独り言

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独り言(ひとりごと)とは、会話の相手が存在しないにもかかわらず、発声を伴う言語を口にする行為、およびつぶやかれる「ことば」である[1]一人言とも表記し、独語(どくご)、独言(どくげん)、独話(どくわ)ともいう[1][2]

文学・演劇的手法については、モノローグを参照。

概要[編集]

日本語における「独り言」「ひとりごと」の類義語には、「独語」「独言」「独話」といった同義語のほか、独白(どくはく)、あるいは呟き(つぶやき)、私語(ささめ)、捨て台詞(すてぜりふ)も含まれるとされる[3]。 

現代中国語では、「独語」「独言」ではなく「自言自语」と呼ぶ[4]

精神科的ターム[編集]

健康な成人にもしばしば見られるが、認知症統合失調症などの妄想性疾患・自閉症では特に顕著な症状である。

独り言自体は全く無関係な他者の観点からは異質性を醸し出す嫌悪の姿に他ならない。しかし独り言を呟く人間が全て異常という観点も誤りである。人間は強烈な精神的衝撃を受けた場合、必ず自己の主観を取り戻そうとする為に、様々な逃避、対処行動を行う。この行動内容は多岐に渡り、誰に伝聞の結果を求めるでもない言語を呟く事(自己の立ち位置が現実であると自我による認識を再確認する為)により、自身を保とうとする行動も例に含まれる。ごく一部の明らかな精神疾患に基づく行動(奇声、大声)はともかく、一般の日常生活を送る人間は、上記の呟き等の行為を行う事によって、様々なショックから立ち直ろうとするのが平均とされる。しかし過度にこの症状が出る場合は強迫性障害の場合もある。

幼児期の独り言[編集]

遊びの場面や、難しい課題を与えられた場面などで、幼児は周囲の状況に関係なく発話する。ジャン・ピアジェはこのような非社会的な言語活動を自己中心語と呼んだ[5]。自己中心語は幼児期の特徴である自己中心性の反映であり、ピアジェは幼児のひとりごとを伝達の意図を持った社会的発話の未発達なかたちと考えた。

レフ・ヴィゴツキーは、言葉はそもそも他者とのコミュニケーションの道具である外言(external speech)として発生すると考えた[5]。やがて子どもの発達と共に語彙力や構文が複雑化すると、言葉には思考の道具という新たな機能が加わる。思考上の発話を伴わない内面化された言語活動を内言(inner speech)と呼ぶ。外言と内言の分化は幼児期に始まるが、分化が不十分な時期には思考に発声が伴ってしまう。このような不完全な内言が幼児期のひとりごとであるという[5]

幼児のひとりごとは5、6歳のころに最も多く見られ、内言が形成される8歳くらいでほとんど見られなくなる[5]。内言の形成過程では、出現する語の省略や構文の単純化といった発話内容の変化も同時に進行する。

作品[編集]

「独り言」「ひとりごと」を主題とし、題名にした日本の作品の一覧である。「ひとりごと」の前後に装飾が付された題名のものは一切省く。

文学
音楽

脚注[編集]

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  1. ^ a b 独り言デジタル大辞泉コトバンク、2012年2月7日閲覧。
  2. ^ 独語、デジタル大辞泉、コトバンク、2012年2月7日閲覧。
  3. ^ ひとりごと大辞林Yahoo!辞書、2012年2月7日閲覧。
  4. ^ 独り言デイリーコンサイス日中辞典goo辞書、2012年2月7日閲覧。
  5. ^ a b c d 高橋 2012, pp. 318-319.
  6. ^ デジタル大辞泉『ひとり言』 - コトバンク、2012年2月7日閲覧。
  7. ^ デジタル大辞泉『独ごと』 - コトバンク、2012年2月7日閲覧。

参考文献[編集]

  • 高橋晃、重野純(編)、2012、「内言と外言」、『心理学』改訂版、 新曜社〈キーワードコレクション〉 ISBN 9784788512900

関連項目[編集]

外部リンク[編集]