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== 概説 ==
== 概説 ==
『[[古エッダ]]』の『[[巫女の予言]]』によれば、三姉妹は[[ユグドラシル]]の根元の海から現れたという<ref>『古代北欧歌謡集』11頁。</ref>。
『[[古エッダ]]』の『[[巫女の予言]]』によれば、三姉妹は[[ユグドラシル]]の根元の海から現れたという<ref>『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁。</ref>。


一般的にスクルドは未来を司ると解釈される。
一般的にスクルドは未来を司ると解釈される。


スクルドという名は[[ワルキューレ]]の一柱にもみられる。『巫女の予言』では、ヘリアン(「軍勢の父」の意)すなわち[[オーディン]]の娘であるワルキューレ達が、楯を持ったスクルドを先頭にして天を飛んでいく様子が描写される<ref>『古代北欧歌謡集』12、21頁。</ref>。また、『[[スノッリのエッダ]]』第一部『[[ギュルヴィたぶらかし]]』第36章では、運命の女神で一番年下のスクルドが、ワルキューレの[[グズ]]([[:en:Gunnr|en]])、[[ロタ (北欧神話)|ロタ]]と共に戦場に現れては戦いの決着に関与し、戦死者を選び取っているとされている<ref name="kodai253" />。ただし、ノルンとしてのスクルドとワルキューレとしてのスクルドが同一神格であるかについては議論が分かれている{{要出典}}。[[シーグルズル・ノルダル]]は、ワルキューレとしてのスクルドがより古くから知られていたと考えている<ref>『エッダ詩校訂本』167頁。</ref>。
スクルドという名は[[ワルキューレ]]の一柱にもみられる。『巫女の予言』では、ヘリアン(「軍勢の父」の意)すなわち[[オーディン]]の娘であるワルキューレ達が、楯を持ったスクルドを先頭にして天を飛んでいく様子が描写される<ref>『エッダ 古代北欧歌謡集』12、21頁。</ref>。また、『[[スノッリのエッダ]]』第一部『[[ギュルヴィたぶらかし]]』第36章では、運命の女神で一番年下のスクルドが、ワルキューレの[[グズ]]([[:en:Gunnr|en]])、[[ロタ (北欧神話)|ロタ]]と共に戦場に現れては戦いの決着に関与し、戦死者を選び取っているとされている<ref name="kodai253" />。ただし、ノルンとしてのスクルドとワルキューレとしてのスクルドが同一神格であるかについては議論が分かれている{{要出典}}。[[シーグルズル・ノルダル]]は、ワルキューレとしてのスクルドがより古くから知られていたと考えている<ref>『エッダ詩校訂本』167頁。</ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2010年8月7日 (土) 10:31時点における版

フェロー諸島2003年に発行された郵便切手に描かれた、武装した姿のスクルドと、板に文字を刻む2人のノルニル。アンカー・エリ・ペーターセン(en)による。

スクルド古ノルド語: Skuld、またはSculd[1])は、北欧神話に登場する運命女神ノルンたち(ノルニル)の一柱で、三姉妹の三女[2]。その名前は「税」「債務」「義務」[3]または「未来」[4]を意味する。

概説

古エッダ』の『巫女の予言』によれば、三姉妹はユグドラシルの根元の海から現れたという[5]

一般的にスクルドは未来を司ると解釈される。

スクルドという名はワルキューレの一柱にもみられる。『巫女の予言』では、ヘリアン(「軍勢の父」の意)すなわちオーディンの娘であるワルキューレ達が、楯を持ったスクルドを先頭にして天を飛んでいく様子が描写される[6]。また、『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』第36章では、運命の女神で一番年下のスクルドが、ワルキューレのグズ(en)、ロタと共に戦場に現れては戦いの決着に関与し、戦死者を選び取っているとされている[2]。ただし、ノルンとしてのスクルドとワルキューレとしてのスクルドが同一神格であるかについては議論が分かれている[要出典]エラー: タグの貼り付け年月を「date=yyyy年m月」形式で記入してください。間違えて「date=」を「data=」等と記入していないかも確認してください。シーグルズル・ノルダルは、ワルキューレとしてのスクルドがより古くから知られていたと考えている[7]

脚注

  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』19頁で確認した綴り。
  2. ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』253頁。
  3. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』19頁。
  4. ^ Orchard (1997:151).
  5. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』11頁。
  6. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』12、21頁。
  7. ^ 『エッダ詩校訂本』167頁。

関連項目

参考文献

備考