2022年北京オリンピックのショートトラックスピードスケート競技
2022年北京オリンピックのショートトラックスピードスケート競技は国際スケート連盟(ISU)管轄の下、2022年2月5日から16日までの期間、首都体育館で開催された。今大会では男女2名ずつによる混合2000mリレーが新種目として実施された[1][2]。
概要
[編集]男女合わせて112名の選手が出場資格を得た[3][4]。種目ごとの出場枠は男女500mと同1000mは各36、同1500mは32、男女リレーは8、混合リレーは12。個人戦の種目ごとの出場枠は2021-22年ワールドカップの成績を基にしたオリンピック予選ランキング[5]により、NOCに割り当てられる。男女リレーの出場資格は個人種目と同様のオリンピック予選ランキングの上位8カ国が得る。
男女リレーの出場国はその性別の4名の選手を派遣することができる。また、個人3種目において、8つ以上の出場枠を持つ場合などは5名の選手を派遣することができる。男女リレーの出場資格を持たない国は個人種目で得た出場枠に応じて、性別ごとに最大3名の選手を派遣することができる。混合リレーには男女2名以上の選手を派遣する国が出場する。条件を満たす国が12に満たない場合は、出場国が12に達するまで、男子または女子1名のみが不足する国を対象として派遣枠が1つずつ追加される。
日本からはオリンピック予選ランキングにより男子は4名、女子は3名の選手が出場できる。また、男子リレーと混合リレーの出場資格を得ている。日本スケート連盟は代表内定選手として、ワールドカップと全日本選手権の成績を基に吉永一貴、菊池耕太、宮田将吾、菊池悠希、菊池純礼[6]、小池克典、神長汐音[7]の7名を発表した。
競技日程
[編集]下表の日程で全9種目が行われた[8]。太字は決勝が行われる日程である。
時刻はUTC+8
日程 | 時刻 | 種目 |
---|---|---|
2/5 | 19:00 | 女子 500m |
男子 1000m | ||
混合 2000m リレー | ||
2/7 | 19:30 | 女子 500m |
男子 1000m | ||
2/9 | 19:00 | 男子 1500m |
女子 1000m | ||
女子 3000m リレー | ||
2/11 | 19:00 | 女子 1000m |
男子 500m | ||
男子 5000m リレー | ||
2/13 | 19:00 | 男子 500m |
女子 3000m リレー | ||
2/16 | 19:30 | 女子 1500m |
男子 5000m リレー |
参加国
[編集]2021年12月9日、国際スケート連盟により、NOCに割り当てられた選手数の内訳が公表された[9]。2022年1月、最終的に確定した選手数が公表された[4]。
国 | 男子 | 女子 | 混合 リレー |
合計数 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
選手数 | リレー | 選手数 | リレー | |||
オーストラリア | 1 | 1 | ||||
ベルギー | 1 | 1 | 2 | |||
カナダ | 5 | 5 | 10 | |||
中国 | 5 | 5 | 10 | |||
クロアチア | 1 | 1 | ||||
チェコ | 1 | 1 | ||||
フランス | 2 | 2 | 4 | |||
ドイツ | 1 | 1 | ||||
イギリス | 2 | 1 | 3 | |||
香港 | 1 | 1 | ||||
ハンガリー | 5 | 2 | 7→6[10] | |||
イスラエル | 1 | 1 | ||||
イタリア | 5 | 5 | 10 | |||
日本 | 4 | 3 | 7 | |||
カザフスタン | 3 | 2 | 5 | |||
ラトビア | 2 | 2 | ||||
オランダ | 5 | 5 | 10 | |||
ポーランド | 2 | 4 | 6 | |||
ROC | 5 | 5 | 10→9[注釈 1] | |||
韓国 | 5 | 5 | 10→9[注釈 1] | |||
トルコ | 1 | 1 | ||||
ウクライナ | 1 | 1 | 2 | |||
アメリカ合衆国 | 2 | 5 | 7→6[注釈 1] | |||
計23カ国 | 58 | 8 | 54 | 8 | 12 | 112→108 |
競技形式
[編集]個人種目(500m、1000m、1500m)
500m、1000mは予選から決勝までの4ラウンド、1500mは準々決勝から決勝までの3ラウンドが行われる。基本的に規定の着順に入った選手が次ラウンドに進出するが、他の選手の妨害の被害を受けた選手が救済措置として、次ラウンドへの進出が認められることもある[14]。
男女リレー(男子:5000m、女子:3000m)
各チーム4人の選手が出場する。メンバー交代は、滑っている選手が次に滑る選手にタッチして行う。1回のレースで同じ選手が繰り返し滑走することが可能だが、どの選手も1回は滑走しなければならない。1人の選手が何周滑っても問題はないが、最後の2周は1人で滑らないといけない[14]。4チームずつで行われる準決勝の上位2チームが決勝に進出、下位2チームは5-8位決定戦に出場する。
混合リレー(2000m)
滑走順は女子-女子-男子-男子-女子-女子-男子-男子の順で、1回目は2.5周ずつ、2回目は2周ずつ、合計18周で順位を競う[14][15]。準々決勝は12チームが4チームずつ3組に分かれて競い、各組上位2チームと3位のチームのうち、タイム上位の2チーム、計8チームが準決勝に進出する。準決勝も4チームずつで行われ、上位2チームが決勝に進出、下位2チームは5-8位決定戦に出場する。
競技結果
[編集]女子1500mで菊池純礼が8位に入賞し、日本の女子選手では2006年トリノ大会の神野由佳以来、16年ぶりのショートトラック個人種目の入賞となった[16]。
男子
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
500m[17] | リュー・シャオアン ハンガリー (HUN) |
40.338 | コンスタンチン・イヴリエフ ROC (ROC) |
40.431 | スティーヴン・デュボワ カナダ (CAN) |
40.669 |
1000m[18] | 任子威 中国 (CHN) |
1:26.768 | 李文龍 中国 (CHN) |
1:29.917 | リュー・シャオアン ハンガリー (HUN) |
1:35.693 |
1500m[19] | ファン・デホン 韓国 (KOR) |
2:09.219 | スティーヴン・デュボワ カナダ (CAN) |
2:09.254 | セミョン・エリストラトフ ROC (ROC) |
2:09.267 |
5000mリレー[20] | カナダ (CAN) シャルル・アメラン スティーヴン・デュボワ ジョーダン・ピエール=ジル パスカル・ディオン マキシム・ラウン[注 1] |
6:41.257 | 韓国 (KOR) イ・ジュンソ ファン・デホン クァク・ユンギ パク・チャンヒョク キム・ドンウク[注 1] |
6:41.679 | イタリア (ITA) ピエトロ・シゲル ユーリ・コンフォルトラ トンマーゾ・ドッティ アンドレア・カシネリ |
6:43.431 |
女子
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
500m[21] | アリアナ・フォンタナ イタリア (ITA) |
42.488 | スザンヌ・シュルティング オランダ (NED) |
42.559 | キム・ブタン カナダ (CAN) |
42.724 |
1000m[22] | スザンヌ・シュルティング オランダ (NED) |
1:28.391 | チェ・ミンジョン 韓国 (KOR) |
1:28.443 | ハンネ・デスメット ベルギー (BEL) |
1:28.928 |
1500m[23] | チェ・ミンジョン 韓国 (KOR) |
2:17.789 | アリアナ・フォンタナ イタリア (ITA) |
2:17.862 | スザンヌ・シュルティング オランダ (NED) |
2:17.865 |
3000mリレー[24] | オランダ (NED) スザンヌ・シュルティング セルマ・パウツマ クサンドラ・フェルゼブール ヤラ・ファン・ケルコフ |
4:03.409 OR | 韓国 (KOR) ソ・フィミン チェ・ミンジョン キム・アラン イ・ユビン |
4:03.627 | 中国 (CHN) 曲春雨 張楚桐 范可新 張雨婷 韓雨桐[注 1] |
4:03.863 |
男女混合
[編集]種目 | 金 | 銀 | 銅 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
2000mリレー[25] | 中国 (CHN) 曲春雨 范可新 武大靖 任子威 張雨婷[注 1] |
2:37.348 | イタリア (ITA) アリアナ・フォンタナ マルティナ・バルチェピナ ピエトロ・シゲル アンドレア・カシネリ アリアナ・バルチェピナ[注 1] ユーリ・コンフォルトラ[注 1] |
2:37.364 | ハンガリー (HUN) ヤーサパーティ・ペトラ コーニャ・ジョーフィア リュー・シャオアン リュー・シャオリン・シャーンドル ジョン=ヘンリー・クルーガー[注 1] |
2:40.900 |
国別メダル獲得数
[編集]順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 韓国 (KOR) | 2 | 3 | 0 | 5 |
2 | 中国 (CHN)(開催国) | 2 | 1 | 1 | 4 |
オランダ (NED) | 2 | 1 | 1 | 4 | |
4 | イタリア (ITA) | 1 | 2 | 1 | 4 |
5 | カナダ (CAN) | 1 | 1 | 2 | 4 |
6 | ハンガリー (HUN) | 1 | 0 | 2 | 3 |
7 | ROC (ROC) | 0 | 1 | 1 | 2 |
8 | ベルギー (BEL) | 0 | 0 | 1 | 1 |
合計 | 9 | 9 | 9 | 27 |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ Zaccardi, Nick (18 July 2018). “Beijing 2022 Winter Olympics add seven new events”. www.olympics.nbcsports.com/. NBC. 6 September 2021閲覧。
- ^ “冬季オリンピック混合種目を解説! 新採用のショートトラック混合リレー”. 2022年1月29日閲覧。
- ^ “QUALIFICATION SYSTEM FOR XXIV OLYMPIC WINTER GAMES, BEIJING 2022”. 2021年12月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月26日閲覧。
- ^ a b “Communication No. 2452:II. Entries Short Track Speed Skating Final allocation of quota places for each event”. 2022年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月29日閲覧。
- ^ “Special Olympic Qualifying Classification, Beijing 2022”. 2022年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月26日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “北京オリンピック スケートショートトラック代表男女計5人内定”. NHKニュース. 2021年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月30日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “スケート ショートトラック 北京五輪内定選手 男女7人出そろう”. NHKニュース. 2021年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月30日閲覧。
- ^ Minji Seo (2021年6月16日). “Beijing 2022 Olympic Winter Games Competition Schedule Version 9”. 2021年12月24日閲覧。
- ^ “Communication 2442: XXIV Olympic Winter Games 2022 Beijing Qualified quota places Short Track Speed Skating”. 国際スケート連盟 (9 December 2021). 2022年1月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。9 December 2021閲覧。
- ^ Zrt, HVG Kiadó (2022年2月5日). “Ismét pozitív lett Varnyú Alex koronavírustesztje, nem utazhat Pekingbe” (ハンガリー語). hvg.hu. 2022年2月26日閲覧。
- ^ “Jiyun PARK”. 2022年2月26日閲覧。
- ^ “Vera RASSKAZOVA”. 2022年2月26日閲覧。
- ^ “Eunice LEE”. 2022年2月26日閲覧。
- ^ a b c 日本放送協会. “ショートトラック 見どころ & ルール等”. NHKニュース. 2022年2月13日閲覧。
- ^ “冬季オリンピック混合種目を解説! 新採用のショートトラック混合リレー”. 2022年2月13日閲覧。
- ^ “ショートトラック女子1500で菊池純礼が8位入賞…日本女子16年ぶり – オリンピック”. 読売新聞オンライン (2022年2月16日). 2022年2月20日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING MEN'S 500M RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING MEN'S 1000M RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING MEN'S 1500M RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING MEN'S 5000M RELAY RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING WOMEN'S 500M RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING WOMEN'S 1000M RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING WOMEN'S 1500M RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING WOMEN'S 3000M RELAY RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “BEIJING 2022 SHORT TRACK SPEED SKATING MIXED TEAM RELAY RESULTS” (英語). olympics.com. 2023年2月26日閲覧。