「空対艦ミサイル」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
TUZ (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
2行目: 2行目:
'''空対艦ミサイル''' (くうたいかんみさいる) とは、航空機から発射され艦船を目標とする[[対艦ミサイル]]のこと。英語でAir-to-Ship Missile略して'''ASM'''という。
'''空対艦ミサイル''' (くうたいかんみさいる) とは、航空機から発射され艦船を目標とする[[対艦ミサイル]]のこと。英語でAir-to-Ship Missile略して'''ASM'''という。


[[西側諸国]]の空対艦ミサイルは、低空を飛行する事により敵艦からの探知を避けること要であるとしているため、高速性は必ずしも重視されない。敵[[艦対空ミサイル]]の射程外から攻撃可能であることが望まれるため、近年ではエンジンに航続性能の高い[[ジェットエンジン]]が使われることも多い。[[ロシア]]の空対艦ミサイルには、迎撃側リアクションタイム削減目的として、高速性を重視したタイプもある。
[[西側諸国]]の空対艦ミサイルは、低空を飛行する事により敵艦からの探知を避けることしており、高速性は必ずしも重視されていない。敵[[艦対空ミサイル]]の射程外から攻撃可能であることが望まれるため、近年ではエンジンに航続性能の高い[[ジェットエンジン]]が使われることも多い。[[ロシア]]の空対艦ミサイルには、敵に対応時間与えないよう、高速性を重視したタイプもある。


対艦ミサイルという意味では同一であるため、艦対艦ミサイルを空対艦ミサイルに転用する、あるいはその逆のケースも見られる。一般的に航空機に搭載できるミサイルは、水上艦への搭載も問題無く行える(これは[[空対空ミサイル]]と[[艦対空ミサイル]]にも言える事であり、空対空ミサイルを短射程の艦対空ミサイルに転用する例は多い)。最近では、[[ヘルファイア (ミサイル)|ヘルファイア]]など、[[対戦車ミサイル]]を対艦ミサイルに転用する例もみられる。
対艦ミサイルという意味では同一であるため、艦対艦ミサイルを空対艦ミサイルに転用する、あるいはその逆のケースも見られる。一般的に航空機に搭載できるミサイルは、水上艦への搭載も問題無く行える(これは[[空対空ミサイル]]と[[艦対空ミサイル]]にも言える事であり、空対空ミサイルを短射程の艦対空ミサイルに転用する例は多い)。最近では、[[ヘルファイア (ミサイル)|ヘルファイア]]など、[[対戦車ミサイル]]を対艦ミサイルに転用する例もみられる。

2010年1月23日 (土) 16:15時点における版

AGM-84 ハープーンを搭載して飛行するF-16 戦闘機

空対艦ミサイル (くうたいかんみさいる) とは、航空機から発射され艦船を目標とする対艦ミサイルのこと。英語でAir-to-Ship Missile略してASMという。

西側諸国の空対艦ミサイルは、低空を飛行する事により敵艦からの探知を避けることを重視しており、高速性は必ずしも重視されていない。敵艦対空ミサイルの射程外から攻撃可能であることが望まれるため、近年ではエンジンに航続性能の高いジェットエンジンが使われることも多い。ロシアの空対艦ミサイルには、敵に対応の時間を与えないよう、高速性を重視したタイプもある。

対艦ミサイルという意味では同一であるため、艦対艦ミサイルを空対艦ミサイルに転用する、あるいはその逆のケースも見られる。一般的に航空機に搭載できるミサイルは、水上艦への搭載も問題無く行える(これは空対空ミサイル艦対空ミサイルにも言える事であり、空対空ミサイルを短射程の艦対空ミサイルに転用する例は多い)。最近では、ヘルファイアなど、対戦車ミサイルを対艦ミサイルに転用する例もみられる。

実戦における空対艦ミサイルの使用例

フォークランド紛争

1982年にイギリスアルゼンチンとの間で起きたフォークランド紛争では、アルゼンチン空軍シュペルエタンダール攻撃機が放ったエグゾセ対艦ミサイルが、イギリス海軍駆逐艦シェフィールド」に命中してこれを撃沈した。(この時弾頭は不発であったが、ロケット推進剤の残りにより火災が発生したのが沈没原因であった。)エクゾセは低空を高速で接近するため、レーダー等で発見し効果的に迎撃する事が極めて困難である。

イラン・イラク戦争

1980年に始まったイラン・イラク戦争において、イラク軍は200発とも推定されるエグゾセを使用してイラン海軍の艦艇を攻撃したが、戦果はまちまちであった。

1987年、イラク空軍のミラージュF1戦闘機は、アメリカ海軍オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲートスターク」(USS Stark, FFG-31)をイランのタンカーと誤認し、2発のミサイルを発射した。2発とも命中したが、爆発したのは1発のみであった。スタークは火災を起こし、37名が死亡するなど重大な損害を受けたが、沈没を免れ修復のために後送された。

現代の代表的な空対艦ミサイル

関連項目