三谷坂 (高野参詣道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

三谷坂(みたにざか)は、三谷道とも呼ばれる高野山へ参拝するため和歌山県かつらぎ町内を通過する参詣道で、2016年平成28年)に高野参詣道の一つとして、世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産に追加登録された。

概要[編集]

三谷坂は直接高野山へ至る道ではなく、和歌山市からの大和街道がかつらぎ町内を通過するところで分岐し、丹生都比売神社に至り高野山町石道へ合流するもので町石道の側道的な存在となるが、町石道が鎌倉時代に整備されたのに対し、三谷坂は平安時代には既に開かれており、朝廷からの勅使が高野山へ向かう道として用いられたことから古くは「勅使道」と呼ばれた[1]


覚法法親王の『高野山参籠日記』に「三谷坂は木陰にして深き泥なし 道ほど近し かたがた神妙の由 上下よろこびをなす」との記述があり、思いのほか歩きやすい道であったことが窺える。

道程[編集]

明治時代になり紀の川に架橋されるまで、京都方面から来た場合には紀の川の渡しを利用したことから、現在も紀の川の堤防脇に丹生酒殿神社石碑が建ち、ここが実質的な起点となる。丹生酒殿神社に参拝した後、社殿の背後に位置する宮滝で水垢離による潔斎を行い三谷坂を登り始める。

宮滝を出て鋒立て岩・経文岩の少し先までは果樹園が広がり、休憩所と水場が設けられている頬切地蔵までは林道として舗装されている。区間最高地点となる笠松峠の前後は古道が途切れており、和歌山県道109号志賀三谷線に出る。その後再び山道へ戻ると、後は下りとなり、再度県道109号に抜けると丹生都比売神社へと至る。

現在、三谷坂を登る際にはJR和歌山線妙寺駅が起点となり、紀の川に架かる三谷橋を渡り丹生酒殿神社を目指すことになる。また、下る場合には丹生都比売神社と笠田駅の間をかつらぎ町コミュニティバスが運行している(バスで丹生都比売神社へ先に行き、下ってくることも可)。

世界遺産登録範囲[編集]

前述したように三谷坂の前半は地域住民の生活道でもあるため舗装されており、笠松峠付近は県道により途絶えていることから、こうした区間は登録範囲から除外されている。但し、舗装箇所の一部は道として遺構の形状に何らかの改変が加えられつつも軽微で復元可能であり、路肩土手の流出崩壊防止措置を担っているとして登録対象となっている区間もある。

問題[編集]

三谷坂を破壊した工事

現在、三谷坂を横切るように新たな道路とトンネルが建設されており、その工事に伴い三谷坂の一部区間が開削され失われた。新道のトンネル開通後は上部を埋め戻し古道を復原する計画だが、真正性英語版は完全に損なっている。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 高野三山巡り・女人道巡り 和歌山県観光連盟

関連項目[編集]

外部リンク[編集]