ホワイトゴールド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ホワイトゴールド (英語: white gold白色金) と は、主に宝飾品として利用される、を主体とする白い合金である。宝飾品の分野では、頭文字をとってWGという略号が用いられる場合がある。金属体に刻まれる表記は(18金のもので)K18WG、もしくはK18のように省略される場合がある。

白金(プラチナ)とは異なる。ホワイトゴールドは白金(プラチナ)より安価である[1]

割り金(または漂白材)とするのはニッケルまたはパラジウムニッケルを使用するものはハードホワイトゴールド、パラジウムを使用するものはソフトホワイトゴールドと特に呼ばれることがある。前者は鮮明な白色だが硬くて加工が難しく、後者は白さは劣るが柔らかいという特徴がある。[要出典]

成分[編集]

装飾品としての利用が多く、一般には18金ホワイトゴールド (K18WG) と14金ホワイトゴールド (K14WG) が使われる。尚、貴金属合金の混合比は重量比を千分率(‰:パーミル)で表す。

  • 18金ホワイトゴールド - 金750‰、残り250‰はニッケル系(他に亜鉛など)またはパラジウム系(他に、銅など)の合金。
  • 14金ホワイトゴールド - 金585‰、残り415‰はニッケル系(他に銅、亜鉛など)またはパラジウム系(他に銀、銅など)の合金。(注:14金は585‰に相当し、JISや造幣局品位検定は、585を最低値としている。)

体積について混合比を見る場合、18金ホワイトゴールドの場合でも、金の体積は全体の5割程度である。これは、混合された金属に比べて金の密度が大きいためである。

ニッケルが金属アレルギーの原因となるため、ヨーロッパ連合ではニッケル指令英語版によって、合金からのニッケルの溶出量が一定以下に規制されている。日本国内では特にニッケル含有貴金属についての規制はないが、ヨーロッパから輸入されるホワイトゴールドジュエリーはこのヨーロッパ指令をクリアしたもので、成分分析検査によれば、ほぼ5〜7パーセントの含有率である。

色相[編集]

ホワイトゴールドはニッケル系、パラジウム系とも完全に白色ではない。特に、漂白材の含有率が低い場合や、ニッケルがアレルギー問題で忌避され、パラジウムは相場高騰等の理由で他の金属が添加される場合など、黄色みが多く残り、その製品が市場に供給され、消費者からクレームが殺到した。これに応えて、社団法人日本ジュエリー協会では、ホワイトゴールドの色相の範囲を定めた。内容は、色表示法のうち、Lab方式を採用し、ロジウムめっきの色相を基準値(0点)とし、⊿E14(デルタE14)までをホワイトゴールドの色相の範囲と定義している。現在は、この定義に沿って多くのメーカーが材料を用いている。K18のみの刻印でロジウムめっきがされている製品は、イエローゴールドなど他の色調の材料や、JJAのホワイトゴールドの色の範囲の定義からはずれている材料の可能性が高い。

歴史[編集]

当初、第一次世界大戦ロシア革命により、プラチナの供給が大幅に減少した際に、その代替品としてパラジウム系ホワイトゴールドが開発された。日本国内では昭和50年代までは代替材としての認識であった。しかしその後、カラーゴールドが流行し、ニッケル系ホワイトゴールドも加わり、白色の金として認知されて、プラチナと共に白色系の貴金属として評価されてきた。現在[いつ?]、イエローゴールドよりもホワイトゴールドの方がシェアが高い。

脚注[編集]

関連項目[編集]