。純粋な大東犬はウェルシュ・コーギーやダックスフントのように脚がかなり短く、ちょこちょことした歩き方をするが、これの血が薄い犬は脚が長めになっていることもある。耳は立ち耳で、尾は巻き尾若しくは刺し尾で、巻き尾の犬はやはり他犬種同様、老化によって尾の巻き具合がゆるくなる傾向がある。コートは通常の日本犬と同じ硬めのショートコートで、毛色に制限は無い。暑さに強いが、寒さにはそれほど強くない。性格は主人に忠実だが人馴れはあまりよくなく、気性はやや荒っぽい。この荒っぽさはいわゆる猟犬気質と呼ばれるもので、本種特有のものではない。家庭犬としては番犬として見張りをする傍ら、主人や家族と一緒に過ごすことを幸せに感じている犬種である。脚は短いが運動量は普通の日本犬と同じで、罹りやすい病気は皮膚病や椎間板ヘルニアなどである。[要出典]
減ってしまった大東犬
他犬種との交雑が進んだことなどにより、純血種の大東犬の頭数は激減した。
南大東島内においては、2005年12月現在では、純血のメスは確認できず、確認されたのは5頭のオスのみで多くが高齢であった[1]。さらに後に1頭が死亡し、4頭となった[2]。
しかし、島外においては、沖縄県名護市で純血種の繁殖に成功しており、うち2頭が南大東島に提供されている。また、2008年には1頭が沖縄こどもの国に提供され[2]、一般公開されている[3][4]。
純血種の大東犬の数は、2008年12月現在で、南大東島に6頭、総数で20頭弱と推定されている[3]。
トピック
2014年10月9日の日本経済新聞朝刊最終面文化欄で、大東犬が取り上げられた。寄稿者は名護市で大東犬の繁殖にかかわっている宮城保雄[5]。この記事によれば、この記事の時点で、「50匹ほどまでに回復している」という。
脚注
- ^ a b 大東犬、消滅のピンチ 沖縄タイムス、2005年12月
- ^ a b 純血「大東犬」繁殖に成功 沖縄タイムス、2013年3月1日
- ^ a b ワンの名前よろしく 絶滅懸念される大東犬の名前募集 琉球新報、2008年12月1日
- ^ “大東犬チャッキーのバースデー♪”. 沖縄こどもの国. (2014年7月27日) 2016年5月13日閲覧。
- ^ “名護市のなんちゃって動物園を探して”. 沖縄B級ポータル - DEEokinawa(でぃーおきなわ). (2013年6月12日) 2016年5月13日閲覧。