文法化
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文法化(ぶんぽうか)は、内容語(現代日本語文法では自立語、中国語文法では実詞)が機能語(付属語、虚詞)に変わることをいう。
概説[編集]
語義・語形・語音によって「意味の漂白」(semantic bleaching)、「脱範疇化」(decategorization)、「縮約」(contraction) の三つの要素に分類されることが多い。また文法化は一定の傾向をもつという説(一方向性仮説)が唱えられている。
例[編集]
英語の例[編集]
- There:「そこに」という意味を失って存在文の文頭マーカーとなった。虚辞の一例。
- be going to ~:「行く」という意味を失い、未来の出来事を表す機能的な要素となった。口語では"gonna ~"と縮約される。
日本語の例[編集]
- 助動詞:「なり」 < 助詞 + 動詞「に・あり」、「ぬ」 < 動詞「
去 ぬ」、「つ」 < 動詞「捨 つ」、「た」 < 助動詞「たり」 < 助詞 + 動詞「て・あり」、「ます」 < 動詞+助動詞「参ら・す」、 - 接尾辞: 「〜みたいだ」 < 動詞の過去形 + 助動詞「見た・ようだ」、「〜ちゃう」 < 補助動詞「〜てしまう」など多数ある。
- 助詞:「くらい/ぐらい」、「ほど」、「だけ」、「ばかり」(名詞から)、「を・もって」、「に・おいて」(助詞 + 動詞から)
- 接頭辞:「
御 」 < 「おん」 < 「大御 」 - 終助詞:「かしら」<助詞+動詞+助動詞「か・知ら・ん」