ポストハーベスト農薬

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ポストハーベスト農薬(ポストハーベストのうやく)は収穫後の農産物に使用する殺菌剤防かび剤などのこと。ポストとは「後」、ハーベストは「収穫」を意味する。日本では収穫後の作物にポストハーベスト農薬を使用することは禁止されている。しかしながら米国をはじめとする諸外国から輸入されている果物等は、収穫後に倉庫や輸送中にカビ等の繁殖を防止するために薬剤が散布されることがある。

日本ではポストハーベスト農薬に類するものとして、防カビ剤オルトフェニルフェノールビフェニルチアベンダゾール等)および防虫剤ピペロニルブトキシド)が食品添加物として認められているが、制度上は国内で認められる「農薬」とは区別されている。 食品衛生法第4条第2項では、「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義されている。収穫後の作物はその時点で食品とみなされるため、ポストハーベストは「食品の保存の目的」で使用されることとなり、食品添加物として扱われる。

使用目的[ソースを編集]

  1. 農産物の品質の低下を避ける。
  2. 無駄をなくし、安価で高品質の農産物を供給する。
  3. より安全な農産物を供給する。食中毒を防止する。

批判[ソースを編集]

ポストハーベスト農薬の使用には根強い批判があり、代表的なものに以下がある。

  • しばしば危惧されているのは、これらの薬剤は収穫後に散布されていることである。それは貨物船の輸送中でもあり、消費者の手元に入る極めて近い段階で薬剤が散布されていることになる。薬剤の中には、発癌性催奇形性など人体へ影響を与える疑いのある成分も含まれており、消費者は高濃度(ポストハーベスト農薬の残留度は畑で撒かれる農薬の数百倍との説もある)の残留薬剤の付着した商品を手にしていると消費者団体等を中心にその危険性が指摘されている[1]

反論[ソースを編集]

批判についてこれらの反論がある。

  • 収穫後に散布されるから残留しやすいとは一面の真実ではあるが、残留のし易さはポストハーベスト農薬そのものの分解性なども大きく関与する為、危険性を議論するならば残留実態こそ問題視すべきだが、ポストハーベスト農薬の残留実態は各都道府県の食品衛生検査所から公開されている通り、問題になるようなものはほとんど存在しない。[2]ポストハーベスト農薬に限らず全ての農薬・食品添加物食品衛生法のもとで管理され、残留基準値が決められている。この値は一日摂取許容量に基づいているために、安全性について十分な余裕を持った値であり、これ以下の摂取であれば消費者の健康に対する影響は無視できるほど小さくなる。
  • 発ガン性がたびたび問題視されるが、それよりもポストハーベスト農薬は防黴剤として、より強力な発ガン性を持つマイコトキシンを防除することに大きく貢献している[3]
  • 枯葉剤の主成分である2,4-Dなどは一般的な農薬でありポストハーベストで利用される場合があるが、枯葉剤に含まれて催奇形性を示したのは不純物として含まれたダイオキシンであると考えられている[4]

[ソースを編集]

  1. ^ 身近なポストハーベスト農薬が問題になっているものに、レモンなどの柑橘類バナナジャガイモ穀物などが挙げられる。
  2. ^ 例えば東京市場衛生検査所の輸入果実等の防かび剤検査結果を見ても、過去何年にもわたって、基準値以上の防黴剤が検出された事例は全く無い
  3. ^ 例としてナッツ類やトウモロコシなどに発生するカビが産生するマイコトキシンにアフラトキシンがあり、これは天然物質の中で最強の発ガン性物質とされる[誰によって?]
  4. ^ http://www.city.yokohama.jp/me/kenkou/eiken/health_inf/info/daiokisin.html

関連項目[ソースを編集]

文献[ソースを編集]

  • 小若順一『ポストハーベスト農薬汚染』家の光協会、1990年6月、ISBN 425954389X (絶版)
  • 藤巻正生『ポスト・ハーベストの科学と技術 農・水・畜産物の収穫後ロスについて』光琳、1984年、ISBN 4771284059
  • 小若順一『ポストハーベスト農薬』(復刻改題) 食品と暮らしの安全基金、1990年
  • 小若順一『続・ポストハーベスト農薬』(復刻改題) 食品と暮らしの安全基金、1993年

外部リンク[ソースを編集]