モレヴリエ

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Maulévrier

行政
フランスの旗 フランス
地域圏 (Région) ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏
(département) メーヌ=エ=ロワール県
(arrondissement) ショレ郡
小郡 (canton) ショレ2小郡
INSEEコード 49192
郵便番号 49360
市長任期 ジャン・ピエール・シャヴァシュー[1]
2014年 - 2020年
自治体間連合 (fr) C.C. du Bocage
人口動態
人口 3179人
2013年
人口密度 94人/km2
住民の呼称 Maulévrais, Maulévraise
地理
座標 北緯47度00分36秒 西経0度44分38秒 / 北緯47.01度 西経0.743888888889度 / 47.01; -0.743888888889座標: 北緯47度00分36秒 西経0度44分38秒 / 北緯47.01度 西経0.743888888889度 / 47.01; -0.743888888889
標高 平均:110m
最低:87m
最高:176m
面積 33.63km2
Maulévrierの位置(フランス内)
Maulévrier
Maulévrier
公式サイト Site de Maulévrier
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モレヴリエMaulévrier)は、フランスペイ・ド・ラ・ロワール地域圏メーヌ=エ=ロワール県コミューン

地理[編集]

モレヴリエの位置

県南部にあり、歴史的、自然区分上でもモージュ地方に含まれる。ドゥー=セーヴル県と境を接している。ショレの11km南東、ヴィイエの22km南西、アンジェの53km南に位置する。

東から西に向けて、モワヌ川(セーヴル・ナンテーズ川支流)が流れる。ヴェルドン湖にあるヴェルドン・ダムは一部がコミューンに属している。同様に、モワヌ川からできたリブー湖も一部がモレヴリエに伸びている。無数の小さな河川が南へ、そして北から北西へ向けて流れている。

由来[編集]

Maulévrierとはラテン語のMalum Leporariumから生じた変異である。Malus Levrium、Malus Leporium、Malus Levrariusとも記されている。アルベール・ドーザの説に反しleporariumはLévrier(ハウンド犬)を意味しないが、Lièvre(ウサギ)のいる公園を意味する。悪しきことを意味するmalusまたはmalと、Leporarium(ウサギの飼われる飼育地はgarenne。ラテン語でleporarium)の組み合わせで、その結果『悪しきウサギの園』(mauvais parc à lièvre)か、『悪しき飼育地』mauvaise garenneとなった[2]

歴史[編集]

モワニーという標高の高い場所にあるメンヒルの存在だけが、先史時代からの人の定住の証拠となっている。Portus Namnetum(ナント)とLemonum(ポワチエ)の間を通るローマ街道が、現在のコミューンの北側を通っていた[3]

できた時期は不明であるが、教会と小修道院があった。1027年以前、モージュ地方がアンジュー伯領に統合されてから、アンジュー伯フルク・ネラは要塞を築いた[4]。モレヴリエの初代領主はエメリ1世である。12世紀初頭、モレヴリエ領主たちはシュミエ領主と対立し、1110年に和平が成立した。モレヴリエ領主、ルノーとボードゥアンは、イングランド王ジョンブルターニュ公アルテュール1世や、フランス王フィリップ尊厳王と対立すると、利益を得た。13世紀初頭、ルノー・ド・モレヴリエはルイ8世と対立していたトゥアール子爵を支援している[3]

百年戦争になると、モレヴリエ領主の子ギヨームが1356年のポワティエの戦いで戦死している。1360年、ブレティニーの和約が結ばれると、ルノー・ド・モレヴリエは、イングランドに囚われていたフランス王ジャン2世を釈放させる替わりに人質となるべく、イングランドにわたった貴族の一人だった。1386年、ルノーの娘マリーはジャック・ド・モンブロンと結婚している[3]

モレヴリエの領地と城はモンブロン家が継承した。1505年、これらの土地はクリストフ・ド・モンブロンの債権者の要求に応じて没収された。土地は1513年にグフィエ家にわたり、1542年には伯爵領に取り立てられた。シャルル・グフィエは1664年に伯爵領をエドゥアール・フランソワ・コルベール(ジャン=バティスト・コルベールの兄弟)に売却している。エドゥアールは1680年にシャトーを建設している[3]

18世紀、モレヴリエはアンジェのセネシャル管区、モントルイユ=ベレのエレクション(行政上、財政上の区画)管区、ショレのグルニエ・ア・セル(塩税を徴収し塩を貯蔵する部門)の一部だった。しかし教会は、ラ・ロシェル司教座に属していた。

フランス革命が始まると、モレヴリエ領主エドゥアール・シャルル・コルベールは国外へ亡命し、1802年頃まで帰国しなかった。司祭は革命政府への宣誓を拒否してスペインへ追放された。1790年、モレヴリエはモレヴリエ小郡の小郡庁所在地となり、1801年の再編でショレ小郡に編入された。

モレヴリエはヴァンデ戦争の中心にいた。1794年1月21日、カファン准将率いる地獄部隊がモレヴリエに到着した。23日、共和国軍はモレヴリエとイゼルネ周辺の村々を荒らし、女性と少女からなる総勢14人を射殺した[5]。1794年1月31日、コミューンとシャトーは地獄部隊によって跡形もなく破壊された。破壊を逃れたのは教会だけであった[6]

1864年、コミューンの面積の一部が、新設されたコミューン、トゥトルモンドに付け足すべく割譲された。普仏戦争ではコミューン住民の16人が犠牲になった[7]第一次世界大戦では64人が死に、第二次世界大戦では、ベルゲン・ベルゼン強制収容所へ送られた1人を含む4人が命を落とした[8]

人口統計[編集]

1962年 1968年 1975年 1982年 1990年 1999年 2008年 2013年
1579 1670 1838 2330 2610 2830 3011 3179

参照元:1962年から1999年まで人口の2倍カウントなし。1999年までEHESS/Cassini[9]、2004年以降INSEE[10][11]

ギャラリー[編集]

出身者[編集]

姉妹都市[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Réélection 2014 : "Liste des maires élus en 2014" (PDF). le site de la préfecture du département de Maine-et-Loire. 2014年4月19日閲覧.
  2. ^ (Augereau 2004, p. 106).
  3. ^ a b c d (Port 1978, p. 424).
  4. ^ (Verron 2007, p. 168).
  5. ^ Nicolas Delahaye et Pierre-Marie Gaborit, Les 12 Colonnes infernales de Turreau, p. 112.
  6. ^ Reynald Secher, La Vendée-Vengé, p. 161.
  7. ^ memorialgenweb.org - Maulévrier : monument aux morts 1870-1871.
  8. ^ memorialgenweb.org - Maulévrier : monument aux morts.
  9. ^ http://cassini.ehess.fr/cassini/fr/html/fiche.php?select_resultat=21616
  10. ^ http://www.statistiques-locales.insee.fr
  11. ^ http://www.insee.fr

参考文献[編集]

  • Célestin Port (édition révisée par Jacques Levron, Pierre d'Herbécourt, Cécile Souchon), Dictionnaire historique, géographique et biographique de Maine-et-Loire et de l'ancienne province d'Anjou : D-M, t. 2, Angers, H. Siraudeau et Cie,‎ , 2e éd. (notice BnF no FRBNF34649310)
  • Pierre-Louis Augereau, Les secrets des noms de communes et lieux-dits du Maine-et-Loire, Le Coudray-Macouard, Cheminements,‎ , 398 p. (notice BnF no FRBNF39295447, lire en ligne), p. 52-53
  • Nicolas Delahaye および Pierre-Marie Gaborit, Les 12 Colonnes infernales de Turreau, Éditions Pays et Terroirs,‎ , 159 p.
  • Teddy Verron, L'intégration des Mauges à l'Anjou au XIe siècle, Limoge, Pulim,‎