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ハッサン・ディアブ (政治家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハッサン・ディアブ
حسان دياب
レバノンの旗 レバノン共和国
第68代 首相
任期
2020年1月21日 – 2021年9月10日
大統領ミシェル・アウン
副首相ゼイナ・アカル英語版
前任者サード・ハリーリー
後任者ナジーブ・ミーカーティー
レバノンの旗 レバノン教育・高等教育大臣
任期
2011年6月13日 – 2014年2月15日
大統領ミシェル・スライマーン
首相ナジーブ・ミーカーティー
前任者Hasan Mneimneh
後任者エリヤース・ブー・サアブ英語版
個人情報
生誕 (1959-01-06) 1959年1月6日(65歳)
レバノンの旗 レバノンベイルート
配偶者Nuwar Mawlawi
子供3人
出身校リーズ・メトロポリタン大学英語版
サリー大学英語版
バース大学
宗教イスラム教
公式サイト公式サイト

ハッサン・ディアブアラビア語: حسان دياب‎ ハッサーン・ディヤーブ、アラビア語ラテン翻字: Hassan Diab1959年1月6日 – )は、レバノン工学者教員。2020年1月から2021年9月まで同国首相、第2次ナジーブ・ミーカーティー政権下の2011年から2014年まで教育大臣を務めた。

生い立ちと教育

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1959年、ディアブはベイルートレバノン人の家庭に誕生[1]。1981年、リーズ・メトロポリタン大学英語版通信工学の学士号を取得[2][3]。続いて1982年にサリー大学英語版システム工学の修士号を取得[2]。1985年にバース大学計算機工学の博士号を取得[3]

職歴

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ディアブはベイルート・アメリカン大学電気工学教授を務めた。また彼は2006年10月から2011年6月までベイルート・アメリカン大学の地域外部プログラム副代表を務めた[4]。2011年6月13日、ディアブはナジーブ・ミーカーティー内閣の一員として教育大臣に任命され、2014年2月15日の任期末まで在任した[5]

2019年12月19日、ミシェル・アウン大統領はディアブを次期レバノン首相に指名した。これは2019年レバノン反政府デモ英語版によりサアド・ハリーリー首相が辞任したことによるものであった。ディアブはレバノン国民議会にて単一与党の3月14日同盟英語版を中心に賛成69票を獲得した[6]。しかし、組閣作業が遅れたため[7]、2020年1月21日になってようやく政権が発足した[8]

2020年3月には、デフォルト状態となり[9]、通貨の下落により多くを輸入に頼る食料品などの価格が高騰。6月には各地でデモが頻発し、抑え込むことができない状況となった[10]

2020年8月4日に発生したベイルート爆発事故への対応に批判が集まり反政府デモが拡大、また閣僚が次々に辞任を表明する事態となった。8月10日、ディアブは内閣総辞職を表明[11]。12月10日、必要な措置を取らずに危険物を放置したとして、司法当局から過去の担当閣僚らと共に訴追された[12]。後継の首相にはサード・ハリーリー前首相が指名されたものの組閣の方針を巡ってアウン大統領と対立し[13]、辞職表明後も、新たに首相に指名されたナジーブ・ミーカーティーが2021年9月に就任するまで1年以上首相にとどまり続けた。

私生活

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ディアブは既婚で、子供が3人いる。レバノンのベイルート在住。スンナ派イスラム教徒である[14]

参考文献

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  1. ^ El Basha, Thomas (13 June 2011). “Mikati forms 30-member Lebanon Cabinet”. The Daily Star. http://www.dailystar.com.lb/2011/Jun-13/Lebanon-appoints-new-government.ashx#ixzz1PQNIjoW1 18 December 2012閲覧。 
  2. ^ a b Biography”. Official Website. 31 January 2013閲覧。
  3. ^ a b Our People”. American University of Beirut. 31 January 2013閲覧。
  4. ^ Mroueh, Wassim (22 June 2011). “New education minister eschews political spats”. The Daily Star. http://www.dailystar.com.lb/News/Politics/2011/Jun-22/New-education-minister-eschews-political-spats.ashx#axzz2FPwqVpa7 18 December 2012閲覧。 
  5. ^ “Fresh hopes for Lebanon cabinet formationo”. Al Arabiya. (15 February 2014). http://english.alarabiya.net/en/News/middle-east/2014/02/15/Fresh-hopes-for-Lebanon-cabinet-formation.html 18 February 2014閲覧。 
  6. ^ “Lebanon, Mired in Crises, Turns to a Professor as Prime Minister”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2019/12/19/world/middleeast/lebanon-prime-minister-hassan-diab.html 
  7. ^ “ゴーン逃亡のレバノンが無政府状態に、銀行も襲撃される”. ニューズウィーク. (2020年1月20日). https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/post-92175.php 2020年1月20日閲覧。 
  8. ^ “レバノンで新内閣発足 反政府デモ、収束見えず”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2020年1月22日). https://web.archive.org/web/20200226034320/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020012200238&g=int 2020年1月22日閲覧。 
  9. ^ 深刻な財政危機にあえぐレバノン、初のデフォルトへ”. 2020-03-08AFP (2020年3月8日). 2020年3月7日閲覧。
  10. ^ レバノン通貨70%急落、全土で抗議デモ激化”. CNN (2020年6月12日). 2020年7月3日閲覧。
  11. ^ “レバノン内閣総辞職へ 反政府デモ拡大で情勢混迷”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2020年8月11日). https://web.archive.org/web/20201030071034/https://www.jiji.com/jc/article?k=2020081000297&g=int 2020年8月11日閲覧。 
  12. ^ “レバノン暫定首相らを訴追 ベイルートの大規模爆発で”. 産経ニュース. 産業経済新聞社. (2020年12月11日). https://www.sankei.com/world/amp/201211/wor2012110011-a.html 2020年12月19日閲覧。 
  13. ^ “Saad Hariri blasts Lebanon's president over Cabinet formation letter”. The National. (2021年5月22日). https://www.thenationalnews.com/mena/lebanon/saad-hariri-blasts-lebanon-s-president-over-cabinet-formation-letter-1.1227472 2021年5月24日閲覧。 
  14. ^ “Roadblocks across Lebanon as anger rises over Diab pick as PM”. Al Jazeera. https://www.aljazeera.com/news/2019/12/roadblocks-lebanon-anger-rises-diab-pick-pm-191220091929392.html 
公職
先代
サード・ハリーリー
レバノンの旗 レバノン共和国首相
第68代:2020 - 2021
次代
ナジーブ・ミーカーティー