コンテンツにスキップ

ミャワディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミャワディ
မြဝတီ
位置
ミャワディの位置(ミャンマー内)
ミャワディ
ミャワディ
ミャワディ (ミャンマー)
ミャワディの位置(東南アジア内)
ミャワディ
ミャワディ
ミャワディ (東南アジア)
座標 : 北緯16度41分16秒 東経98度30分30秒 / 北緯16.68778度 東経98.50833度 / 16.68778; 98.50833
行政
ミャンマーの旗 ミャンマー
  カレン州の旗 カレン州
  ミャワディー郡
  ミャワディ
その他
等時帯 ミャンマー標準時 (UTC+6:30)
ミャワディとメーソートとを結ぶタイ・ミャンマー友好橋英語版

ミャワディ (Myawaddy、ビルマ語: မြဝတီスゴー・カレン語: ရၤမတံ) は、ミャンマーカレン州ミャワディー郡にある都市タイメーソート郡国境を接している。国境線にはモエイ川(ムーイ川)が流れ、対岸にタイの町メーソットがある。

タイから生活必需品を持ち込む上で、重要なルートである。東西経済回廊アジアハイウェイ1号線)の通り道でもある。

2021年ミャンマークーデター後の内戦では当初よりミャンマー軍が支配していたが、2024年4月5日に反政府組織のカレン民族解放軍(Karen National Liberation Army: KNLA)へ投降した[1]。ミャワディ占領にはKNLAが大きな役割が果たしていたものの、KNLAは市内の安全を確保するためにカレン民族軍(KNA)、 カレン民族同盟/カレン民族解放軍平和評議会(KNU/KNLA-PC) 、民主カレン慈善軍(DKBA)といったカレン系武装勢力にミャワディの占領権を譲り渡した[2]。しかし、同月24日にカレン系武装勢力はミャワディから撤退し、カレン民族軍とミャンマー軍が再占領した[3]

犯罪

[編集]

2010年代半ば以降、ミャワディは中央政府の統制が及びづらく、違法なカジノが存在する[4]。2021年時点で、ミャワディには少なくとも18のカジノが存在した[5]

ミャワディ周辺地域は、有罪判決を受けた中国人実業家である佘智江によって設立された亜太ニューシティがあり、もと三合会のリーダーである尹国駒中国語版とつながりのある賽西港園区、その他環亜国際ニューシティーなどがある。近くのシュエコッコは地域の犯罪、人身売買特殊詐欺の主要拠点となっている[6]

近郊のメートータレー(Mauwhtotalay)にあるKK園区もまた、サイバー詐欺、人身売買、オンライン・ギャンブル、売春麻薬の中心地となっている[7]。ミャワディ近郊で行われるサイバー犯罪には、中国系犯罪組織によってオンラインで信用を得てから行われる詐欺が運営されている。詐欺グループは世界各地の人々を騙して詐欺団地に誘拐して監禁し、詐欺を強要している。その際に拷問も行われることがある。

2025年1月、中国人俳優の王星がミャワディにある詐欺の拠点に連れていかれたことが携帯電話のGPS機能から判明し、数日で確保された(王星失踪事件)。中国では同様の失踪者が170人以上おり、その家族からSNSで陳情が拡散された[8][9]

日本にも犯罪の影響が及んでおり、2024年末から2025年初頭にかけてインターネットで誘われてタイへ渡った日本人高校生が川を渡ってミャワディへ誘拐される事件が発生した。高校生は、中国語を話す胴元からオンライン詐欺の「かけ子」を強要され、ノルマを達成しないと電気ショックなどの暴行を受けた。その後、高校生は携帯電話で所在を日本の知人に知らせ、在タイ日本大使館経由でタイ警察による保護に繋がった[10][11]

2月5日ごろから、ミャンマーの国境近くにある3都市ミャワディ、パヤトンズータチレクの詐欺拠点5か所に対して、捜査の一環としてタイ側からの燃料、インターネット、電力の遮断が行われた。当地域の多くは、タイ側からのインフラに頼っており、犯罪者集団は拠点を引き払い、外国人の解放も行われた[12][13]

2月22日には、KK園区などへの一斉捜査が行われた[14]。26日時点に捜査を行った武装勢力は、28カ国・地域の7141人に上る保護外国人のリストを作成している[15]

3月6日、タイ治安当局からの情報として、中国人犯罪組織はミャワディ周辺にあった拠点の多くをパヤトンズーヤンゴンなどへ移転させたとしていると報道した。また別のメディアによると、カンボジア北西部ポイペトへの移転も見られるとしてる[16][17]

脚注

[編集]
  1. Myanmar military loses border town in another big defeat”. BBC (2024年4月6日). 2024年4月8日閲覧。
  2. “As Myanmar Junta Counteroffensive Looms, KNU Leaves Myawaddy in Hands of Allies”. The Irrawaddy. 19 April 2024.
  3. Myanmar rebel group withdraws from Thai border after army returns (英語). Nikkei Asia. 2024年4月26日閲覧。
  4. Myanmar’s Casino Cities: The Role of China and Transnational Criminal Networks (United States Institue of Peace, 2020)
  5. Myanmar: Army Moves Against Chinese Crime Groups in Autonomous Zones (United States Institue of Peace, 2021)
  6. US Sanctions Chinese Gangster Behind 'Industrial Zone'in Myanmar's Karen State (The Irrawaddy, 2020)
  7. Karen National Union Under Pressure Over Crime Hub (The Irrawaddy, 2023)
  8. 「丸刈り」で救出された中国人イケメン俳優、特殊詐欺グループによる拉致・監禁事件が連想させる中国社会の怖い話 中国人の犯罪シンジケートが「一帯一路」とともに拡大か”. JBpress(日本ビジネスプレス). 2025年2月24日閲覧。
  9. 中国人俳優、タイで拉致され詐欺拠点に一時監禁 同様の被害多数”. CNN.co.jp. 2025年2月24日閲覧。
  10. タイで拘束・保護の日本人は高校生2人含む7人 外務省が明らかに(朝日新聞、2025年2月)
  11. 中国人約200人 ミャンマーの詐欺拠点からタイに移され保護へ(NHK、2025年2月20日、タイ)
  12. Limited, Bangkok Post Public Company (2025年2月17日). China’s activities 'part of joint operation' against Myanmar-based scammers (英語). Bangkok Post. 2025年3月6日閲覧。
  13. Reporters, Post (2025年2月4日). Thailand pulling the plug on scam gangs in Myanmar (英語). Bangkok Post. 2025年3月6日閲覧。
  14. ミャンマー詐欺摘発“内部映像” 一大拠点きょうにも捜索終了へ”. khb. 2025年3月6日閲覧。
  15. ミャンマー詐欺拠点、28カ国・地域の7千人を保護 日本人含まれず:朝日新聞”. 朝日新聞 (2025年2月26日). 2025年3月6日閲覧。
  16. ミャンマーの詐欺拠点、移転か 別地域や周辺国に、壊滅困難”. 47NEWS. 2025年3月6日閲覧。
  17. 外信部, 時事通信 (2025年3月2日). ミャンマー犯罪拠点移転の動き 中国系組織、カンボジアへ―政界と癒着か、壊滅は不透明:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2025年3月6日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]