質調整生存年

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Demonstration of quality-adjusted life years for two individuals (A and B)

質調整生存年(しつちょうせいせいぞんねん, Quality-adjusted life year, QALY)とは、疾病負荷の測定方法として一般的であり、生存における量と質の2点を評価する手法である[1][2]医療行為に対しての費用対効果を経済的に評価する技法として用いられる。

1QALYは、完全に健康な1年間に相当する。もしある人の健康が完全ではないならば、その1年間は1以下のQALYとして算定され、死亡すれば0QALYと算定される。いくつかの状況ではマイナスのQALYも算定され、それはその健康状態が「死亡よりも悪い」ことを意味する。

適用[編集]

QALYは多くの場合、費用対効果分析の分野で用いられ、医療行為にかかったコストと、それによって得られたQALYを評価する。1QALYを伸ばすために要するコストを incremental cost-effectiveness ratio(ICER)と呼び、多くの場合、この値が医療行為の是非の基準となる[3]

イギリスでは、英国国立医療技術評価機構(NICE)が国民保健サービス(NHS)に対して上限を行っており、2013年からは1QALYあたりに認めるコスト(ポンド)を目安として提示している[4][5][6]。NICEは費用対QALYのしきい値を、 £20,000 から £30,000と設定している[7]

脚注[編集]

  1. ^ Measuring effectiveness and cost effectiveness: the QALY”. National Institute for Health and Clinical Excellence. 2009年8月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月9日閲覧。
  2. ^ Entry for "QALY"”. Bandolier Journal Glossary. Oxford University. 2009年8月9日閲覧。
  3. ^ Weinstein, Milton; Zeckhauser, Richard (1973-04-01). “Critical ratios and efficient allocation”. Journal of Public Economics 2 (2): 147–157. doi:10.1016/0047-2727(73)90002-9. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/0047272773900029. 
  4. ^ Measuring effectiveness and cost effectiveness: the QALY”. NICE (2010年4月20日). 2015年6月15日閲覧。
  5. ^ Guide to the methods of technology appraisal 2013”. NICE (2013年). 2015年6月15日閲覧。
  6. ^ 薬に厳しい英国NICEが信頼を勝ち得たワケ」、『日経メディカル』2016年7月5日
  7. ^ Appleby, John; Devlin, Nancy; Parkin, David (2007). “NICE's cost effectiveness threshold”. BMJ 335: 358–9. doi:10.1136/bmj.39308.560069.BE. PMC 1952475. PMID 17717337. http://www.bmj.com/content/335/7616/358. 

関連項目[編集]