コンテンツにスキップ

夜想曲第1番 (ショパン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

夜想曲第1番 変ロ短調 作品9-1 は、フレデリック・ショパン1831年に作曲し、翌1832年に出版したピアノのための夜想曲ベルリオーズの元婚約者でピアノ製作会社プレイエルの社長カミーユ・プレイエルの妻マリーに献呈された。

概要

[編集]

作品9の3つの夜想曲のうち、第2作の作品9-2は有名な作であり、その陰に隠れがちであるが、作品9-1も規模内容ともに遜色ない。優雅な曲想で愛好家にも好評であり、作者の出世作となった。

構成

[編集]
冒頭部分

変ロ短調ラルゲット、4分の6拍子、拡大された中間部を持つ複合三部形式[1]

右手に主題が現れ、左手は音域の広い作者特有の伴奏音形。情緒豊かで起伏に富んだ旋律が右手で歌われるが、ここで、ショパンは強弱やニュアンスの指示を事細かに指示されており、例えば3〜4小節目の装飾的にして流麗な11連符や22連符のパッセージにはスタッカートの有無が細かく書き分けられている[1]

中間部分(第19~22小節)

19小節目からの中間部は変ニ長調の夢想的な部分。左手伴奏は主題部と変わらない音形が続く上に、右手はオクターブで半音階進行でメロディを歌うが、美しく歌わせるには高度なコントロール能力が必要である[1]。オクターブで進行するメロディは時に、遠隔調のニ長調(24小節)に転調したたかと思うと直ちに元の変ニ長調に戻る(25小節後半)のが耳を引く。このような転調は理論的なものというより、当時の即興実践の反映と見られ、鍵盤の上を這うような手の動きがショパンに独自の和声語法を生み出している[1]

67小節からは伴奏の分散和音の繰り返しの中で主調である変ロ短調と最初の主題が回帰する[1]。曲の末尾では、強烈な不協和音からの下降音型を経てピカルディの三度による変ロ長調の和音で終止する[1]

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]