頭足類

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頭足綱
Haeckel Gamochonia.jpg
様々な頭足類の生き物。
Kunstformen der Natur (1904) より。
分類
: 動物Animalia
: 軟体動物Mollusca
亜門 : 貝殻亜門 Conchifera
: 頭足綱 Cephalopoda
Cuvier, 1797
亜綱

本文も参照

頭足類(とうそくるい、Cephalopoda)は、軟体動物門 頭足綱に属する動物の総称。イカタコオウムガイコウモリダコ絶滅したアンモナイト等が含まれる。体は胴・頭・足に分かれていて、足も多数に分かれている。触角はないが、軟体動物の中でも特に目や神経系、筋肉が発達していて、運動能力にすぐれる。

形態[編集]

軟体動物に特有の殻を持たないものが多いが、これは二次的に退化したものと思われる。現生ではオウムガイ類が発達した巻貝状の殻を持つ。イカ類は殻の巻きはなくなってとなったものを体内に持っている。タコ類は全く殻を失っているが、カイダコなど、二次的に殻を作るようになったものがある。

体は外套膜につつまれた胴部と頭部に分かれ、頭部にある口の周辺にはが並んでいる。これが古来よりと呼ばれ、頭足類の名前の由来となっている。脳神経節が腕を支配していることから頭部の一部が変化したとの説もあったが、現在は巻き貝で言う足が変化し腕になったと考えられている。発生中に神経支配が組み変わり脳神経節配下となる。また巻き貝に例えれば腹足の中央に口があることになるが、発生中に足の組織が頭部をおおい表面の突起が伸びて腕になるという体制の変化が起きている。

頭部にはよく発達した眼が1対ある。タコとイカの眼は、脊椎動物の眼と同様の構造を持つ、いわゆるカメラ眼である。ただし、それぞれ全く異なった進化過程をもつ器官であり収斂進化の一例である。構造上の特筆すべき違いは頭足類の眼球は視神経が網膜の外側を通っている点である。視神経が視認の妨げにならないため、視力にすぐれ、盲点も存在しない。

感受性[編集]

EU指令「科学的目的で使用される動物の保護(on the protection of animals used for scientific purposes)」は、頭足類を対象としている。本指令の全文(8)には次のように記載されている:

円口類を含む脊椎動物に加えて、頭足類もこの指令の範囲に含める必要があります。これは、痛み、苦痛、および永続的な危害を経験する能力があるという科学的証拠があるためです。

また2021年11月に、イギリス政府の審査委員会は「タコやカニや大型エビにも苦痛の感覚がある」として同国で審議されている動物福祉法案の保護対象に感覚をもつ動物として追加した。専門家チームはこれらの生物の感覚について調べるため、300件の科学研究を調査して報告書をまとめ[1]、調査の結果、タコやイカのような頭足動物と、カニや大型エビ、ザリガニのような十脚甲殻類は、感覚をもつ存在として扱う必要があると結論付けた。ザック・ゴールドスミス動物福祉相は「十脚甲殻類や頭足動物が苦痛を感じることが、科学的にはっきりした。従って、この法案の対象とすることこそが適切だ」との声明を発表した[2]

歴史[編集]

古生代カンブリア紀中期に生息していたネクトカリスを最古の頭足類とする説があるが、これについてはまだ異論もある。オウムガイ類はオルドビス紀より現在まで続いている。現生のオウムガイ類は殻が巻いているが当時は殻がまっすぐなものも多く、そのようなものはチョッカクガイ(直角貝)と呼ばれる。それから派生したアンモナイト類は中生代を通じて世界の海中で繁栄し、中生代末に恐竜とともに絶滅した。

現生のタコやイカのように殻を内部に持つものは、古生代半ばには出現していたと見られる。中生代のものとしてはベレムナイトが有名である。

分類[編集]

頭足類の分類は非常に流動的で、統一見解がない。以下、英語版 Cephalopod から引用した。

†アンモナイト亜綱 Ammonoidea[編集]

アンモナイト絶滅

オウムガイ亜綱 Nautiloidea[編集]

四鰓亜綱 (Tetrabranchia)ともいう。

鞘形亜綱 Coleoidea[編集]

二鰓亜綱 (Dibranchia)ともいう。殻は退化して消失するか、あるいは板状(トグロコウイカでは巻殻)になって体内におさまる。吸盤が並んだ8本の足があり、イカやコウモリダコでは足と別の触手(触腕)も発達する。

脚注[編集]