「本の雑誌社」の版間の差分
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2017年9月21日 (木) 13:21時点における版
本の雑誌社 | |
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正式名称 | 株式会社 本の雑誌社 |
種類 | 株式会社 |
法人番号 | 2011201005033 |
設立日 | 1976年4月 |
本社郵便番号 | 〒101-0051 |
本社所在地 |
東京都千代田区神田神保町1-37 友田三和ビル5F |
外部リンク | https://honnozasshi.stores.jp/ |
本の雑誌社(ほんのざっししゃ)は、目黒考二、椎名誠、沢野ひとし、木村晋介によって設立された出版社。事務所は東京都渋谷区笹塚にあったが、2012年6月に東京都千代田区神田神保町に移転。
書評を中心に本と活字にまつわる様々な話題を扱った月刊誌「本の雑誌」(書籍扱い。当初は季刊。隔月刊をへて月刊化した)を1976年4月より発行している。また、「本の雑誌」の連載内容の書籍化や、連載陣の書き下ろし本、独自に企画した「本に関する本」などを刊行している。
概要
『本の雑誌』の創刊は、椎名、目黒の他に、当時『漫画アクション』編集者の本多健治(のち、双葉社取締役)もかかわっていた。また、最初に社員を採用した際は、社員は群ようこ一人だった。
また、初期は「本の雑誌」は、関係者による契約書店への自力での持ち込みであった。そのため、「助っ人」と呼ばれる大学生の有志による配本部隊によって助けられていた。
のちのマガジンハウス編集者で、女優本上まなみの夫である沢田康彦も助っ人出身。また、お笑い演芸専門誌『カジノフォーリー』の編集長を務めた、竹本幹男も助っ人出身。
助っ人出身者は他に、白夜書房営業部藤脇邦夫、写真家の上原ゼンジ、翻訳家の那波かおり、岩本正恵、絵本作家の本下いづみ、ジャズ評論家の富澤えいち、書評家の吉田伸子、イラストレーターの福井若恵、小学館の編集者の徳山雅記(ステレオグラム本を多数刊行。現「ドラえもんルーム」担当)、編集者・ライターの南陀楼綾繁、落語家の柳家喬之助などがいる。上原と吉田はのち、本の雑誌社の社員になった。
ちなみに当時の助っ人へはバイト代は出ず、見返りは、好きなときにカツ丼やギョウザ・ラーメンなどを腹いっぱい食べられることであった(「助っ人」たちの話は、目黒考二の『本の雑誌風雲録』に詳しい)。
すべての出版物において、特例を除き書店からの返品を受けない、完全買切制をとっている。
雑誌「本の雑誌」について
小部数の「書評とブックガイド」のミニコミ雑誌としてスタート。椎名のコラムの独特の文体や、従来の書評誌になかったエンタテインメント中心の書評、ユニークな特集、独特の連載陣の発掘などで、人気を博す。1984年から「活字のコラムマガジン」に方針転換し、メジャーな雑誌へと変貌を遂げる。
なお当初は「季刊」と称しながら、不定期刊に近かったが、隔月刊をへて、1988年5月号から月刊化。 「特小号」など、無意味な号を作ったこともある。また「別冊」「増刊号」なども刊行している。
同誌の「編集長」は一貫して椎名誠だったが(ただし創刊号のみ目黒が編集長)、椎名がメジャーな文化人として多忙となったため、「発行人」を2001年までつとめた目黒考二が、長らく実質の編集長役をつとめてきた。目黒が降板後の「実質編集長」は、二代目発行人の浜本茂。なお、2011年1月号をもって椎名は編集人から退き、浜本が名実ともに編集長となった。また「本の雑誌社・顧問」だった目黒も、その職から退いた。
巻頭のコラム「真空飛びひざ蹴り」も、長らく椎名が執筆していて、出版業界への辛口な発言で評判を博した。
また、読書投稿欄「三角窓口」も、全国の読書好きが参加して盛り上がり、鈴木輝一郎などプロの作家の「常連投稿者」もいた(初期は、投稿一件ごとに椎名が独特の返答をしていて、それが名物であった)。また、中場利一や植上由雄は「三角窓口」の常連投稿者から作家やエッセイストになった例である。
毎年、「『本の雑誌』のベスト10」を発表しているが、普通の雑誌が、他から作家や評論家を呼んでベストを決めるのに対し、「本の雑誌」のベストは、椎名誠、目黒考二以下、編集部員、営業部員などの「本の雑誌社の社員全員」で座談会方式で決定するユニークなものである。第一位は、椎名のゴリ押しで、椎名が推した本になることが多い(「この本を一位にしてくれたらいい。あとは任せる。」が椎名の決まり文句)。
2008年12月発売の「本の雑誌」2009年1月号で、椎名誠のコラム『今月のお話』及び浜本茂の編集後記において、本の雑誌社が経営危機にあることが発表されている。
2015年5月、創刊40周年を記念して、『完全復刻版「本の雑誌」創刊号〜10号BOXセット』が刊行された。
「別冊本の雑誌」
本の雑誌に掲載された文章をまとめたものや、独自の企画など。
- ブックカタログ1000 さあ新しい書物探検の夜明けだ夜明けだ 1982.2
- 読み物作家100人集 1982.6
- ブックカタログ1000 PART2 1982.12
- 恋愛小説読本 ブックガイド&エッセイ 1983.6
- ブックカタログ1000 PART3 1981.12
- 活字中毒者読本 1984
- 「本の雑誌」傑作選 1988.8
- 「本屋さん」読本 1989.6
- 三角窓口傑作選 1991 1991.2
- 活字探偵団 1994.10
- 「本の雑誌」傑作選 風雲篇 1995.11
- 「三角窓口」傑作選 1997 1997.3
- 図書館読本 2000.1
- 新恋愛小説読本 2001.2
- SF本の雑誌 2009.7
- 古本の雑誌 2012.10
- 本屋の雑誌 2014.5
- 本の雑誌おじさん三人組が行く! 2017.3
- 古典名作本の雑誌 2017.8
「本の雑誌増刊」
- おすすめ文庫王国シリーズ
- おすすめ文庫王国 '99 1999.12
- おすすめ文庫王国 2000年度版 2000.12
- おすすめ文庫王国 2001年度版 2001.12
- おすすめ文庫王国 2002年度版 2002.12
- おすすめ文庫王国 2003年度版 2003.12
- おすすめ文庫王国 2004年度版 2004.12
- おすすめ文庫王国 2005年度版 2005.12
- おすすめ文庫王国 2006年度版 2006.12
- おすすめ文庫王国 2007年度版 2007.12
- おすすめ文庫王国 2008年度版 2008.12
- おすすめ文庫王国 2009年度版 2009.12
- おすすめ文庫王国 2010-2011 2010.12
- おすすめ文庫王国 2012 2011.12
- おすすめ文庫王国 2013 2012.12
- おすすめ文庫王国 2014 2013.12
- おすすめ文庫王国 2015 2014.12
- おすすめ文庫王国 2016 2015.12
- おすすめ文庫王国 2017 2016.12
- 本屋大賞シリーズ
- 本屋大賞2004 2004.4
- 本屋大賞2005 2005.4
- 本屋大賞2006 2006.4
- 本屋大賞2007 2007.4
- 本屋大賞2008 2008.4
- 本屋大賞2009 2009.4
- 本屋大賞2010 2010.4
- 本屋大賞2011 2011.4
- 本屋大賞2012 2012.4
- 本屋大賞2013 2013.4
- 本屋大賞2014 2014.4
- 本屋大賞2015 2015.4
- 本屋大賞2016 2016.4
- 本屋大賞2017 2017.4
「本の雑誌編集部」編の本
- 特集・本の雑誌1 出版業界篇 1995.11 角川文庫
- 特集・本の雑誌2 ブックガイド篇 1995.11 角川文庫
- 特集・本の雑誌3 活字の愉しみ篇 1995.11 角川文庫
- 匿名座談会 業界人が初めて語った舞台裏 1998.2
- 編集稼業の女たち 1998.9
- 新・匿名座談会 2000.10
- 活字探偵団 増補版 2000.1 角川文庫
- 本の業界 真空とびひざ蹴り 2001.6
- 日本読書株式会社 2001.9
- 注文の多い活字相談 新日本読書株式会社 2002.9
- よりぬき読書相談室 2003.7
- よりぬき読書相談室 特盛すこぶる本編 2004.6
- 作家の読書道 2005.10
- よりぬき読書相談室 どすこい幕の内編 2006.7
- 作家の読書道2 2007.8
- よりぬき読書相談室 みだれ打ち快答編 2007.9
- よりぬき読書相談室 疾風怒濤完結編 2008.10
- 完全復刻版「本の雑誌」創刊号〜10号BOXセット 2015.5
- この作家この10冊 2015.8
- ベスト10本の雑誌 2017.5
関係者
関連本
- 椎名誠『本の雑誌血風録』朝日新聞社 1997.5 - サラリーマンだった椎名等が『本の雑誌』を創刊するまでを描く。
- 椎名誠『新宿熱風どかどか団』朝日新聞社 1998.9 - 『本の雑誌』創刊から、椎名他のメンバーがメジャーになっていく様を描く。
- 群ようこ『別人「群ようこ」のできるまで』文藝春秋 1985.12 - 群ようこが「本の雑誌社」に勤務して、エッセイストになるまでの記録。
- 目黒考二『本の雑誌風雲録』本の雑誌社 1985.5 - 本の雑誌の創刊までと、初期の「助っ人部隊」との交流の記録。
関連項目
出典
- ^ “吉永小百合、国枝慎吾らに菊池寛賞”. スポーツ報知 (2015年10月14日). 2015年10月14日閲覧。