太宰府主婦暴行死事件

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太宰府主婦暴行死事件
日付 2019年10月20日
攻撃手段 暴行脅迫マインドコントロール
死亡者 1名
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太宰府主婦暴行死事件(だざいふしゅふぼうこうしじけん)は2019年に起きた傷害致死事件。この事件で主犯の女によるマインドコントロール・脅迫・壮絶な暴行や、佐賀県警鳥栖警察署の被害届不受理による捜査の怠慢・警察不祥事が社会的に問題視された。

概要[編集]

2019年10月20日早朝、福岡県太宰府市インターネットカフェ駐車場の乗用車内で市内の主婦A(当時36歳)の遺体が発見された。全身にあざや刺し傷があり、死因外傷性ショックだった[1]。容疑者として主犯である無職の女B(当時41歳)、男C(当時25歳)、元暴力団組員D(当時47歳)が逮捕された。2021年3月、Bに懲役22年、Cに懲役15年6ヶ月の判決が下ったが、法廷ではお互いに罪をなすりつけ合い、控訴している[2][3]

元々主犯のBは被害者Aの兄Eの中学時代の上級生であり、Eから金銭を巻き上げていた[4]。Eの妹である被害者Aが2008年頃にBと知り合い、兄の代わりに借金を立て替えるようになっていった[5]

主犯のBは被害者Aにマインドコントロールを行い、被害者Aから長年に渡り金銭を恐喝し、被害者Aを夫・子供2人・家族・親族から引き離して自分達と同居させ、「手の甲に尖った割り箸を突き刺す」「膝の皿を砕く」などを含めた壮絶な暴行を行なっていた[6][7]。また、被害者Aをホストクラブ漬けにさせ、Bが立て替えることで被害者Aの借金を増やしていった[6][7]。BとCは被害者Aを同居生活で支配下に置き、毎日食パン1袋とカップ焼きそば大盛りを無理矢理食べさせて急激に太らせていき、風呂に入らせず、被害者Aは悪臭を放っていたという[6][7]。また、Bは被害者Aに金銭を催促し、親戚7件に電話を掛けさせて金銭を集めさせた[6][7]

主犯Bの経歴[編集]

Bの知人によると、父親は暴力団関係者だったという[8]。中学時代は「ヤクザ」という言葉を頻繁に用いていた[8]。同時の同級生の証言によると、Bには友人がおらず、「変な人」「強がる。ウソばっかりつく」「ヤンキーであると自分を強く見せたがる」「校舎の裏でタバコやシンナーを吸う」という傾向が見られたという[9]。卒業後は結婚して一児を出産したが、生後二ヶ月ですぐに育児放棄して家を出てしまい、その後はBの母親が子供を育てていた[10]。Bは中洲などで水商売歓楽街において有名になっており、20代の頃から貸金業を行なっていた[11]。また、Bは複数の人物の弱みに漬け込み、金銭の恐喝を行っていた[6][7]。手口としては「おごるから大丈夫」と連れ出しながら、後日に「飲み代が未払いだ」として架空の借金を背負わせ、トラック運転手の加害者Dに暴力団員を演じさせ、相手を追い込んでいくやり方だったという[8]。また、戸籍を動かし、違法な手口で金を作っていた[8]

Bたちは事件の3年前にも類似した不審な行動が見られており、CはFという女性と過去に婚姻関係にあり、Fは被害者A同様に、Dと同居生活を送った後、FはA殺害事件の3年前に車の後部座席で急性心不全により死亡したという[8]

佐賀県警 鳥栖署の「A巡査」による怠慢・被害届の拒否[編集]

被害者 主婦Aが殺害される前、Aの夫は11回も佐賀県警鳥栖警察署に相談をしに行ったが、受付をした巡査は対応を怠り、被害届を受理しなかった[6][7]。Aの夫は3時間にも及ぶBたちの音声が含まれた録音データを掲示したが、巡査は「今から3時間聞くというのはあれなので、自分は5分くらいしか聞いていないですけど、どうしようもない状況じゃない」などと返してまともに取り合わず、捜査や被害届を拒否しており、事件後の報道による取材でもまともに対応しなかったという[6][7]

後に佐賀県警はこの事実を認めている[12][13]

脚注[編集]

  1. ^ 太宰府暴行死事件 相談の再調査視野に対応を|論説|佐賀新聞LiVE” (日本語). 佐賀新聞LiVE. 2021年5月29日閲覧。
  2. ^ 太宰府市主婦暴行死事件・裁判 「罪が明らかになったら、ざまあみろ」「暴行を何度も止めた」罪をなすりつけ合う両被告”. FNNプライムオンライン. 2021年6月2日閲覧。
  3. ^ 太宰府市主婦暴行死事件・裁判 「ひざの皿砕いた」「まさに生き地獄」生々しいLINEも…罪をなすりつけ合う両被告”. FNNプライムオンライン. 2021年6月2日閲覧。
  4. ^ 「文春オンライン」特集班. “「青あざを通りこして血が滲み、汁が出る」“太宰府女帝”傷害致死 “普通の主婦”への暴行と恐喝の全容とは?”. 文春オンライン. 2021年6月2日閲覧。
  5. ^ 「文春オンライン」特集班. “「青あざを通りこして血が滲み、汁が出る」“太宰府女帝”傷害致死 “普通の主婦”への暴行と恐喝の全容とは?”. 文春オンライン. 2021年6月2日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 太宰府市主婦暴行死事件(1) 被告に取り込まれ…一家をのみ込んだ脅迫・洗脳 警察も予想外の対応”. FNNプライムオンライン. 2021年6月2日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g 「文春オンライン」特集班. “《左ひざの皿くだいた》”普通の主婦”が苛烈な暴行で絶命した「太宰府女帝事件」最後の5日間”. 文春オンライン. 2021年6月2日閲覧。
  8. ^ a b c d e 【独自取材】「すくえた命」太宰府市主婦暴行死事件(3)主犯格・山本美幸被告の人物像|ニュース・天気|TNC テレビ西日本” (日本語). TNC テレビ西日本. 2021年6月2日閲覧。
  9. ^ 【独自取材】「すくえた命」太宰府市主婦暴行死事件(3)主犯格・山本美幸被告の人物像|ニュース・天気|TNC テレビ西日本” (日本語). TNC テレビ西日本. 2021年6月2日閲覧。
  10. ^ 「文春オンライン」特集班. “《九州3児遺体》子殺しの“入れ墨父”は「太宰府主婦ホスト漬け殺害」の“女帝”と結婚していた〈息子はLINEで「生き地獄」〉”. 文春オンライン. 2021年6月2日閲覧。
  11. ^ 太宰府市主婦暴行死事件(3) 「人の皮を被った化け物」山本美幸被告 その驚愕の手口と‟本性””. FNNプライムオンライン. 2021年6月2日閲覧。
  12. ^ 「対応に不備」発言認める 佐賀県警幹部、調査と矛盾 太宰府女性暴行死” (日本語). 西日本新聞me. 2021年6月2日閲覧。
  13. ^ 太宰府 主婦暴行死事件 佐賀県警が相談時の録音データ確認し改めて説明【佐賀県】|佐賀のニュース・天気|サガテレビ” (日本語). サガテレビ. 2021年6月2日閲覧。