無線呼出用特定小電力無線局

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無線呼出用特定小電力無線局(むせんよびだしようとくていしょうでんりょくむせんきょく)は、特定小電力無線局の一種である送信機のことである。

定義[編集]

総務省令電波法施行規則第6条第4項第2号(5)に、

無線呼出用で使用するものであつて、410MHzを超え430MHz以下の周波数電波を使用するもの

と定義[1]している。

促音の表記は原文ママ

概要[編集]

特定小電力無線局として共通の特徴は、特定小電力無線局#概要を参照。

電波産業会(略称ARIB)(旧称、電波システム開発センター(略称RCR))が、無線設備規則第49条の14第1号及び関連告示の技術基準を含めて標準規格「RCR STD-19 特定小電力無線局 無線呼出用無線設備」[2]を策定している。

工場敷地内やビル内などの狭い範囲で無線呼出しを行うものである

技術的条件[編集]

電波型式 周波数 空中線電力 備考
F1B、F2B、F3E、G1B、G2B 422.7500-429.8000MHz
(12.5kHz間隔5波)
0.001W以下 単向通信方式
単信方式
同報通信方式

空中線(アンテナ)が無線機本体に装着されていなければならない。

  • アンテナを外したり、給電線を使用することはできない。
  • 絶対利得が2.14dB以下でなければならない。

混信防止機能

  • 送信時間制限
    • 下記の送信時間を超えようとするときは、送信を停止して送信休止時間が経過しなければ送信してはならない。
周波数 送信時間 送信休止時間
429.7500MHz

429.7625MHz

アナログ変調:15秒

ディジタル変調:5秒

1秒
429.7750MHz

429.7875MHz
429.8000MHz

アナログ変調:5秒

ディジタル変調:5秒

  • キャリアセンス
    • 送信周波数と同一周波数の受信信号が一定レベル以上(絶対利得が2.14dBの空中線に誘起する電圧が7μV以下)で20ミリ秒継続したら送信しないこと。

基本的な使用法として

  • 基本型は、一基地局から複数の子局を呼び出す
  • エリア拡大型は、複数の基地局を分散配置し、一台の付属装置で制御してサービスエリアを拡大する
    • 複数の基地局から同一周波数を発射することも、基地局毎に異なる周波数を発射することもできる

と想定している。

チャネル番号

電波法令には規定されていないが、RCR STD-19に次のとおり規定している。

番号 周波数
1 429.7500MHz
2 429.7625MHz
3 429.7750MHz
4 429.7875MHz
5 429.8000MHz

沿革[編集]

1986年(昭和61年)- 構内無線局が制度化[3]された際に、400MHz帯に最大空中線電力10mWの構内ページング用無線局があった。

1989年(平成元年)- 特定小電力無線局の一種として制度化された。 [4] [5]

  • 呼出名称記憶装置の搭載が義務付けられていたが、メーカー記号と製造番号を送信するもので具体的な使用者を特定できるものではなかった。

1998年(平成10年)- 呼出名称記憶装置の搭載が廃止され、混信防止機能の搭載が義務付けられた。 [6]

2000年(平成12年)- 構内ページング用構内無線局は廃止され、免許されていた局は特定小電力無線局にみなされた。 [7]

2005年(平成17年)-「平成17年11月30日」までの技術基準に基づき認証された適合表示無線設備は、「平成34年12月1日」以降は使用できないとされた。[8]

2006年(平成18年)- 電波の利用状況調査の中で、770MHz以下の免許不要局の出荷台数が公表された。 [9]

  • 以降、三年周期で公表される。

2012年(平成24年)- 電波の利用状況調査の周波数の境界が770MHzから714MHzに改められた。 [10]

出荷台数[編集]

平成14年度 平成15年度 平成16年度 出典
2,274 1,449 1,502 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[11]
平成17年度 平成18年度 平成19年度 出典
1,410 690 1,127 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[12]
平成20年度 平成21年度 平成22年度 出典
91,915 201,346 191,683 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[13]
平成23年度 平成24年度 平成25年度 出典
0 60 2 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[14]
平成26年度 平成27年度 平成28年度 出典
594 4,593 2,373 第2章 電波利用システムごとの調査結果(免許不要局)[15]

旧技術基準による機器の使用期限[編集]

無線設備規則のスプリアス発射等の強度の許容値に関する技術基準の改正 [8] により、「平成17年11月30日」までの技術基準に基づき認証された適合表示無線設備の表示は「平成34年12月1日」以降は表示されていないものとみなされる。 [16]

すなわち、旧技術基準で認証された機器は、技適マークがあっても2022年12月1日以降は使用できない

脚注[編集]

  1. ^ 平成24年総務省令第99号による電波法施行規則改正
  2. ^ 標準規格概要(STD-19) ARIB - 標準規格等一覧
  3. ^ 昭和61年郵政省令第24号による電波法施行規則改正
  4. ^ 平成元年郵政省令第3号による電波法施行規則改正
  5. ^ 平成元年郵政省告示第42号制定
  6. ^ 平成10年郵政省令第86号による電波法施行規則改正
  7. ^ 平成12年郵政省告示第311号による昭和61年郵政省告示第378号改正
  8. ^ a b 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正
  9. ^ 「平成17年度電波の利用状況調査の調査結果(暫定版)」の公表及び「平成17年度電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)」に対する意見の募集(総務省 報道資料 平成18年6月8日)(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  10. ^ 平成24年総務省令第100号による電波の利用状況の調査等に関する省令改正
  11. ^ 平成17年度電波の利用状況調査の調査結果(暫定版)平成18年6月 p.1811(平成17年度電波の利用状況調査の調査結果(暫定版)及び評価結果の概要(案)」の公表及び「平成17年度電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)」に対する意見の募集(総務省 報道資料 平成18年6月8日))(2007年8月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project (PDF)
  12. ^ 平成20年度電波の利用状況調査の調査結果(770MHz以下の周波数帯)平成21年5月 p.1101(「平成20年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成20年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集(総務省 報道資料 平成21年5月14日))(2009年7月22日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project (PDF)
  13. ^ 平成23年度電波の利用状況調査の調査結果(770MHz以下の周波数帯)平成24年5月 p.969(「平成23年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成23年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集(総務省 報道資料 平成24年5月18日))(2012年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project (PDF)
  14. ^ 平成26年度電波の利用状況調査の調査結果(714MHz以下の周波数帯)平成27年4月 p.1059(「平成26年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成26年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集(総務省 報道資料 平成27年4月9日))(2015年5月2日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project (PDF)
  15. ^ 平成29年度電波の利用状況調査の調査結果(714MHz以下の周波数帯)平成30年5月 p.1203(「平成29年度電波の利用状況調査の調査結果」の公表及び「平成29年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見募集(総務省 報道資料 平成30年5月25日))(2018年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project (PDF)
  16. ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第5条第1項

関連項目[編集]

外部リンク[編集]