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'''ヘンリー・パーセル'''({{lang-en|Henry Purcell}}、[[1659年]][[9月10日]]? - [[1695年]][[11月21日]])は、[[イングランド]]の[[作曲家]]である。[[イタリア]]や[[フランス]]の影響を受けつつ独自の音楽を生み出した、最も優秀なイギリス人の作曲家の1人として知られている。弟に[[ダニエル・パーセル]]がいる。 |
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'''ヘンリー・パーセル'''([[英語|英]]:''Henry Purcell''、[[1659年]][[9月10日]]? - [[1695年]][[11月21日]])は、[[バロック音楽|バロック時代]]における[[イングランド]]の[[作曲家]]。[[イタリア]]や[[フランス]]の影響を受けつつ独自の音楽を生み出した、最も優秀なイギリス人の[[作曲家]]の1人として知られている。弟に[[ダニエル・パーセル]]がいる。 |
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== 生涯 == |
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[[ウェストミンスター]]に生まれ、少年期には王室付属礼拝堂少年聖歌隊の一員として、後には王室付きの調律師として活躍し、18歳の若さで王室弦楽団の常任指揮者・作曲家となった。21歳で[[ウェストミンスター寺院]]の[[オルガニスト]]、更に王室礼拝堂のオルガニストにも就任、同時に祝祭音楽や劇場の付随音楽、宗教曲を含む合唱曲などの作曲を通して名声を高め、宮廷音楽家としてロンドン市民に親しまれたが36歳の若さで世を去り、職場であったウェストミンスター寺院に眠っている。 |
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36歳という短い生涯の間に彼が残した曲はおよそ400曲以上あるが、どれも[[エリザベス朝]]時代のイギリス音楽が持つ諸要素と彼が取り入れたイタリア・フランスの風が巧く融合し、自由奔放な彼独特の世界観を醸し出している。 |
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== 生涯 == |
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なお、小惑星(4040)の[[パーセル (小惑星)|パーセル]]は彼に因んで命名された。 |
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[[File:Purcell portrait.jpg|thumb|right|ヘンリー・パーセル]] |
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イングランド共和国の[[ウェストミンスター]]に生まれる。少年期については資料が残されていないため、はっきりしないが、[[1667年]](おそらく9歳か10歳)頃に王室礼拝堂に付属する少年聖歌隊の一員となり、聖歌隊長の[[ヘンリー・クック (作曲家)|ヘンリー・クック]](''Henry Cooke'')と[[ペラム・ハンフリー]](''Pelham Humfrey'')から音楽の指導を受けたという。そこでは自国の作曲家の作品を学び、またハンフリーの[[フランス]]と[[イタリア]]から影響を受けた音楽様式にパーセルは影響を与えたという。 |
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[[1673年]]に15歳で変声期を迎えたため聖歌隊を退いて、同年6月に王室の楽器管理を担当していたジョン・ヒングストン(''[[:en:John Hingeston|John Hingeston]]'')の助手として1年間ほど務めた。翌[[1674年]]には[[ウェストミンスター寺院]]のオルガン調律師に任じられ、同時に[[オルガニスト]]として務めていた[[ジョン・ブロウ]]に師事している。また写譜係をしながら、[[ウィリアム・バード]]、[[オーランド・ギボンズ]]、[[トマス・タリス]]などの作曲家たちの作品の研究していたが、これらを通して古い音楽の伝統を身に着けていた。なお作曲はこの頃からしていたとされるが、初期の作品はほとんど紛失している(ごくわずかに残されている歌曲とアンセムはこの時期のもの)。 |
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==作品== |
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作品の後につけられているZはパーセルの作品目録の番号で、フランクリン・ツィンマーマンによって作成された。またそれ以外に4つ分類され、ZNは新発見された曲、ZTは鍵盤楽器用の編曲、ZDは疑作、ZSは偽作と分けている。 |
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[[1677年]]に[[マシュー・ロック]]が没し、弱冠18歳のパーセルは彼の後任として王室の弦楽合奏隊の専属作曲家(兼指揮者)に就任する。この弦楽合奏隊は[[チャールズ2世 (イングランド王)|チャールズ2世]]が、フランスのルイ14世の「24のヴァイオリン(ヴァンカトル・ヴィオロン)」に倣って[[1660年]]の王政復古の後に宮廷に設置したもので、音楽を好んでいたチャールズ2世がパーセルの才能を見抜いて抜擢したとされる。[[1679年]]にはブロウの後任としてウェストミンスター寺院のオルガニストに任命され、年俸とともに家も貸与されるなど、音楽家としてのキャリアを本格的に始めた時期でもあった。 |
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''詳細は[[パーセルの楽曲一覧]]を参照'' |
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[[1680年]]、ロンドンに帰還した[[チャールズ2世 (イングランド王)|チャールズ2世]]のための祝賀音楽をはじめとする一連の歓迎歌やオードを作曲し、また同時に祝祭音楽や劇場で上演されるための付随音楽、宗教曲を含む合唱曲などの作曲を通して名声を高め、付随音楽『テオドシウス』(''Theodosius'',Z.626)などの最初の大作が生まれたのもこの時期であった。[[1682年]]、王室付属礼拝堂の3人のオルガン奏者の一人に選ばれ、[[1683年]]1月にはヒングストンの死に伴い後任として王室の楽器管理職に就任するなど要職を兼務し、彼の名声はさらに高まっていき、多忙ながらも充実な生活を送っていた。この年に出版された作品には、12曲からなる「ファンタジア」(ヴィオールのためのトリオ・ソナタ)や鍵盤楽曲(主にハープシコード)『音楽のはしため』などがある。 |
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===歌劇=== |
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* [[ディドとエネアス|ディド(ダイドー)とアエネアス(エネアス)]] Z.626 |
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* 予言者、またはダイオクリージャン Z.627 |
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* [[アーサー王 (オペラ)|アーサー王、またはブリテンの守護者]] Z.628 |
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* [[妖精の女王 (オペラ)|妖精の女王]] Z.629 |
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* [[インドの女王]] Z.630 |
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* テンペスト、または魔法の島 Z.631 |
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[[1689年]]、バロック期のオペラの最高傑作のとして位置づけられる[[オペラ]]『[[ディドとエネアス]]』(''Dido and Aeneas'',Z.626)が12月にロンドンにて初演され、限られた手法で劇的な効果を上げたものにしている。[[1690年]]以降は一連の舞台作品(主にオペラと付随音楽)の創作に力を注ぎ、にはオペラ『アーサー王』(1691年)、妖精の女王』(1695年)、『[[アブデラザール]]』(1695年)など40曲以上を手がけている。 |
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===劇付随音楽=== |
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* [[アテネのタイモン、または人間嫌い]] Z.632 |
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* アブデラザール、またはムーア人の復讐 Z.570 |
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**第2曲「ロンドー」が、[[ベンジャミン・ブリテン]]の『[[青少年のための管弦楽入門]]』で[[変奏曲]]主題として使われている。 |
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* 愚か者の出世、またはダンスタブルの3人の公爵 Z.571 |
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* アンフィトリオン、または2人のソシア Z.572 |
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* オーレン=ジーブ、偉大なモンゴル Z.573 |
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* ボンドゥカ、またはイギリスの女傑 Z.574 |
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* キルケー Z.575 |
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* スパルタの英雄クレオメネース Z.576 |
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* パウサニアス、または国を裏切った者 Z.585 |
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* 二枚舌 Z.592 |
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* 重婚 Z.593 |
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* 女傑たち Z.596 |
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* 極道、極道ものの破滅 Z.600 |
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* パリの虐殺 Z.604(1曲のみ) |
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* 暴君の愛、高貴な殉教者 Z.613 |
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[[1695年]]11月21日、36歳の若さでこの世を去る。師のブロウはその死を悼んで『ヘンリー・パーセルの死に寄せる頌歌』を作曲し、パーセルが務めていた宮廷の楽器管理の後を継いでいる。彼の亡骸は職場であったウェストミンスター寺院に眠っている。 |
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===疑作の舞台音楽=== |
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* 劇付随音楽 無視された美徳(不幸な征服者) ZD.200 |
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* 夜が紫のヴェールを下ろす時 ZD.201(所属不明のソング) |
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==主要作品== |
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パーセルの[[作品番号|作品目録番号]]は、アメリカの音楽学者フランクリン・B・ツィンマーマン(''[[:en:Franklin B.Zimmerman|Franklin B.Zimmerman]]'')によって作成された「Z番号」である。番号は4つに分類され、「ZN」は新発見された曲、「ZT」は鍵盤楽器用の編曲、「ZD」は疑作、「ZS」は偽作とそれぞれ分類している。 |
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* 3声のファンタジア Z.732~734 |
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* 4声のファンタジア Z.735~744 |
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* 1つの音の上のファンタジア Z.745 |
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* イン・ノミネ Z.746 |
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* イン・ノミネ Z.747 |
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* 4つのパヴァン Z.748~751 |
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* 3声のソナタ集 Z.790~801 |
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* 4声のソナタ集 Z.802~811 |
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* トランペット・ソナタ第1番 ニ長調 Z.850 |
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* トランペット・ボランタリー |
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''詳細は[[パーセルの楽曲一覧]]を参照'' |
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===チェンバロ曲=== |
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* エア ト長調 Z.641 |
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* コラント ト長調 Z.644 |
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* 全音階によるグラウンド Z.645 |
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===舞台作品=== |
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====歌劇==== |
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* ヴァース ヘ長調 Z.716 |
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*[[ディドとエネアス|ディド(ダイドー)とアエネアス(エネアス)]](''Dido and Aeneas'') Z.626 |
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* 詩篇第100に基づくヴォランタリー Z.721 |
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:全3幕のオペラ。アリア『私が土の下に横たわるとき』が有名。 |
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*予言者、またはダイオクリージャン(''Prophetess or The History of Dioclesian'') Z.627 |
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:4幕の[[セミオペラ|セミ・オペラ]]。 |
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*[[アーサー王 (オペラ)|アーサー王、またはブリテンの守護者]](''King Arthur or The British Worthy'') Z.628 |
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*[[妖精の女王 (オペラ)|妖精の女王]](''The Fairy-Queen'') Z.629 |
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*[[インドの女王]](''The Indian Queen'') Z.630 |
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:未完成に終わり、弟の[[ダニエル・パーセル|ダニエル]]が補筆完成している。 |
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*テンペスト、または魔法の島(''The Tempest or The Enchanted Island'') Z.631 |
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====劇付随音楽==== |
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*アブデラザール、またはムーア人の復讐(''Abdelazer or The Moor's Revenge'') Z.570 |
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* 醒めよ醒めよ主の腕よ、力を着よ Z.1 |
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:第2曲「ロンドー」が、[[ベンジャミン・ブリテン]]の『[[青少年のための管弦楽入門]]』で[[変奏曲]]主題として使われている。 |
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* 願わくば神起きたまえ、その仇を散らしたまえ Z.23 |
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*道化師の出世、またはダンスタブルの3人の公爵(''A Fool's Preferment or The Three Dukes of Dunstable'')Z.571 |
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* わが愛する者語りて Z.28 |
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*キルケー(''Circe'')Z.575 |
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* 神よ、汝の義もまたいと高し Z.59(未完) |
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*ドン・キホーテの滑稽な物語(''Don Quixote'') Z.578 |
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* 汝に向かって叫ぶ Z.63 |
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*二枚舌(''The Double Dealer'')Z.592 |
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*ほどかれたゴルディウスの結び目(''The Gordian Knot Unty'd'') Z.597 |
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*[[アテネのタイモン、または人間嫌い]](''Timon of Athens'')Z.632 |
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===器楽作品=== |
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*シャコンヌ ト短調 Z.730(1680年頃) |
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* サンクトゥス ト長調 ZD.90 |
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:4つのヴィオールのための作品だが、現在では弦楽で演奏される。ブリテンは1948年に編曲を行っている。 |
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* テ・デウム ハ長調 ZD.91 |
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*3声のファンタジア Z.732~734 |
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*4声のファンタジア Z.735~744 |
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:いずれもヴィオール(3声は3台、4声は4台)のための作品。1680年頃出版。 |
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*ファンタジア『イン・ノミネ』Z.746(6つのヴィオールための) |
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*3声のソナタ集 Z.790~801(1683年出版) |
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*4声のソナタ集 Z.802~811(1697年出版) |
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:いずれも2つのヴァイオリンと通奏低音のための作品。「4声のソナタ集」は実際は3声であるが、通奏低音を2声部と考えて4声としている。Z.810は「黄金ソナタ」の名称がある。 |
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*トランペット・ソナタ第1番 ニ長調 Z.850(1694?) |
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:トランペット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のための |
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===鍵盤作品(ハープシコード、オルガン)=== |
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===カノン(声楽のための)=== |
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*『音楽のはしため』第2部(''The sebond part of Musick's Hand-maid'') |
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* カノン・アレルヤ Z.101 |
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:全12曲、1689年出版。『音楽の侍女』とも。 |
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* 主よ、我を憐れみたまえ Z.109 |
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*ハープシコード、またはスピネットのためのレッスン選集(''A choice collection of Lesson'') |
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* アレルヤ ハ長調 Z.110 |
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:8つの組曲(Z.660 - 663,Z.666-669)を含む。 |
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*4つのヴォランタリー Z.717-720(オルガンのための) |
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*詩篇第100に基づくヴォランタリー イ長調 Z.721(オルガンのための) |
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===宗教作品・合唱作品=== |
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===聖歌=== |
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====アンセム==== |
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* チャント第1番 Z.120 |
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*アンセム『醒めよ醒めよ主の腕よ、力を着よ』 Z.1 |
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* チャント第2番 Z.121 |
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*アンセム『願わくば神起きたまえ、その仇を散らしたまえ』 Z.23 |
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* チャント第3番 Z.122 |
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*アンセム『わが愛する者語りて』 Z.28 |
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* チャント第4番 Z.123 |
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*アンセム『神よ、汝の義もまたいと高し』 Z.59(未完) |
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* チャント第5番 Z.124 |
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*アンセム『汝に向かって叫ぶ』 Z.63 |
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* チャント第6番 Z.125 |
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====頌歌([[頌歌|オード]])==== |
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*[[来たれ、汝ら芸術の子よ]](''Come Ye Sons of Art'')Z.323 |
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* ウォールサール Z.45 |
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*[[愛の女神、必ずや盲目たらん]](''Love's goddess sure was blind'')<ref>1692年、メアリー女王の誕生日のための作曲。当日、女王の前で歌われた。</ref> Z.331 |
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* 人生は短くて悲しみ多し Z.130 |
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*その昔、勇者は故郷にとどまるを潔しとせず(''Of old when heroes thought it base'') Z.333 |
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* 絶望の淵に投げ込まれ Z.142 |
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*[[嬉しきかな、すべての愉しみ]](''Welcome to all the pleasures'')<ref>「来たれ歓喜」の邦題が用いられることもある。</ref> Z.339 |
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=== |
====その他==== |
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*カノン・アレルヤ Z.101 |
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* 目覚めて心して聴け Z.181 |
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*カノン『主よ、我を憐れみたまえ』 Z.109 |
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* 御身、眠らざる羊飼いよ Z.198 |
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*アレルヤ ハ長調 Z.110 |
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* 目は病み、疲れ Z.200 |
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*6つのチャント(聖歌) Z.120~125 |
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=== |
===歌曲・二重唱・キャッチ=== |
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*音楽が愛の糧であるなら(''If music be the food of love'') Z.379 |
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* [[来たれ、なんじら芸術の子よ]] Z.323 |
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*キャッチ『酒飲みは不死身である』(''He that drinks is immortal'') Z.254 |
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* [[愛の女神、必ずや盲目たらん]]<ref>1692年、メアリー女王の誕生日のための作曲。当日、女王の前で歌われた。</ref> Z.331 |
|||
*讃歌『いま太陽はその光を覆い』(''Now that the Sun hath veil'd his Light'') Z.193 |
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* [[その昔 勇者は故郷にとどまるを潔しとせず]] Z.333 |
|||
:『夕べの讃歌』(''An evening hymn on a ground'')の名でも知られる。 |
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* [[嬉しきかな、すべての愉しみ]]<ref>「来たれ歓喜」の邦題が用いられることもある。</ref> Z.339 |
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== 備考 == |
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*小惑星(4040)の[[パーセル (小惑星)|パーセル]]は彼に因んで命名された。 |
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*同年代の作曲家[[ジェレマイア・クラーク]]の『[[デンマーク王子の行進曲]]』は、かつてパーセルの作品(『トランペット・ヴォランタリー』の名で知られていた)として誤解されていた。これは[[指揮者]]の[[ヘンリー・ウッド]]がオルガンとトランペットのために編曲した際に「パーセルの作品」として紹介したためである(もっともウッド自身もクラークの作とは知らなかった)。 |
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== メディア == |
== メディア == |
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* |
*[http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/6/6a/Purcell_Hear_my_prayer_Sung_by_the_dwsChorale.ogg Purcell - Hear my prayer Oh Lord] |
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== 脚注 == |
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== 参考資料 == |
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*『新訂 標準音楽辞典 ト-ワ/索引』 [[音楽之友社]]、2008年 |
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*『音楽大事典 第4巻』 [[平凡社]]、1982年 |
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*『クラシック作曲家辞典』 フェニックス企画編、中河原理監修 東京堂出版、2003年(第3版) |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* {{IMSLP|id=Purcell%2C_Henry|cname=ヘンリー・パーセル}} |
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== 脚注 == |
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2013年11月1日 (金) 16:43時点における版
ヘンリー・パーセル Henry Purcell | |
---|---|
基本情報 | |
生誕 |
1659年9月10日? イングランド共和国、ウェストミンスター |
死没 |
1695年11月21日(36歳没)? イングランド王国、ウェストミンスター |
ジャンル | バロック音楽 |
職業 | 作曲家 |
ヘンリー・パーセル(英:Henry Purcell、1659年9月10日? - 1695年11月21日)は、バロック時代におけるイングランドの作曲家。イタリアやフランスの影響を受けつつ独自の音楽を生み出した、最も優秀なイギリス人の作曲家の1人として知られている。弟にダニエル・パーセルがいる。
36歳という短い生涯の間に彼が残した曲はおよそ400曲以上あるが、どれもエリザベス朝時代のイギリス音楽が持つ諸要素と彼が取り入れたイタリア・フランスの風が巧く融合し、自由奔放な彼独特の世界観を醸し出している。
生涯
イングランド共和国のウェストミンスターに生まれる。少年期については資料が残されていないため、はっきりしないが、1667年(おそらく9歳か10歳)頃に王室礼拝堂に付属する少年聖歌隊の一員となり、聖歌隊長のヘンリー・クック(Henry Cooke)とペラム・ハンフリー(Pelham Humfrey)から音楽の指導を受けたという。そこでは自国の作曲家の作品を学び、またハンフリーのフランスとイタリアから影響を受けた音楽様式にパーセルは影響を与えたという。
1673年に15歳で変声期を迎えたため聖歌隊を退いて、同年6月に王室の楽器管理を担当していたジョン・ヒングストン(John Hingeston)の助手として1年間ほど務めた。翌1674年にはウェストミンスター寺院のオルガン調律師に任じられ、同時にオルガニストとして務めていたジョン・ブロウに師事している。また写譜係をしながら、ウィリアム・バード、オーランド・ギボンズ、トマス・タリスなどの作曲家たちの作品の研究していたが、これらを通して古い音楽の伝統を身に着けていた。なお作曲はこの頃からしていたとされるが、初期の作品はほとんど紛失している(ごくわずかに残されている歌曲とアンセムはこの時期のもの)。
1677年にマシュー・ロックが没し、弱冠18歳のパーセルは彼の後任として王室の弦楽合奏隊の専属作曲家(兼指揮者)に就任する。この弦楽合奏隊はチャールズ2世が、フランスのルイ14世の「24のヴァイオリン(ヴァンカトル・ヴィオロン)」に倣って1660年の王政復古の後に宮廷に設置したもので、音楽を好んでいたチャールズ2世がパーセルの才能を見抜いて抜擢したとされる。1679年にはブロウの後任としてウェストミンスター寺院のオルガニストに任命され、年俸とともに家も貸与されるなど、音楽家としてのキャリアを本格的に始めた時期でもあった。
1680年、ロンドンに帰還したチャールズ2世のための祝賀音楽をはじめとする一連の歓迎歌やオードを作曲し、また同時に祝祭音楽や劇場で上演されるための付随音楽、宗教曲を含む合唱曲などの作曲を通して名声を高め、付随音楽『テオドシウス』(Theodosius,Z.626)などの最初の大作が生まれたのもこの時期であった。1682年、王室付属礼拝堂の3人のオルガン奏者の一人に選ばれ、1683年1月にはヒングストンの死に伴い後任として王室の楽器管理職に就任するなど要職を兼務し、彼の名声はさらに高まっていき、多忙ながらも充実な生活を送っていた。この年に出版された作品には、12曲からなる「ファンタジア」(ヴィオールのためのトリオ・ソナタ)や鍵盤楽曲(主にハープシコード)『音楽のはしため』などがある。
1689年、バロック期のオペラの最高傑作のとして位置づけられるオペラ『ディドとエネアス』(Dido and Aeneas,Z.626)が12月にロンドンにて初演され、限られた手法で劇的な効果を上げたものにしている。1690年以降は一連の舞台作品(主にオペラと付随音楽)の創作に力を注ぎ、にはオペラ『アーサー王』(1691年)、妖精の女王』(1695年)、『アブデラザール』(1695年)など40曲以上を手がけている。
1695年11月21日、36歳の若さでこの世を去る。師のブロウはその死を悼んで『ヘンリー・パーセルの死に寄せる頌歌』を作曲し、パーセルが務めていた宮廷の楽器管理の後を継いでいる。彼の亡骸は職場であったウェストミンスター寺院に眠っている。
主要作品
パーセルの作品目録番号は、アメリカの音楽学者フランクリン・B・ツィンマーマン(Franklin B.Zimmerman)によって作成された「Z番号」である。番号は4つに分類され、「ZN」は新発見された曲、「ZT」は鍵盤楽器用の編曲、「ZD」は疑作、「ZS」は偽作とそれぞれ分類している。
詳細はパーセルの楽曲一覧を参照
舞台作品
歌劇
- ディド(ダイドー)とアエネアス(エネアス)(Dido and Aeneas) Z.626
- 全3幕のオペラ。アリア『私が土の下に横たわるとき』が有名。
- 予言者、またはダイオクリージャン(Prophetess or The History of Dioclesian) Z.627
- 4幕のセミ・オペラ。
- アーサー王、またはブリテンの守護者(King Arthur or The British Worthy) Z.628
- 妖精の女王(The Fairy-Queen) Z.629
- インドの女王(The Indian Queen) Z.630
- 未完成に終わり、弟のダニエルが補筆完成している。
- テンペスト、または魔法の島(The Tempest or The Enchanted Island) Z.631
劇付随音楽
- アブデラザール、またはムーア人の復讐(Abdelazer or The Moor's Revenge) Z.570
- 第2曲「ロンドー」が、ベンジャミン・ブリテンの『青少年のための管弦楽入門』で変奏曲主題として使われている。
- 道化師の出世、またはダンスタブルの3人の公爵(A Fool's Preferment or The Three Dukes of Dunstable)Z.571
- キルケー(Circe)Z.575
- ドン・キホーテの滑稽な物語(Don Quixote) Z.578
- 二枚舌(The Double Dealer)Z.592
- ほどかれたゴルディウスの結び目(The Gordian Knot Unty'd) Z.597
- アテネのタイモン、または人間嫌い(Timon of Athens)Z.632
器楽作品
- シャコンヌ ト短調 Z.730(1680年頃)
- 4つのヴィオールのための作品だが、現在では弦楽で演奏される。ブリテンは1948年に編曲を行っている。
- 3声のファンタジア Z.732~734
- 4声のファンタジア Z.735~744
- いずれもヴィオール(3声は3台、4声は4台)のための作品。1680年頃出版。
- ファンタジア『イン・ノミネ』Z.746(6つのヴィオールための)
- 3声のソナタ集 Z.790~801(1683年出版)
- 4声のソナタ集 Z.802~811(1697年出版)
- いずれも2つのヴァイオリンと通奏低音のための作品。「4声のソナタ集」は実際は3声であるが、通奏低音を2声部と考えて4声としている。Z.810は「黄金ソナタ」の名称がある。
- トランペット・ソナタ第1番 ニ長調 Z.850(1694?)
- トランペット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、通奏低音のための
鍵盤作品(ハープシコード、オルガン)
- 『音楽のはしため』第2部(The sebond part of Musick's Hand-maid)
- 全12曲、1689年出版。『音楽の侍女』とも。
- ハープシコード、またはスピネットのためのレッスン選集(A choice collection of Lesson)
- 8つの組曲(Z.660 - 663,Z.666-669)を含む。
- 4つのヴォランタリー Z.717-720(オルガンのための)
- 詩篇第100に基づくヴォランタリー イ長調 Z.721(オルガンのための)
宗教作品・合唱作品
アンセム
- アンセム『醒めよ醒めよ主の腕よ、力を着よ』 Z.1
- アンセム『願わくば神起きたまえ、その仇を散らしたまえ』 Z.23
- アンセム『わが愛する者語りて』 Z.28
- アンセム『神よ、汝の義もまたいと高し』 Z.59(未完)
- アンセム『汝に向かって叫ぶ』 Z.63
頌歌(オード)
- 来たれ、汝ら芸術の子よ(Come Ye Sons of Art)Z.323
- 愛の女神、必ずや盲目たらん(Love's goddess sure was blind)[1] Z.331
- その昔、勇者は故郷にとどまるを潔しとせず(Of old when heroes thought it base) Z.333
- 嬉しきかな、すべての愉しみ(Welcome to all the pleasures)[2] Z.339
その他
- カノン・アレルヤ Z.101
- カノン『主よ、我を憐れみたまえ』 Z.109
- アレルヤ ハ長調 Z.110
- 6つのチャント(聖歌) Z.120~125
歌曲・二重唱・キャッチ
- 音楽が愛の糧であるなら(If music be the food of love) Z.379
- キャッチ『酒飲みは不死身である』(He that drinks is immortal) Z.254
- 讃歌『いま太陽はその光を覆い』(Now that the Sun hath veil'd his Light) Z.193
- 『夕べの讃歌』(An evening hymn on a ground)の名でも知られる。
備考
- 小惑星(4040)のパーセルは彼に因んで命名された。
- 同年代の作曲家ジェレマイア・クラークの『デンマーク王子の行進曲』は、かつてパーセルの作品(『トランペット・ヴォランタリー』の名で知られていた)として誤解されていた。これは指揮者のヘンリー・ウッドがオルガンとトランペットのために編曲した際に「パーセルの作品」として紹介したためである(もっともウッド自身もクラークの作とは知らなかった)。
メディア
脚注
参考資料
外部リンク