小軽米城

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小軽米城(こがるまいじょう)は、陸奥国糠部郡古軽米村(岩手県九戸郡軽米町小軽米村[1])に所在した日本の城

小軽米地区の中心を通る小軽米から久慈[2]方面に通じる国道395号線[3]を久慈方向に見て、向かって左手の東の山(旧・小軽米中学校の背後の山)の標高233mの地点に位置する。 全周に濠・空堀をめぐらす単郭の山城、東西120m、南北150mの規模。短冊状の平場が階段状にある。 さらに、その奥は小山になっていて、頂点には小さい社が在る。祀られているのは「八幡宮」。

歴史[編集]

築城時期は不明。

陸奥国糠部郡古軽米村に所在し、城主は九戸氏の庶流小軽米氏で、天正19年(1591年九戸政実の乱では、雪谷川や瀬月内川流域の諸士の多くは九戸氏方に加わったが、小軽米氏は南部信直方となり、九戸方の本拠を背後から牽制するうえで、小軽米氏と当城は重要な役割を担うこととなった。 しかし、当地は広大な九戸領の一所領に過ぎず、小軽米氏単騎での行動は実質不可能と思われる。加えて「九戸の乱」の戦時の折は「九戸方の諸将に囲まれて身動き出来ないままに終わる・・・」とも言われている。

小軽米氏が小軽米村一円を与えられたのは、九戸政実の乱後で、小軽米氏は「九戸の乱」以前より、九戸政実の家臣団「九戸党」の一員として語られており。同氏の故地であったことによると言われている(「参考諸家系図」)。

しかし九戸の乱後の天正20年(1592年)の「諸城破却書上」には「古軽米 山城 破 小軽米左衛門佐 持分」とあり。

小軽米城は、秀吉の一領主一城の方針もあり破却された。

それから程無くして陸奥国の野辺地城城代となり。小軽米左衛門佐久俊の息子の小軽米左衛門直連の名が最後に残っている。

詳細不明な舘址[編集]

当地には、これより古いと思われる城・館址が在る「古軽米城(別名「古舘・クズ舘」とも)」。

雪屋川沿いの川上に向って右岸の小軽米から九戸・円子方面に通じる坂道を上り。

その道が大きく右左にくねった坂道(現在は国道395号線小軽米バイパスが貫通してしまっている)を過ぎ、左に少し入ったところの平地(現・農地)に在ったとされる。

なお、この舘址の場所に関しては、地元では二説在り、国道395号線小軽米バイパスを挟み、東西に分かれて二ヵ所在る。

一つは国道395号線バイパス南西側平地(現・農地)にあったとされる。

道路側からは、一見平地のように見えるが、その向うの東南側は雪屋川を眼下に見下せるほどの断崖である。

もう一つは国道395号線小軽米バイパスの北東側の丘地(現・農地)にあったとされる。

こちらの舘址と思われる場所には、小さな御社が在った。

また「南部諸城の研究」の著者の沼館愛三は、この舘址を発見出来ず。

月山神社付近の小山に在ると誤認したようである。

現状・疑問点[編集]

しかしながら近年、何故か「九戸の乱」以来の城址とされていた場所「舘公園」から位置変えされている。

現・城址とされている農地から昭和年代末期頃に、油紙に包まれた日本刀が見つかり。

その際、その農地の所有者(他地区からの養子)が「小軽米城址ではないか?」と言い出したのが発端。

そのため当初は公園として整備されていた本城址は、今は草木の伸び放題の荒地となっている。

また、古来からの城址を「物見櫓ではないか?」との御話も在りますが、仮にその説とするならば。

新たに城址とされる農地から、古来城址とされる場所までの道が現在の整備された道ではなく、かなり細い獣道程度の山道しかなく。

そのため本城と曲輪の関係とするなら、冬季などの往来は、かなり困難と思われる。

なお刀の出土した農地の上を通る道沿いにも小さな社が在りましたが、かなり昔に近辺の住民の中に夢枕に「社を立てて祀るように・・・」との神の御告げが在り。その住民から社を作りたいと、当時の山の地主に願い出て作ったとされている。

そう言った点から、小軽米城隣接の「八幡宮」の社の位置と混同されている方も居るようである。

ちなみに、これは独自研究ではなく、現筆者の生家が小軽米城址に隣接する山の地主だからであり。

そのため、筆者が実際に見聞きした内容で在る。

脚注[編集]

  1. ^ 小軽米村
  2. ^ 久慈市
  3. ^ 国道395号”. route01.com. 2019年9月10日閲覧。


参考文献[編集]

  • 『岩手県史 第2巻 中世篇 上』岩手県、1961年3月25日。
  • 『岩手県史 第3巻 中世篇 下』岩手県、1961年10月20日。
  • 沼館愛三「南部諸城の研究」八戸、伊吉書院、1981年3月。
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 3 岩手県』角川書店、1985年。ISBN 4040010302
  • 児玉幸多坪井清足『日本城郭大系 第2巻 青森・岩手・秋田』新人物往来社、1980年7月15日。

関連項目[編集]