天城トンネル
天城トンネル(あまぎトンネル)は、天城峠の下で、静岡県伊豆市と、同県賀茂郡河津町を結ぶトンネル。天城山隧道(あまぎさんずいどう)、新天城トンネル(しんあまぎトンネル)の2つがあり、本項では両トンネルについて記す。
天城山隧道(旧天城トンネル)[編集]
![]() 伊豆市側坑口(2019年12月) | |
概要 | |
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位置 | 静岡県 |
座標 | 北緯34度49分51秒 東経138度56分5.2秒 / 北緯34.83083度 東経138.934778度 |
現況 | 供用中、重要文化財 |
所属路線名 | 国道414号 |
起点 | 静岡県賀茂郡河津町梨本 |
終点 | 静岡県伊豆市湯ヶ島字桐山 |
運用 | |
建設開始 | 1900年(明治33年) |
開通 | 1905年(明治38年) |
所有 | 静岡県 |
通行対象 | 自動車等 |
通行料金 | 無料 |
技術情報 | |
全長 | 445.5m |
高さ | 4.2m(有効高:3.5m)[1] |
幅 | 4.1m(車道:3.5m) |
天城山隧道(あまぎさんずいどう)は、天城峠の下で、静岡県伊豆市と、同県賀茂郡河津町を結ぶ国道414号のトンネル。川端康成の小説『伊豆の踊子』や、松本清張の小説『天城越え』で有名なこのトンネルは、1905年(明治38年)に完成した[2]。全長445.5メートル[3]。アーチや側面などすべて切り石で建造された日本初の石造道路トンネルであり[2]、日本に現存する最長の石造道路トンネルでもある。総工費10万3,016円[1]。
1916年(大正5年)には、バス運行が開始されて人・物の交流が盛んになった[4]。
天城山隧道は1998年(平成10年)9月2日に国の登録有形文化財に「旧天城隧道」として登録された[5]。2001年(平成13年)6月15日には「天城山隧道」の名称で道路トンネルとしては初めて国の重要文化財(建造物)に指定された[3][2]。なお、当該指定にともない登録有形文化財としての登録は抹消されている[6]。この時期に観光スポットとしての整備として従来舗装されていたアプローチ部分の舗装が剥がされた。また、日本の道100選にも選ばれている。1970年(昭和45年)天城山隧道の西側に開通した新天城トンネルの完成によって[2]、現在は森の中に静かなたたずまいを見せている。現本線の新天城トンネルと区別するため、「旧天城トンネル」とも呼ばれる。
修善寺側入り口付近には駐車場や公衆トイレが設備されている。トンネル内の照明は通常のパネル型ではなく、ガス灯を模したデザインのナトリウムランプである。また、幅員は3.50メートルと非常に狭く、たとえ側溝まで含めても幅は4.10メートル[3]しかなく、一般車両のすれ違いはまず不可能といえる。
河津町側坑口の扁額「天城山隧道」
新天城トンネル[編集]
概要 | |
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位置 | 静岡県 |
現況 | 供用中 |
所属路線名 | 国道414号 |
運用 | |
所有 | 静岡県 |
通行対象 | 自動車等 |
通行料金 | 無料 |
技術情報 | |
全長 | 800.0m |
新天城トンネル(しんあまぎトンネル)は、天城山隧道の西側に並行して造られた国道414号のトンネル。1970年に竣工[2]、延長800 m。当初は天城トンネル有料道路として有料であったが[7]、2000年3月18日より無料開放となった。
脚注[編集]
- ^ a b 天城山隧道伊豆市側坑口付近、沼津土木事務所「天城山隧道」説明看板
- ^ a b c d e ロム・インターナショナル(編) 2005, p. 120.
- ^ a b c 2001年(平成13年)6月15日文部科学省告示第103号「文化財を重要文化財に指定する件」
- ^ 名作『伊豆の踊子』の舞台となった日本初の道路隧道「天城山隧道」 (PDF) - 国土交通省「環境社会資本事例集」
- ^ 1998年(平成10年)9月25日文部省告示第138号「文化財を登録有形文化財に登録する件」
- ^ 2001年(平成13年)7月18日文部科学省告示第131号「登録有形文化財の登録を抹消した件」
- ^ 昭和45年静岡県条例綴「静岡県天城トンネル有料道路通行料金徴収条例」 - 静岡県「歴史的公文書検索」
参考文献[編集]
- ロム・インターナショナル(編) 『道路地図 びっくり!博学知識』河出書房新社〈KAWADE夢文庫〉、2005年2月1日。ISBN 4-309-49566-4。