桶谷繁雄

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糠漬けの仕込み中(1954年)

桶谷 繁雄(おけたに しげお、1910年11月10日 - 1983年2月12日)は、日本の金属学者、評論家。東京工業大学教授を務め名誉教授。

来歴[編集]

桶谷清吉の長男として東京浅草に生まれ、花柳界の中心地で育った[1][2]暁星中学校吉田健一と同級生。東京高校理科乙類で級長。このとき、同学年の理科甲類の級長が糸川英夫だったが、糸川の首席は「余力のあるトップ」で桶谷より遥かに優秀だったという(草柳大蔵『実力者の条件』p.172)。東京帝国大学工学部冶金学科卒業後、フランス政府招聘留学生として1935年にブザンソン大学物理研究所留学、2年の滞在後、東大工学部副手を経て、1942年に東京工業大学助教授となる[1][3]。1949年にパリのフランス国立中央科学研究所研究員として再度留学[4]工学博士、東京工業大学教授を務め、名誉教授、京都産業大学教授。専攻は金属結晶学だが、1947年春日迪彦の筆名で、小説「フライブルグの宿」により夏目漱石賞佳作。パストゥールの評伝のほか、社会評論なども多く雑誌に寄稿した。

著書[編集]

  • 金属材料簡易鑑別法 大雅堂 1946
  • 愛の科学者 日本科学社 1947
  • ルイ・パストゥールの生涯 愛の科学者 日本科学社 1948
  • 新しいパリ新しいフランス 文藝春秋新社 1952
  • シャイロックのごとく 読売新聞社・新書 1953
  • キュリー夫人 講談社 1954
  • フライブルグの宿 科学と文学 朝日新聞社・朝日文化手帖 1954
  • 現代文明を担う人々 新潮社・一時間文庫 1955
  • 欧州スクーター旅行 毎日新聞社 1958
  • 逃亡将校 角川書店 1960
  • ソ連 自動車旅行 文藝春秋社 1961
  • 金属と人間の歴史-日本人がつくりだしたもの、草薙剣・奈良大仏・日本刀・種子島 講談社ブルーバックス 1965
    • 「金属と日本人の歴史」講談社学術文庫 2006
  • 現代に抗議する 日本教文社 1969
  • 電子線回折による金属炭化物の研究 アグネ 1971
  • 大新聞の虚像・実像 日本教文社 1974
  • 性悪説のすすめ 私の教育論 日本経済通信社 1977 (NKTブックス)
  • 二十一世紀に向かって 随筆集 国鉄厚生事業協会 1978
  • 逆転!!人間の否定へ 安全・公害問題にみる無理解とエゴイズム 千代田書房 1979
  • 「フライブルグの宿」『夏目漱石賞第一回受賞作品』1948

翻訳[編集]

  • ルヰ・パストゥール ヴァレリー・ラド 冨山房 1941 「パスツール伝」と改題
  • ル・マン自動車レース J・A・グレゴワール 集英社 1963
  • キュリー夫人 ドーリー 講談社 1972 (少年少女講談社文庫) のち火の鳥伝記文庫
  • シムノンメグレ警視 ジル・アンリ 河出書房新社 1980

テレビ出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 桶谷繁雄『人事興信録』第15版 上
  2. ^ 『世は〆切』山本夏彦、文藝春秋, 1999/04/10,p271
  3. ^ 岡田大士, 「東京工業大学における戦後大学改革に関する歴史的研究」 東京工業大学 博士論文, 甲第6209号, 2005年, NAID 500000351703
  4. ^ 『人事興信録』第一巻、1953年

外部リンク[編集]