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メチルエチルケトン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メチルエチルケトン
識別情報
CAS登録番号 78-93-3 チェック
PubChem 6569
ChemSpider 6321 チェック
UNII 6PT9KLV9IO チェック
日化辞番号 J1.960G
KEGG C02845 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL15849 チェック
RTECS番号 EL6475000
特性
化学式 C4H8O
モル質量 72.11 g mol−1
示性式 CH3COC2H5
外観 無色液体
匂い mint or acetone-like[1]
密度 0.8050 g/mL
融点

-86 °C, 187 K, -123 °F

沸点

79.64 °C, 353 K, 175 °F

への溶解度 27.5 g/100 mL
蒸気圧 78 mmHg (20°C)[1]
屈折率 (nD) 1.37880
粘度 0.43 cP
構造
双極子モーメント 2.76 D
危険性
安全データシート(外部リンク) モデルデータシート
ICSC 0179
EU分類 可燃性/引火性 (F)
刺激性 (Xi)
NFPA 704
3
1
0
Rフレーズ R11 R36 R66 R67
Sフレーズ (S2) S9 S16
引火点 −9 °C (16 °F; 264 K)
発火点 404 °C (759 °F; 677 K)
爆発限界 1.4%-11.4%[1]
許容曝露限界 TWA 200 ppm (590 mg/m3)[1]
半数致死量 LD50 2737 mg/kg (ラット/経口)
4050 mg/kg (マウス/経口)[2]
半数致死濃度 LC50 12667 ppm (mammal)
13333 ppm (mouse, 2 hr)
7833 ppm (rat, 8 hr)[2]
関連する物質
関連するケトン アセトン; ジエチルケトン; 3‐メチル‐2‐ブタノン英語版
出典
Merck Index, 11th Edition, 5991
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メチルエチルケトン(methyl ethyl ketone、MEK)は、ケトンに分類される有機溶媒の一種。IUPAC命名法では 2-ブタノン (2-butanone) と表される。消防法による危険物(第四類 引火性液体、第一石油類(非水溶性液体)(指定数量:200L)[3])に指定されている。引火点 −9 ℃、沸点 79.5 ℃、発火点 404 ℃。無色の液体で、特異な匂いがある。にわずかに溶けるが、水との混合物は均一な外観を維持しない。塗料溶剤や合成樹脂の原料となる。

毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[5]

合成

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ブテン付加して得られる2-ブタノールを原料に、亜鉛触媒を用いて脱水素することで生産される[6]。メチルエチルケトンの 2016年度日本国内生産量は 235,436t である[7]

その他

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メチルエチルケトンで輸送事故が生じた場合は厚生労働省の通知「毒物および劇物の事故時における応急措置に関する基準」に従う必要がある。例えば、応急措置として以下のような作業を勧めている。

「漏洩した液が少量の場合は土砂等に吸収させて空容器に回収する。 多量の場合は、土砂等でその流れをせき止め液の表面を泡で覆いできるだけ空容器に回収する。」

脚注

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  1. ^ a b c d NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0069
  2. ^ a b 2-Butanone”. 生活や健康に直接的な危険性がある. アメリカ国立労働安全衛生研究所英語版(NIOSH). 2024年10月16日閲覧。
  3. ^ メチルエチルケトン(MEK) 丸善石油化学
  4. ^ 毒物及び劇物指定令”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月12日閲覧。
  5. ^ 毒物及び劇物指定令[4](昭和四十年一月四日政令第二号、最終改正:平成二八年七月一日政令第二五五号)第二条 九十八の十二
  6. ^ 触媒工業協会 石油化学製品製造用触媒(その3) ~ 脱水素触媒”. 2012年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年7月25日閲覧。
  7. ^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編

関連項目

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外部リンク

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