五ケ山ダム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
五ケ山ダム
Gokayama-dam-under-testing201702-Fukuoka-jpn.jpg
所在地 左岸:
福岡県那珂川市大字五ヶ山字東小河内・佐賀県神埼郡吉野ヶ里町大字松隈字小川内、大野
右岸:
福岡県那珂川市大字五ヶ山字倉谷、大野
位置 北緯33度24分48秒 東経130度25分07秒 / 北緯33.41333度 東経130.41861度 / 33.41333; 130.41861
河川 那珂川水系那珂川
ダム諸元
ダム型式 重力式コンクリートダム
堤高 102.5[1] m
堤頂長 556.0 m
堤体積 935,000
湛水面積 130.0 ha
総貯水容量 40,200,000 m³
有効貯水容量 39,700,000 m³
利用目的 洪水調節・流水維持・上水道・渇水対策
事業主体 福岡県
電気事業者
発電所名
(認可出力)
施工業者 鹿島建設飛島建設松本組
着手年/竣工年 1983年/2018年
テンプレートを表示

五ケ山ダム(ごかやまダム)は福岡県那珂川市二級河川・那珂川水系那珂川に建設されたダムである。また那珂川支流の大野川(佐賀県)からも注ぐ。[1]

なお、堤体所在地は「五山」(小さい「」)であるが[2]、ダム名は大きい「五山」(大きい「」)である。[1]

概要[編集]

下流の南畑ダム、上流の脊振ダムに続いて那珂川に建設された3つ目のダムである。福岡県が維持管理する。五ケ山ダムの用途はこれらの2つのダムの用水目的とは大きく異なり、洪水対策と異常渇水対策を主目的とする。上水道用水および流水維持対策が副目的となる。また、ダム規模としては福岡市や福岡・筑後・佐賀東部の水がめとして地元で有名な江川ダムを大きく上回り、2018年10月時点で福岡県内[3]最大の総貯水容量を持つ。

建設に伴い、湖底に沈むなど影響を受ける国道385号福岡県道136号入部中原停車場線・佐賀県道136号早良中原停車場線、那珂川市道大野橋東小河内線、倉谷七曲線等の各道路については、それぞれ付替道路[4]が新たに建設された[5]。 2018年のダム竣工後、供用開始に先立って2019年2月14日からは渇水のため放流が行われた[6]。2020年4月20日に貯水位が初めてサーチャージ水位(満水)を超え、下流に放流された[7]。2020年12月22日に試験湛水を完了し、2021年1月21日に供用が開始された[8]。利水開始後は福岡地区水道企業団が1万立米/日の取水予定である。なお、異常渇水時には福岡市水道局、福岡地区水道企業団、春日那珂川水道企業団が取水予定である。なお、流域の脊振ダム南畑ダムからは福岡市水道局がそれぞれ6.5万・8.5万立米/日取水している[9]

経緯[編集]

住民移転[編集]

ダム工事や付替道路建設に伴い、福岡県筑紫郡那珂川町(現・那珂川市)大字五ヶ山字東小河内、網取、道十里、桑河内、大野(この5字を以て五ヶ山の地名の由来となっている)や佐賀県神埼郡吉野ヶ里町大字松隈字小川内、大野などに点在した集落の住民は、補償妥結の上で、下流の福岡県の那珂川町平野部や、佐賀県の佐賀平野部等に集団移転した[2][15]

その他[編集]

佐賀県側の小川内地区にあった山祇神社 (やまづみじんじゃ) 境内に佐賀県天然記念物指定の高さ39m、樹齢700年以上の「小川内の杉」があり、地元住民に「ご神木」と呼ばれていた。ダム工事に伴い水没するため、事業者が工費約7.8億円を全額負担の上で、山腹斜面にコンクリート製路盤および移動用レールを建設するなど大掛かりな工事が行われた。杉と根元、移動鉄枠含めて総重量560トンで、2016年4月に21日間をかけて元の場所から43m上方の山腹(付替道路そば)へと移植された。[16][17][18][19][20]

また、ダム工事の一部に自動振動ローラー(地ならし用)、自動ブルドーザーが使われている[21][22][23]

なお、五ケ山ダム北方の南畑ダム手前の網取地区には、縄文時代から中世までの集落跡である五ヶ山網取遺跡がある。[24]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 五ケ山ダムの諸元-福岡県庁ホームページ - ウェイバックマシン(2017年2月27日アーカイブ分)
  2. ^ a b http://catalog.lib.kyushu-u.ac.jp/handle/2324/10795/%EF%BD%90215.pdf[リンク切れ]
  3. ^ ダム左岸が福岡県にあるもの。
  4. ^ 五ヶ山バイパスと呼ばれていたようであるが、詳細は不詳(公共発注工事名には存在する)
  5. ^ 五ケ山ダム事業計画概要図”. 福岡県五ケ山ダム建設事務所. 2018年7月28日閲覧。
  6. ^ 県管理「五ケ山ダム」において試験湛水中の貯留水の放流を実施します”. 福岡県県土整備部河川管理課 (2019年2月12日). 2019年7月10日閲覧。
  7. ^ 4月20日(月)五ケ山ダムからの放水が行われました。”. NPOなかがわ自然楽会 (2020年4月25日). 2021年8月13日閲覧。
  8. ^ a b c d e 五ケ山ダム建設事業について” (日本語). 福岡市水道局. 2021年1月21日閲覧。
  9. ^ 平成28年度 福岡県の水道 - 福岡県庁ホームページ” (日本語). www.pref.fukuoka.lg.jp. 2018年10月14日閲覧。
  10. ^ a b c d e 五ケ山ダム建設事業について 福岡市2018年4月7日閲覧
  11. ^ 吉野ケ里町長ら、五ケ山ダムを視察 佐賀新聞2018年4月7日閲覧
  12. ^ “五ケ山ダム「試験湛水」を開始!” (プレスリリース), 福岡県 県土整備部 河川開発課, (2016年10月20日), http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/22925.pdf 2018年7月28日閲覧。 
  13. ^ 暦通り冷え込む「大寒」 五ケ山ダムでは雪舞う - ウェイバックマシン(2017年2月2日アーカイブ分)
  14. ^ 五ケ山ダム竣工式について 福岡県2018年4月7日閲覧
  15. ^ “五ケ山ダム 元住民ら、水没前に見学”. 佐賀新聞. (2016年11月12日). https://www.saga-s.co.jp/articles/-/3167 2018年7月28日閲覧。 
  16. ^ “県天然記念物「小川内の杉」 移植に7億8600万円”. 佐賀新聞. (2015年6月19日). https://www.saga-s.co.jp/articles/-/32307 2018年7月28日閲覧。 
  17. ^ 樹齢700年ご神木、高台へ ダム水没予定地から移動 - ウェイバックマシン(2017年3月13日アーカイブ分)
  18. ^ “五ケ山ダム予定地の神木、移設完了”. 佐賀新聞. (2016年5月2日). https://www.saga-s.co.jp/articles/-/28416 2018年7月28日閲覧。 
  19. ^ “吉野ケ里町・小川内の神木 前代未聞の移植へ準備”. 佐賀新聞. (2015年9月7日). https://www.saga-s.co.jp/articles/-/50056 2018年7月28日閲覧。 
  20. ^ 福岡県五ケ山ダム建設事務所、「五ケ山ダムだより」、第27号、p.2「「小川内の杉」の移植が完了しました! (PDF) 」、2016年6月発行
  21. ^ 長町基 (2017年1月16日). “建機が自動でダム工事、鹿島がトラック作業の自動化に成功”. Building IT. ITmedia Inc.. 2018年7月28日閲覧。
  22. ^ http://www.kensetsunews.com/?p=75779[リンク切れ]
  23. ^ 島津翔 (2016年8月2日). “建設機械を自動運転、ダムも建物も無人で造る”. 日経ビジネスオンライン. 日経BP社. 2018年7月28日閲覧。
  24. ^ 今井涼子; 岡寺未幾; 岸本圭; 佐々木隆彦; 飛野博文; 吉田東明 (2013-03-31). 福岡県営五ヶ山ダム関係文化財調査報告Ⅱ 五ケ山I 福岡県文化財調査報告書 第237集 (Report). 九州歴史資料館. http://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/82886_17532618_misc.pdf 2018年7月28日閲覧。. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]