半藤英明
半藤 英明(はんどう ひであき、1960年2月18日[1]- )は、日本の日本語学者。専門は日本語学、特に助詞の研究。係り結びに関する研究・著作が多い。熊本県立大学文学部教授・元学長。博士(文学)。
来歴[編集]
東京都生まれ[2]。地温短歌会所属(2010年1月「地温」終刊)。熊本県歌人協会所属。新南風代表。熊本日日新聞社で長く中学生新聞コンクールなどの審査員をつとめる。NIEネットワーク熊本代表[3]。熊本県民文芸賞審査委員。
言語学者だが、熊本の文学者や文化について積極的な発信をしている。2008年、徳冨蘆花生誕140年記念シンポジウムのコーディネーターを契機に徳冨蘆花研究に携わり[4]、熊本県水俣市や菊池市などで講演した。東洋英和女学院に蘆花筆の妻愛子入学願書が残されていることを明らかにした[5]。夏目漱石にも詳しく[6]、草枕、二百十日、三四郎を、くまもと三部作と呼ぶことを主張した[7]。夏目漱石と徳富蘇峰、蘆花兄弟の関係について「少しいびつな三角形(トライアングル)」と述べている[8]。2019年発足のNPO法人くまもと漱石文化振興会(小野友道理事長)で副理事長に就いた(顧問は姜尚中)。
2015年1月、熊本の伝統ある短歌結社「南風」を引き継ぎ『新南風』を創刊する[9]。石牟礼道子は、かつて「南風」で歌を学んでいたことを自伝『葭の渚』に書いている。
2023年10月、熊本県歌人協会会長に就任[10]。
略歴[編集]
成蹊大学文学部卒業、1985年同大学院文学研究科修士課程修了、2004年「係助詞と係結びの研究」で博士(文学)。1986年帝京大学中学校・高等学校教諭[2]、1992年穎明館中学校・高等学校教諭[2]、1996年静岡英和女学院短期大学国文学科専任講師[2]、1997年助教授[2]、2001年熊本県立大学文学部助教授を経て[2]、2004年同教授[2]。2007年同大学大学院文学研究科長[2]。2010年同大学副学長[2]。2016年第13代学長[2]。公立大学協会理事、大学コンソーシアム熊本代表理事、全国大学コンソーシアム協議会幹事、大学基準協会理事、文部科学省 大学設置・学校法人審議会 大学設置分科会特別委員などを歴任。
著書[編集]
- 『西行物語 本文と総索引』青木伶子・堀内裕明共編 笠間書院、1996年
- 『係助詞と係結びの本質』新典社、2003年
- 『係結びと係助詞 「こそ」構文の歴史と用法』 大学教育出版、2003年
- 『日本語助詞の文法』新典社、2006年
- 『日本語基幹構文の研究』新典社、2018年
- 『徳冨蘆花 天性に順ひ、眼光に依頼せよ』ミネルヴァ書房〈ミネルヴァ日本評伝選〉、2022年
脚注[編集]
- ^ 熊本県立大学
- ^ a b c d e f g h i j “経済ニュース 学長に半藤英明学術情報メディアセンター長・・・熊本県立大学”. くまもと経済. 2022年2月8日閲覧。
- ^ “新代表として半藤県立大教授”. 熊本日日新聞朝刊. (2014年6月22日)
- ^ 至宝の徳冨蘆花. 熊本日日新聞社. (2009)
- ^ “蘆花直筆の女学校願書”. 熊本日日新聞朝刊. (2009年12月19日)
- ^ “夏目漱石の予言”. 株式会社幻冬舎ルネッサンス新社 (2019年7月11日). 2020年5月10日閲覧。
- ^ “人生の一篇 くまもと三部作”. 熊本日日新聞朝刊. (2016年5月12日)
- ^ “蘇峰と、漱石と、蘆花の三角形”. 総合文化誌 KUMAMOTO 20. (2017).
- ^ “「新南風」として再出発”. 熊本日日新聞朝刊. (2015年2月7日)
- ^ “県歌人協会長に半藤英明さん”. 熊本日日新聞. (2023年10月23日)