ビック (フランス企業)

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BIC製のライター。ロゴ左寄りに描かれているのがBICBOY
BIC製ボールペン

ビックBIC、正式社名はソシエテ・ビック、フランス語: Société Bic S.A.)は、フランスクリシーに本拠を置き、世界160カ国以上で筆記具およびライターシェーバーを販売するメーカーである。日本法人はBICジャパン株式会社ユーロネクスト・パリ上場企業(EuronextBB )。

沿革[編集]

1945年マルセル・ビックパリ郊外の工場を買い取り創業。当初はシャープペンシル万年筆の部品を製造するメーカーであった[1]

1950年、「BIC」のブランド名で使い切りのボールペン(ビック・クリスタル)を販売開始[1]1961年に誕生した黄色オレンジ色)軸のボールペン(ビックオレンジ)は、同社製品でも広く知られている[注釈 1][注釈 2]。また、同じ年に生まれた、ボールペンのペン先のボールを模したキャラクターは「BICBOY(ビックボーイ)」と呼び、フランスのポスター画家レイモン・サヴィニャックによるもの[4]で、ブランドのマスコットとしてボールペン以外の製品にも印刷・刻印されている。1997年アメリカの高級筆記具メーカーであるシェーファーを買収し、傘下としている[5]

また、ライターシェーバースポーツ用品のメーカーでもある。1973年に発売された使い切りライターは、現在の一般的な100円ライターと同じ形状で、式ではあるが、一般的なライターがブタンを使用しているのに対し、ビックのライターはイソブタンを使用しているため低温に強く、寒冷地の屋外や冬山登山で扱いやすく、無臭のためタバコの香り等を邪魔しない。また、最大着火回数が普通のライターよりも多いという[6]

日本におけるビック[編集]

日本では、1980年から長らく廣済堂の関連会社である廣済堂商事が代理店として販売を担ってきたが、2004年にビック本社が100%出資のビック廣済堂(現:BICジャパン株式会社)に販売権が移り、現在は同社が日本の総販売元となっている[7]

注釈[編集]

  1. ^ 2021年7月、全世界で「オレンジ イージーグライド(オレンジEG)」が廃番になることが発表された[2]
  2. ^ 2011年より、書き味が滑らかなイージーグライド(Easy Glide)インクに切り替わった。[3]

脚注[編集]

  1. ^ a b Our Heritage, Your Passion” (英語). Société Bic S.A.. 2019年8月4日閲覧。
  2. ^ 世界中で愛されたオレンジのBICボールペン、全世界で廃番に メーカー担当者も「相当ショックです」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース(2021年7月20日)2021年7月21日閲覧
  3. ^ ビックも参戦!滑らか油性ボールペン市場
  4. ^ 『Begin厳選!殿堂ブランド図鑑』世界文化社、2011年、p.52
  5. ^ Bic Wins Time in Fight to Acquire Sheaffer” (英語). ニューヨーク・タイムズ (1997年8月28日). 2019年8月4日閲覧。
  6. ^ 『Begin厳選!殿堂ブランド図鑑』世界文化社、2011年、p.53
  7. ^ 日本でのBIC”. BICジャパン. 2019年8月4日閲覧。

外部リンク[編集]