マンソン裂頭条虫

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マンソン裂頭条虫 Spirometra erinaceieuropaei
分類
: 動物界 Animalia
: 扁形動物門 Platyhelminthes
: 条虫綱 Cestoda
亜綱 : 真性条虫亜綱 Eucestoda
: 擬葉目 Pseudophyllidea
: 裂頭条虫科 Diphyllobothriidae
: スピロメトラ属 Spirometra
: マンソン裂頭条虫 S. erinaceieuropaei
学名
Spirometra erinaceieuropaei
(Rudolphi, 1819) Mueller, 1937[1]
シノニム

Dibium erinacei-europaei Rudolphi, 1819; Ligula mansoni Cobbold, 1882; Bothriocephalus mansoni (Cobbold, 1882) Blanchard, 1888; Diphyllobothrium mansoni (Cobbold, 1882) Joyeux, 1928; Diphyllobothrium erinacei (Rudolphi, 1819) Faust, Campbell et Kellog, 1929; Spirometra erinacei (Rudolphi, 1819) Faust, Campbell et Kellogg, 1929

和名
マンソン裂頭条虫

マンソン裂頭条虫(マンソンれっとうじょうちゅう、学名Spirometra erinaceieuropaei)は、擬葉目裂頭条虫科に属する条虫の1種。人獣共通感染症を引き起こす。

歴史[編集]

1882年にパトリック・マンソン英語版アモイで人間の死体から孤虫を発見し、1916年に山田司郎が人体に寄生していた孤虫を犬に与えて成長させ、成虫が裂頭条虫であると突き止めた。成虫が判明しているが、人体に寄生する症状が慣習的にマンソン孤虫症と呼ばれる[2]

形態[編集]

成虫の体長は1-2m、体幅約1cm、ストロビラは1000個以上でありその前方は未熟片節、後方は成熟片節からなる。虫卵は長径50-70μm、短径30-45μmの褐色、左右非対称のラグビーボール状であり、一端に小蓋を有し、1個の卵細胞と多数の卵黄細胞を含有する。

生活環[編集]

第一中間宿主ケンミジンコ、第二中間宿主はカエルヘビなどであり、ヘビは待機宿主にもなり得る。終宿主ネコイヌタヌキキツネなど。生活環は糞便とともに虫卵は外界に排出され、水中で孵化してコラシジウムに発育する。コラシジウムは第一中間宿主に捕食され、その体腔でプロセルコイド(前擬尾虫)へと発育する。プロセルコイドは第一中間宿主とともに第二中間宿主に捕食され、その体内でプレロセルコイド(擬尾虫)へと発育して皮下や筋肉に移行する。プレロセルコイドは第二中間宿主とともに終宿主に捕食され、その小腸で成虫へと発育する。プレパテント・ピリオドは7-10日。
プレロセルコイドが寄生したカエルなどをヘビが捕食するとその皮下や筋肉で発育を行わずに寄生する。ヘビ以外にも、ヒトを含めた様々な動物の皮下、腹腔、筋肉内に寄生することがある。このような状態のマンソン裂頭条虫を「マンソン孤虫」と呼ぶことがある。

分布[編集]

北米を除きほぼ世界中に分布している。日本国内では猫での発生が多く、地域によっては30〜45%と高い感染率を示すが、犬ではほとんどの地域で数%程度である。中間宿主の減少により都市部では近年ほとんど感染例がなく、地方都市や郊外での発生が多い。
国内におけるヒトのマンソン孤虫感染は百数十例報告がある。

症状[編集]

病原性はあまり高くないが、頭節の固着により小腸壁が損傷し、軽度の貧血を起こすことが報告されている。
猫の重症例では下痢、栄養障害、削痩、幼若動物の場合発育不全などがみられることがある。ヒトのマンソン孤虫感染では、皮下に寄生することが多く、その部分に無痛性の腫瘤(こぶ)を形成する。虫体の移動に伴い、腫瘤も移動する(移動性腫瘤)。犬、猫は毛皮があるため、このような腫瘤がどれくらい発生しているのかは不明である。

診断[編集]

産卵数は非常に多いものの、糞便中への排出虫卵数は変動するため、複数回検査をすることが望ましい。多くの場合、寄生虫体数は1虫体である。
犬・猫における診断法は、通常は糞便の虫卵検査によるが、片節が便とともに排出されることもある。

治療と予防[編集]

小腸に寄生している成虫に対してはプラジカンテルなどの駆虫薬を用いる。組織内に寄生したプレロセルコイドに有効な駆虫薬はないため、外科的に摘出することが有効である。
予防としては、待機宿主、中間宿主となる動物を生食しないことである。生水は飲まないか、煮沸してから飲むことが望ましい。
しかし放し飼いの猫の場合、完全に予防することは難しいと考えられる。

脚注[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]