トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ
マイケル・ブレッカースタジオ・アルバム
リリース
録音 ニューヨーク アバター・スタジオ[2]
ジャンル ジャズ
時間
レーベル インパルス!レコード
プロデュース マイケル・ブレッカー、ジョーイ・カルデラッツォ
専門評論家によるレビュー
マイケル・ブレッカー アルバム 年表
テイルズ・フロム・ザ・ハドソン
(1996年)
トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ
(1998年)
タイム・イズ・オブ・ジ・エッセンス
(1999年)
テンプレートを表示

トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ』(Two Blocks from the Edge)は、アメリカ合衆国ジャズサクソフォーン奏者、マイケル・ブレッカー1998年に発表した、単独リーダー作としては5作目のスタジオ・アルバム。日本で先行発売された[3]

背景[編集]

ブレッカーの当時のレギュラー・グループに、ドン・アライアスを加えた編成で録音された[4]。ブレッカーは本作に関して「自分のバンドのライヴで新曲を練り上げてから制作した、初めてのアルバム」「私にとって最も自然発生的なアルバム」と語っている[5]。アルバム・タイトルは、長年にわたりブレッカーと共演してきたドン・グロルニック(1996年死去)の口癖が元になっており、本作自体もグロルニックに捧げられた[5]

「ジ・インペイラー」は、ジェフ・テイン・ワッツがリーダー・アルバム『Megawatts』(1991年)で発表した曲の再演で、ワッツは1998年録音・1999年発表のリーダー・アルバム『シティズン・テイン』でも同曲をリメイクした[6]

反響・評価[編集]

アメリカの『ビルボード』では、ジャズ・アルバム・チャートで5位に達した[7]

スコット・ヤナウオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「冒頭を飾るミディアム・テンポのブルース"Madame Toulouse"や、キャッチーな"Bye George"(まるでホレス・シルヴァーが書いたかのような曲である)から、最後を飾るファンキーで茶目っ気に満ちた"Delta City Blues"に至るまで、実に強力な作品だ」「推薦盤である」と評している[8]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「ブレッカーは全編でストレートアヘッドなインプロヴィゼーションに全力で挑み、成功をおさめた。真に迫った演奏が心を揺さぶる」と評されている[1]

トラック・リスト[編集]

特記なき楽曲はマイケル・ブレッカー作。「スカイラーク」はインターナショナル盤ボーナス・トラックで、アメリカ盤には収録されていない。なお、日本初回盤CD (MVCI-24008)および2007年再発CD (UCCV-9319)では、「デルタ・シティ・ブルース」はイントロと本編の2トラックに分割されているが、アメリカ盤CD (IMPD-260)およびヨーロッパ盤CD (IMP-12612)では1トラックとして扱われている。

#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「マダム・トゥールーズ - Madame Toulouse」  
2.「トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ - Two Blocks from the Edge」  
3.「バイ・ジョージ - Bye George」(Joey Calderazzo)  
4.「エル・ニーニョ - El Niño」(J. Calderazzo)  
5.「キャッツ・クレイドル - Cat's Cradle」(J. Calderazzo)  
6.「ジ・インペイラー - The Impaler」(Jeff "Tain" Watts)  
7.「ハウ・ロング・ティル・ザ・サン - How Long 'Til the Sun」  
8.「デルタ・シティ・ブルース - イントロ - Delta City Blues - Intro」  
9.「デルタ・シティ・ブルース - Delta City Blues」  
10.スカイラーク - Skylark」(Johnny MercerHoagy Carmichael)  

パーソネル[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b マイケル・ブレッカー / トゥー・ブロックス・フロム・ジ・エッジ (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2023年1月8日閲覧。
  2. ^ CD英文ブックレット内クレジット
  3. ^ 日本初回盤CD (MVCI-24008)帯
  4. ^ 日本盤CD (MVCI-24008)ライナーノーツ(村井康司、1998年3月)
  5. ^ a b Brannon, Mike (2015年3月29日). “Michael Brecker: He Can Groove Any Way You Want”. All About Jazz. 2023年1月8日閲覧。
  6. ^ Small Group Jazz Performances: Part IX”. New York Jazz Workshop. 2023年1月8日閲覧。
  7. ^ Michael Brecker - Awards”. AllMusic. 2016年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月8日閲覧。
  8. ^ Yanow, Scott. “Michael Brecker - Two Blocks from the Edge Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年1月8日閲覧。

外部リンク[編集]