名誉理事

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名誉理事(めいよりじ)とは、学会或いは学校法人連盟において定められる栄誉職或いは称号名誉称号名誉役員の職名の一種。類似称号に名誉理事長、名誉副理事長、名誉監事、名誉董事など(名誉監事、名誉董事については本項で解説)。

名誉理事[編集]

国際スポーツ連盟における名誉理事[編集]

国際的なスポーツ連盟では世界水泳連盟(旧:国際水泳連盟)が名誉理事の職を置いており、1960年には同連盟副会長の安部輝太郎が名誉理事に選出されている[1]

学校法人における名誉理事[編集]

学校法人では主に成蹊大学を運営する成蹊学園[2]。学校法人国際基督教大学がいわゆる名誉役員の職として名誉理事を定め、大学教員弁護士企業顧問等を任じている[3]

社団・財団における名誉理事[編集]

社団財団等では、一例として公益財団法人応用酵素協会などが外部の大学教授や名誉教授らを顧問等とともに名誉理事として迎えており、業務に関連ある分野の有識者をいわゆる名誉役員として任ずる例が見られる[4]

演劇界における名誉理事[編集]

演劇界では、主に宝塚歌劇団で名誉理事を定めており、かつて、「ノバ・ボサノバ」、「風とともに去りぬ」など270を超える作品の作曲・編曲・指揮を担当した入江薫らが就任したことでも知られる[5]。また、日本舞踊界では花柳流花柳泰輔が流派名誉理事を担っており、それぞれ演劇・舞踊の世界で顕著な貢献を残した人物が 就く職責となっている[6]

企業における名誉理事[編集]

企業では、伊藤忠商事株式会社が名誉理事の職を定めており、第2代代表取締役社長で元中華人民共和国駐箚特命全権大使丹羽宇一郎などが名誉理事に就任している[7]

名誉理事設置機関[編集]

名誉理事の称号は主に以下の法人において定められている。

学会[編集]

学校法人[編集]

社団法人[編集]

財団法人[編集]

その他[編集]

名誉監事[編集]

学校法人における名誉監事[編集]

なお、学校法人日本基督教大学では名誉理事長、名誉理事とともに名誉監事の職名を定めている(名誉幹事とは異なり、会計監査に関する職名である)[3]

名誉董事[編集]

中国圏における官公署・企業における名誉董事[編集]

中国台湾では董事の職を退いた人物等が名誉董事に任ぜられることがある。董事とは概ね取締役、理事等に比等される[8]

脚注[編集]

  1. ^ 「安部氏は名誉理事に 国際水連で選出さる」『毎日新聞』1960年9月5日東京夕刊5頁参照。
  2. ^ 成蹊学園ウェブサイト「理事・監事・評議員・名誉理事一覧 (2016年7月11日現在)」参照。
  3. ^ a b 国際基督教大学ウェブサイト「理事会名簿」参照。
  4. ^ 応用酵素協会ウェブサイト「顧問・名誉理事」参照。
  5. ^ 「入江薫氏(宝塚歌劇団名誉理事)死去」『読売新聞』2015年11月18日東京朝刊38頁参照。
  6. ^ 「訃報:花柳泰輔さん 89歳=日本舞踊家、花柳流名誉理事」『毎日新聞』2015年12月13日東京朝刊31頁参照。
  7. ^ 「動き出す流通 第三極(2)カネの使い方譲れぬ(迫真)」『日本経済新聞2015年12月9日朝刊2頁参照。
  8. ^ 中国の企業・団体の役員で名誉董事について紹介する文献としては例えば、日本上海史研究会『上海 重層するネットワーク』(汲古書院2000年)219、212頁などで紹介されている。

参照文献[編集]

文献資料[編集]

  • 日本上海史研究会『上海 重層するネットワーク』(汲古書院、2000年)ISBN 4762926566

報道資料[編集]

  • 『日本経済新聞』2015年12月9日朝刊
  • 『毎日新聞』1960年9月5日東京夕刊
  • 『毎日新聞』2015年12月13日東京朝刊
  • 『読売新聞』2015年11月18日東京朝刊

インターネット資料[編集]

関連項目[編集]